【銀座新聞ニュース=2025年5月15日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)は5月14日、4月の映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年同月比26.7%減の112億5377万円で、3カ月続けてマイナスになったと発表した。

3月7日から公開されている「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」((C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2025)。興行通信社によると、5月6日までの累計の興行収入は44.5億円、観客動員数が370.5万人に達している。
4月は例年、7月などと並んで年間で観客動員数がそれなりに見込める時期で、2009年が49億円、2010年が57億円、2011年が55億円、2012年が79億円、2013年が46億円と主に40億円台から50億円台で推移してきた。
その後、2014年が70億円、2015年が78億円、2016年が35億円、2017年が76億円、2018年が82億円と70億円台から80億円台に拡大し、2019年に104億円と100億円を突破した。しかし、2020年は4月7日に新型コロナウイルスの感染者数の拡大に伴い「緊急事態宣言」が発動され、18日から全館休業したことや新作がすべて公開延期となったことから1億3887万円にとどまった。
2021年は4月25日に東京都、大阪、京都府、兵庫県の4都府県に「緊急事態宣言」が発動されるなど、4都府県の映画館が全館休業したり、新作が公開延期となったものの、89億円と2020年4月比では大幅に増えた。
2022年は3月21日に「まん延防止等重点措置」が解除され、4月は73億円まで回復したものの、2021年4月比ではマイナス。2023年は4月29日から5月7日までのゴールデンウィーク(GW)で「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」などが好調で、東宝の映画営業部門興行成績が4月だけで2021年3月以来、25カ月ぶりに100億円を超える114億円、2024年4月はさらにそれを35%も上回る153億円まで増えた。2025年4月は2024年8月以来、8カ月ぶりに100億円を突破したが、前年4月が好調だったため、その反動でマイナスとなった。
一方、TOHO(トーホー)シネマズ、関西共栄興行、東京楽天地という連結3社ベースの東宝グループの映画館の4月の入場料収入は同7.5%減の58億9976万円と3カ月続けてマイナスとなった。TOHOシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員については公表するのを止めている。
新たに4月に公開されたのは、4日公開の「Love Letter(ラブレター)4Kリマスター版」(TOHO NEXT)、4日公開の「『鬼滅の刃』特別編集版 兄妹の絆」、11日公開の「『鬼滅の刃』特別編集版 浅草編」、18日公開の「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」と「『鬼滅の刃』特別編集版 鼓屋敷編」、25日公開の「#真相をお話しします」、と「『鬼滅の刃』特別編集版 那田蜘蛛山編」の7本だった。
興行通信社の映画興行ランキングによると、4日から6日の週は「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」が5週目も1位、「ヒプノシスマイク Division Rap Battle(ディビジョン・ラップ・バトル)」が7週目で6位、「ファーストキス 1ST KISS」が9週目で9位と、トップ10入りは前週より1本減って3本だった。
11日から13日の週は「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」が6週目も1位、「ヒプノシスマイク Division Rap Battle」が8週目で5位、「ファーストキス 1ST KISS」が10週目で9位と、トップ10入りは前週と同じく3本だった。
18日から20日の週は「名探偵コナン 隻眼の残像」が初週で1位、「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」が7週目で2位、「ヒプノシスマイク Division Rap Battle」が9週目で8位、「ファーストキス 1ST KISS」が11週目で9位と、「『鬼滅の刃』特別編集版 鼓屋敷編」が初週で10位と、トップ10入りは前週より2本増えて5本だった。
25日から27日の週は「名探偵コナン 隻眼の残像」が2週目も1位、「#真相をお話しします」が初週で3位、「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」が8週目で6位、「『鬼滅の刃』特別編集版 那田蜘蛛山編」が初週で10位と、トップ10入りは前週より1本減って4本だった。
4月に映画館で上映された東宝の配給作品(TOHO NEXTを含む)は、「♯真相をお話しします」(4月25日公開)、「名探偵コナン 隻眼の残像」(4月18日公開)、「Love Letter 4K リマスター版」(TOHO NEXT、4月4日公開)、「『鬼滅の刃』特別編集版 兄妹の絆」(4月4日公開)、「『鬼滅の刃』特別編集版 浅草編」(4月11日公開)、「『鬼滅の刃』特別編集版 鼓屋敷編」(4月18日公開)、「『鬼滅の刃』特別編集版 那田蜘蛛山編」(4月25日公開)。
「怪獣8号第1期総集編/同時上映『保科の休日』」(TOHO NEXT、3月28日公開)、「少年と犬」(3月20日公開)、「ZEROBASEONE THE FIRST TOUR [TIMELESS WORLD] IN CINEMAS(ゼロベースワン・ザ・ファースト・ツアー(タイムレス・ワールド)イン・シネマ」(TOHO NEXT、3月19日公開)、「映画しまじろう『しまじろうと ゆうきのうた』」(TOHO NEXT、3月14日公開)、「お嬢と番犬くん」(3月14日公開)、「ドラえもん のび太の絵世界物語」(3月7日公開)、「ヒプノシスマイクーDivision Rap Battle」(TOHO NEXT、2月21日公開)。
「劇場版『トリリオンゲーム』」(2月14日公開)、「ファーストキス 1ST KISS」(2月7日公開)、「劇場版アニメ『ベルサイユのばら』」(1月31日公開)、「アンダーニンジャ」(1月24日公開)、「機動戦士 Gundam GQuuuuuuX-Beginning」(1月17日公開)、「映画『グランメゾン・パリ』」(2024年12月30日公開)他。