【銀座新聞ニュース=2025年6月13日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)はこのほど、5月の映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年同月比3.4%減の78億7610万円で、4カ月続けてマイナスになったと発表した。

4月18日から一般公開されている「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」((C)2025 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会)。公開から6月1日までの累計興行収入は133億円を突破した。2023年公開の「黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)」(興収が138.8億円)、2024年公開の「100万ドルの五稜星(ひゃくまんドルのみちしるべ)」(興収が158億円)、2025年の「隻眼の残像」と3作続けて興収が100億円を突破している。
5月は例年、70億円前後と年間で8月、12月に次いで売り上げが多い月のひとつで、2009年が67億円、2010年が61億円、2011年が65億円、2012年が85億円、2013年が43億円、2014年が77億円、2015年が81億円、2016年が82億円、2017年が66億円、2018年が67億円で推移し、2019年は114億円と5月として初めて100億円台を突破した。
しかし、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により、4月7日に「緊急事態宣言」が発令され、4月18日から全館休業を余儀なくされたため、5月は6896万円と1億円を割った。2021年も4月に「蔓延防止等重点措置」や「緊急事態宣言」が発令され、5月末までは映画館は宣言適用地では自治体から休業を要請され、2020年に続いて、2021年5月の興行収入も30億円にとどまった。
2022年は3月21日に「蔓延防止等重点措置」が解除され、4月は70億円台を回復し、5月は前年比でほぼ3倍増の87億円だった。2023年は3月13日からマスクが個人判断となり、5月8日からコロナ感染症が2類からもっとも軽い5類に移行したこともあり、ほとんどの規制がなくなり、2023年5月は微増の88億円だった。
2024年は1月からプラスに転じ、3月、4月と2カ月連続で100億円を超えるなど好調だったことから、その反動で5月は81億円と80億円を超えたものの、前年比では7%減にとどまった。2025年は2024年の反動減が続いており、5月も78億円だが、前年に比べて微減となった。
一方、TOHO(トーホー)シネマズ、関西共栄興行、東京楽天地という連結3社ベースの東宝グループの映画館の5月の入場料収入は同32.2%増の64億2951万円と2024年8月(71億円)以来の60億円超で、4カ月ぶりにプラスとなった。TOHOシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員については公表するのを止めている。
新たに5月に公開されたのは、9日公開の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」、30日公開の「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」(TOHO NEXT)の2本だった。
興行通信社の映画興行ランキングによると、2日から4日の週は「名探偵コナン 隻眼の残像」が3週目も1位、「#真相をお話しします」が2週目で4位、「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」が9週目で9位と、トップ10入りは前週より1本減って3本だった。
9日から11日の週は「名探偵コナン 隻眼の残像」が4週目も1位、「#真相をお話しします」が3週目で3位に再浮上し、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が初週で6位と、トップ10入りは前週と同じく3本だった。
16日から18日の週は「名探偵コナン 隻眼の残像」が5週目も1位、「#真相をお話しします」が5週目で9位と、トップ10入りは前週より1本減って2本だった。
23日から25日の週は「名探偵コナン 隻眼の残像」が6週目で2位、「#真相をお話しします」が5週目で9位、トップ10入りは前週と同じく2本だった。
30日から6月1日の週は「名探偵コナン 隻眼の残像」が7週目で2位、「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」が初週で4位と、トップ10入りは前週と同じく2本だった。
5月に映画館で上映された東宝の配給作品(TOHO NEXTを含む)は、「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」(TOHO NEXT、5月30日公開)、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編 リバイバル上映」(5月9日公開)、「♯真相をお話しします」(4月25日公開)、「名探偵コナン 隻眼の残像」(4月18日公開)、「Love Letter 4K リマスター版」(TOHO NEXT、4月4日公開)、「少年と犬」(3月20日公開)。
「ドラえもん のび太の絵世界物語」(3月7日公開)、「映画ヒプノシスマイクーDivision Rap Battle」(TOHO NEXT、2月21日公開)、「ファーストキス 1ST KISS」(2月7日公開)、「劇場版アニメ『ベルサイユのばら』」(1月31日公開)、「アンダーニンジャ」(1月24日公開)、「機動戦士 Gundam GQuuuuuuX-Beginning」(1月17日公開)など。