【銀座新聞ニュース=2025年10月10日】中堅映画配給会社のミモザフィルムズ(新宿区矢来町122、第二矢来ビル、03-5380-4776)は10月15日にTOHOシネマズシャンテ(千代田区有楽町1-2-2、050-6868-500)で「グランドツアー」の監督のミゲル・ゴメスさんと五十嵐耕平さんによるトークイベントを開く。
15日18時20分の回上映終了後に、監督で脚本(共同)を手掛けたポルトガル人のミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)さん(1972年生まれ)と映画監督の五十嵐耕平さん(1983年生まれ)が舞台に登場してトークイベントを開く。
「グランドツアー」(原題はGrand Tour)は、ミゲル・ゴメスさんが2020年1月から4年の歳月をかけて完成させた長編作品で、ミャンマー、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、日本、中国のアジア7カ国でロケを敢行し、逃げる男と追う女が繰り広げる時空を超えた大旅行の行方を、過去と現代、現実と幻想、カラーとモノクロを混在させながら描き出す。
ただし、撮影はミャンマーからはじまり、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、日本でロケをし、最後に中国で撮影する予定だったが、コロナの感染拡大により、中国の撮影が中止になり、中国のロケは現地の撮影チームに依頼し、ミゲル・ゴメスさんはポルトガルの首都・リスボンにいながらリモートで監督した。また、脚本も中国での撮影が終わったころに完成した。
10月3日に来日したミゲル・ゴメスさんが「ジャパンプレミア」での上映後に、アフタートークを実施し、その中で、英国の作家、サマセット・モーム(William Somerset Maugham、1874-1965)の作品「パーラーの紳士(The Gentleman in the Parlour)」(1930年)の中にある婚約者から逃げるため、アジアの果てへと旅に出た男の話が着想源と語った。「プロットと主人公が辿ったルートをベースに、それ以外の情報はすべて創作しました」と説明している。
また、公式サイトによると、ミゲル・ゴメスさん自身もグランドツアーを体験してから脚本に取り組み、近浦啓さんがアソシエイトプロデューサーとして参加し、2024年の第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、ミゲル・ゴメスさんが監督賞を受賞している。
eiga.comによると、タイトルの「グランドツアー」とは、20世紀初頭に欧米人のあいだで、インドのイギリス領から出発して極東へ向かうアジアの長旅が流行したことから生まれた言葉という。ゴメスさんはサマセット・モームによるグランドツアーの象徴的作品「パーラーの紳士」に着想を得て、自身もグランドツアーを体験してから脚本に取り組んだ。
物語は1918年、ビルマのラングーン。大英帝国の公務員エドワード(ゴンサロ・ワディントン=Goncalo Waddington=さん)と結婚するために婚約者モリー(クリスタ・アルファイアチ=Crista Alfaiate=さん)は現地を訪れるが、しかし優柔不断なエドワードは、花婿衣装で花束を抱えた状態でもなお、結婚することに迷いがあり、モリーの到着直前に衝動的にシンガポール行きの船に飛び乗ってしまう。こうして、逃げるエドワードと追いかけるモリーによる壮大なイタチごっこが幕を開ける。
チケットはインターネットで13日0時(12日24時)からオンライン販売し、13日劇場窓口でオープン時から販売する。料金は一般2000円、大学生・専門学校生1500円、高校生・ジュニア(3歳以上中学生まで)、障がい者1000円、シニア(60歳以上)1300円。
