【銀座新聞ニュース=2025年10月13日】中堅の映画配給会社の東京テアトル(新宿区新宿1-1-8、御苑テアトルビル、03-3355-1010)とヨアケ(千代田区飯田橋4-10-1、飯田橋セントラルプラザ)は10月17日にTOHOシネマズ日比谷(千代田区有楽町1-1-3、東京ミッドタウン日比谷、050-6868-5068)で「おーい、応為」の初日に、監督と出演者による舞台あいさつを開く。
17日15時10分の回上映終了後と18時40分の回上映前に、監督の大森立嗣(たつし)さんをはじめ、主人公の葛飾北斎の3女で浮世絵師「お栄/葛飾応為」役の長澤まさみさん、応為の良き理解者の浮世絵師「善次郎/渓斎英泉」役の髙橋海人さん、葛飾北斎の門人の浮世絵師「初五郎/魚谷北渓(ととや・ほっけい、1780-1850)」役の大谷亮平さん、葛飾応為の父親「鉄蔵/葛飾北斎」役の永瀬正敏さんが舞台に登場してあいさつする。
eiga.comによると、「おーい、応為」は江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)の弟子であり、娘でもあった葛飾応為の人生を、長澤まさみさん主演で描く。飯島虚心(1840-1910)の 「葛飾北斎伝」(1999年、岩波文庫)とマンガ家の杉浦日向子(1958-2005)の「百日紅(さるすべり)」(上下、1983年、筑摩書房)を原作に、大森立嗣さんが監督・脚本を務めた。
物語は浮世絵師・葛飾北斎の娘であるお栄がある絵師に嫁ぐが、かっこばかりの夫の絵を見下したことで離縁される。北斎のもとに戻ったお栄は、父娘として、そして師弟として、北斎と生涯をともにすることになる。
2人が暮らす貧乏長屋は画材や絵で散らかり放題で、茶も入れられず針仕事もできないお栄だが、絵の才能だけは父親譲り。北斎から「おーい、筆!」「おーい、飯!」と何かと頼まれることから、「応為(おうい)」という号を授かったお栄は、当時としては珍しい女性の浮世絵師として、絵を描くことに生涯を捧げる。
ウイキペディアによると、大森立嗣さんは1970年東京都生まれ、父親が前衛舞踏家で俳優の麿赤兒(まろ・あかじ)さん、弟が俳優の大森南朋(なお)さん。駒澤大学文学部社会学科を卒業、在学中は映画サークル「8ミリ同好会」に所属し、自主映画を作り始め、大学卒業後は俳優として活動し、その後、監督の荒井晴彦さん、阪本順治さん、井筒和幸さんらの作品で助監督を務めた。
2001年に自らプロデュースし、出演した「波」(奥原浩志監督)で第31回ロッテルダム映画祭最優秀アジア映画賞「NETPAC AWARD(ネットパックアワード)」を受賞、2005年に荒戸源次郎(1946-2016)のプロデュースにより、花村萬月さんの芥川賞受賞作を原作にした「ゲルマニウムの夜」で初監督、ロカルノ国際映画祭コンペティション部門に正式出品した。
2010年に監督2作目「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」が公開、第60回ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式招待作品、第10回東京フィルメックス特別招待作品で、2010年度(第51回)日本映画監督協会新人賞を受賞している。2013年に吉田修一さん原作の「さよなら渓谷」が公開され、世界4大映画祭の1つである第35回モスクワ国際映画祭のコンペティション部門に日本映画として唯一出品され、審査員特別賞を受賞した。日本映画の同賞受賞は1965年の「手をつなぐ子ら」(羽仁進監督)以来、48年ぶり。
2018年に森下典子さんのエッセイ「日日是好日(にちにちこれこうじつ)-『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」を原作とした映画「日日是好日」が第43回報知映画賞監督賞を受賞した。
2020年に公開された「MOTHER マザー」主演の長澤まさみさんが第44回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、第63回ブルーリボン賞主演女優賞、第33回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞、本作がデビューの奥平大兼さんが第44回日本アカデミー賞新人俳優賞、第94回キネマ旬報ベスト・テン 新人男優賞、第63回ブルーリボン賞新人賞、第30回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞した。
チケットはチケットぴあを通じて先行抽選を受付中で、14日11時締め切り。15日10時から一般発売する。料金は全席指定で2500円均一。プレミアボックスシートは3500円。
