【銀座新聞ニュース=2025年10月3日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル、03-3248-8454)は10月6日から18日まで企画展「Favorite」を開く。
MASA ART 高橋正宏さんが企画したグループ展で、南花奈(かな)さんをはじめとする作家7人がそれぞれが「お気に入り」をテーマに描いた作品約25点を展示販売する。
今回、出品するのは南花奈(かな)さん、きゃらあいさん、タカハシマホさん、紺野真弓さん、河染波留可(かわぞめ・はるか)さん、サトウナツキさん、かさいはるさんの7人。
南花奈さんは1990年東京都生まれ、2012年に多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業、2019年に美学校銅版画工房を修了している。2015年3月に「10th TAGBOAT AWARD」で入選(2016年にも入選)、同年3月に「ACT ART AWARD2015」で優秀賞、2016年3月に月刊美術主催「第4回美術新人賞デビュー展」で入選している。死生観や愛をテーマに、愛らしい動物たちや圧倒的な密度を持つ昆虫たちの作品を描いており、2017年から個展を開いている。
きゃらあいさんは1996年大阪府生まれ、2018年に京都造形芸術大学(現京都芸術大学)アートプロデュース学科を卒業、2009年頃からインターネット上で作品の発表を始め、 2014年から展示活動を開始している。「ゆらぎの中にいる自覚」が制作の主なテーマで、SNSで多様な価値観に触れられる時代、さまざまなものを吸収して、何が正しいのか、自分の意見や属性すらも分からなくなる浮遊感が自身の中に根強くあり、作品制作はそれを受け止める器にもなる。
幼少期に読んでいた少女マンガから影響を受けた大きな瞳の少女と、パステルカラーを多用したファンシーな作風を特徴とし、10代前半にイラストレーターとして活動を始め、現在は、日常的に繰り返し触れるSNS上で生じる幸せと苦しみや、それに伴う自身の不安定さを「ゆらぎ」として制作のテーマに据え、善悪・明暗などで分けることのできない複雑な現代社会や人間関係を描こうとしている。
タカハシマホさんは1992年千葉県生まれ、デザイン専門学校を卒業、フリーのイラストレーター、デザイナーを経て、美術系専門学校にて講師を3年務めた後、アーティストになり、少女の姿は観覧者が自己投影できる鏡とし描いている。2020年11月に「美の起原展」で入選、同年12月に「Independent東京」で審査員特別賞、高橋正宏賞、2021年2月に「いい芽ふくら芽 in Tokyo 2021」でアートファクトリー賞を受賞している。
大型作品制作のため故郷である千葉県を拠点に、廃園となっていた自身が当時通っていた保育園をアトリエとし、活動している。平面、立体、素材を問わずに作品を制作している。
紺野真弓さんは1987年宮城県生まれ、2014年に独学でアクリル画を描き始め、2015年に作家活動を開始、デジタルイラストに使われるレイヤー効果のような表現をアクリル画に取り入れることで、人工的で多層的なイメージを描いている。2016年から個展を開いている。
河染波留可さんは1990年香川県生まれ、2011年に大阪総合デザイン専門学校ビジュアルクリエーター学科コミックアート専攻を卒業している。「結ぶ」や「繋がり」をコンセプトに、きらきら輝く少女達が心に秘めている強さ、やさしさ、ほんの少しの寂しさを描く。2019年9月に「KIZUNA2019」でGALLERY ART POINT大賞を受賞している。
サトウナツキさんは1992年三重県生まれ、京都精華大学芸術学部版画専攻を卒業、感情の微かな動きと変化、居場所や存在の揺らぎを描く。
かさいはるさんは2002年滋賀県生まれ、2025年に西安造形大学美術領域洋画コース4年在籍している。2022年4月に六花亭アートヴィレッジ中札内美術村公募展「二十歳の輪郭」で名村大成堂賞を受賞している。絵に、たびたび登場する弱くて脆弱で、それでいてしっかりとした輪郭をもって存在するキャラクター達は、自由で無邪気な心の象徴で、絵を通して自分自身が紡いできたナラティブとしている。難解で複雑になっていく思考と生活の中で、とても単純でシンプルなときめきや遊び心を、どうにかして肯定できたらと考えながら制作している。
11日16時から18時までレセプションを開く。
開場時間は10時30分から18時30分(最終日は17時)まで。入場は無料。日曜日は休み。展示している作品はすべて販売する。ただし、最初の1週間は抽選販売で、希望者が画廊で用紙に記入して申し込む。10月11日18時締め切り。13日以降は先着順で販売する。

