【銀座新聞ニュース=2025年8月26日】国内化粧品業界首位の資生堂(中央区銀座7-5-5、03-3572-5111)は8月26日から12月7日まで資生堂ギャラリー(中央区銀座8-8-3、東京銀座資生堂ビル、03-3572-3901)で髙田安規子さんと髙田政子さんによる「Perspectives この世界の捉え方」展を開いている。
髙田安規子(あきこ)さんと髙田政子さんは、一卵性双子のユニットとして活動しており、身近な素材を用い、空間や時間の「スケール(尺度)」をテーマに制作し、数学や物理学的アイデアを背景に繊細な手仕事や緻密な構成で生み出され、アートと科学を融合させた独自の感性により表現している。また、展示会場を事前にリサーチし、その特性を生かした展示を行う。
髙田安規子さんと髙田政子さんは2024年に資生堂の文化施設、資生堂企業資料館、資生堂アートハウスの両施設(静岡県掛川市)を訪れた。そこで、資生堂の社名の由来である「易経(えききょう)」(紀元前206年から紀元後220年の漢代の五経のひとつ)の一節「至哉坤元 万物資生(いたれるかなこんげん ばんぶつとりてしょうず)」(大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか。すべてのものは、ここから生まれる)に出会い、自分たちの自然観と重なり合うことから、本展では「万物資生」の考えを起点に、生命やその成り立ち、進化の歴史を時間の層として描き出しながら、自然の法則で宇宙までつながる時空間を、スケールとともに巨視的・微視的に捉え可視化することを試みている。
展示の中心となるのは、本を積み重ねて地層に見立てた新作「Strata(ストラータ)」で、地層は、生物の生態や自然環境の情報が刻み込まれた「歴史書のようなもの」という例えから着想を得て、資生堂ギャラリーの小展示室の床から踊り場の床下までつながる本棚に、約500冊の本と、そのあいだに鉱石や化石を配置し、生物の誕生から人新世までの時と知の連なりを表現している。
また、新作の「Timepiece(タイムピース)」は、割れた砂時計からあふれ出した砂、石、岩で構成され、時間の概念について考えさせると同時に受け継がれていく生命、あるいは生命の終焉を想起させる。自然界に広くみられるフラクタル形態(AIによると、部分と全体が同じ形をしている「自己相似性」を持つ図形や構造を指す)を用いて自然の摂理における「個」と「全体」について言及した「Can’t see the forest for the leaves(キャント・シー・ザ・フォレスト・フォー・ザ・リーブス)」 、すべての生命の源となる光をテーマにした「Spectrum(スペクトラム)」など、新作とこれまでの作品を再構成したものを中心に約20点展示している。
髙田安規子さんと髙田政子さんは1978年東京都生まれ、2001年に髙田安規子さんが多摩美術大学美術学部彫刻学科を卒業、髙田政子さんが東京造形大学美術学部比較造形学科を卒業、2005年に2人ともロンドン大学スレード美術学校人文学部彫刻科修士課程を修了した。
主な個展(ユニット)として2010年「クリテリオム 78」(水戸芸術館現代美術ギャラリー)、2022年に「Going Down the Rabbit hole」(MA2ギャラリー)、2023年から2024年に府中市美術館で公開制作88「くり返すカタチ」などある。
9月12日17時から18時30分まで資生堂銀座ビル(中央区銀座7-5-5)7階インスピレーションホールで髙田安規子さん、髙田政子さんと資生堂のみらい開発研究所の岡﨑俊太郎主任研究員によるトークセッションを開く。今回は「Art Meets Science/Science Meets Art」と題し、アートの立場から髙田安規子さんと髙田政子さんが、サイエンスの立場から岡﨑俊太郎さんが「観る」という行為が心身に及ぼす影響や、本展示におけるテーマの一つとなっている「個と全体」の捉え方などさまざまな角度から対談する。定員は40人で、事前予約制(https://shiseidogalleryspecialtalksession0912.peatix.com/)。
岡﨑俊太郎さんは生理学研究所の研究員、早稲田大学の講師として20年以上アカデミアで経験を積み、聴覚と音声研究、リハビリテーション科学、コミュニケーション・インタラクションに関する研究など、幅広い分野に造詣があり、2019年に資生堂に入社している。
開場時間は11時から19時(日曜日、祝日は18時)。月曜日は休み。入場は無料。

