志門が独立美術協の小畑健治、高村自朗「麒の会」展

【銀座新聞ニュース=2025年5月19日】ギャルリー志門(中央区銀座6-13-7、新保ビル、03-3541-2511)は5月19日から24日まで高村自朗さんと小畑健治さんによる「第7回麒の会」を開いている。

ギャルリー志門で5月19日から24日まで開かれている高村自朗さんと小畑健治さんの「第7回麒の会」のフライヤー。上が高村自朗さん、下が小畑健治さん。

「独立美術協会」(品川区西五反田2-13-8、山崎ビル、03-3490-5881)の準会員の高村(たかむら)自朗さんと会員の小畑健治さんとの2人の会「麒の会」が7回目の2人展を開いている。

「麒の会」はかつては銀座の「画廊るたん」(2020年12月19日に閉廊)で開いており、2018年時の展示会のフライヤーによると、小畑健治さんは「木の破片をメディウムで貼り付け、空や宇宙からみた建物を航空図のように再現している。以前は建物やモチーフを具体的にいわゆる絵画として表していたが、作家の探究心が現在のスタイルに発展させた」としている。

一方、高村自朗さんは「未来の火星開拓時代に、活躍するメディアという女性を主人公にした物語を絵で表し、自分自身の中にある物語を表現しながらも、客観的な視点を意識しながら再構成して制作」している。

人物画の高村自朗さんと設計図のような小畑健治さんの作品は一見異なっているが、「遠い宇宙を介して繋がって」いるという。

独立美術協会は1926年に前田寛治(かんじ、1896-1930)や佐伯祐三(1898-1928)らが、「バルビゾン派」の旧称「1830年派」に倣って結成した「1930年協会」の展覧会が発端となり、二科会の会員の児島善三郎(1893-1962)、会友の林武(1896-1975)ら9人が二科会を脱退した。

また、「春陽会」の三岸好太郎(1903-1934)、「国画会」の高畠達四郎(たかばたけ・たつしろう、1895-1976)、フランス留学から帰国した伊藤廉(1898-1983)、福沢一郎(1898-1992)らと「既存の団体からの絶縁」と「新時代の美術の確立」を宣言して1930年11月1日に創立された。

1931年1月に第1回独立展を東京府美術館で開き、フォービズム的画風が独立の基調をなし、日本的油絵への一指針を示した。その後、野口弥太郎(1899-1976)らが第10回展までに加わり、1937年に内紛から伊藤廉らが脱退、1939年に福沢一郎が脱退した。脱退者の一部は、1951年の協会設立20周年を期に会員に復帰した。

独立展は2022年10月までに89回開かれている。2006年まで東京都美術館で開き、2007年からは国立新美術館で毎年10月に開いている。

小畑健治さんは1969年大阪府生まれ、1994年に独立美術協会展に出品し(以降、毎年出品)、1995年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業、第15回国際瀧富士美術賞を受賞し、1997年に多摩の独立展に出品し、2012年から「麒の会」で出品し、2016年に春季選抜展に出品し、2018年に独立展新人賞(2019年に独立展賞候補、2021年に佳作賞、2023年に独立賞、2024年に独立展会員推挙)、2019年に独立春季展で奨励賞、現在、独立美術協会会員。

高村自朗さんは1965年東京都生まれ、1988年に独立美術協会展に出品し(以降、毎年出品)、1990年に多摩美術大学油画科具象クラスを卒業、1991年にオギサカ大賞展で優秀賞、2003年に多摩の美術公募展で佳作賞、2005年に多摩の独立展に出品し、2012年から「麒の会」で出品し、2015年に「風の会」に出品し、2019年に独立展で佳作賞(2022年に佳作賞、2023年に中山賞、2024年に奨励賞)、2020年に独立春季選抜展で奨励賞(2022年に奨励賞)、現在、独立美術協会準会員。

開場時間は11時から19時(最終日は17時)まで。