【銀座新聞ニュース=2025年10月11日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝（千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221）はこのほど、9月の映画営業部門興行成績（速報ベース）が前年同月比186.5％増の187億3189万円で4カ月続けてプラス、9月としても2016年9月（156億5200万円）を上回り、歴代最高になったと発表した。
7月18日から一般公開されている「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座（あかざ）再来｣((C)吾峠呼世晴／集英社・アニプレックス・ufotable）は、興行通信社によると、9月28日までの累計で興行収入が350億円、観客動員数が2426万人だった。10月7日までの累計で興収が357億円、動員が2470万人となっている。
9月は例年、需要の端境期で、年間を通じて比較的観客が少ないため、売上高も40億円から50億円で推移することが多い。2013年が54億円、2014年が45億円、2015年が49億円、2016年がアニメ「君の名は。」の影響で157億円と100億円を超えた。しかし、2017年が45億円、2018年が57億円で推移し、2019年に「天気の子」が好調で80億円まで増えたが、2020年はコロナの感染拡大により42億円、2021年もコロナの影響で43億円、2022年も行動制限がなかったものの33億円と平年並で推移した。
2023年は3月13日からマスク着用が個人判断となり、5月8日からコロナ感染症が2類からもっとも軽い5類に移行したこともあり、ほとんどの規制がなくなり、8月は91億円、9月も50％以上の増で51億円だった。2024年8月は5年ぶりに100億円を超えたが、9月は例年並みの65億円だった。今回は、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編第一章猗窩座（あかざ）再来」や「国宝」、「8番出口」などが好調で、9月として過去最高になった。
一方、TOHO（トーホー）シネマズ、関西共栄興行、東京楽天地という連結3社ベースの東宝グループの映画館の9月の入場料収入は同43.0％増の72億5030万円と5カ月続けてプラスとなった。TOHOシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員については公表するのを止めている。
新たに9月に公開されたのは、12日公開の「ブラック・ショーマン」、19日公開の「チェンソーマン レゼ篇」、26日公開の「沈黙の艦隊 北極海大海戦」の3本だった。
興行通信社の映画興行ランキングによると、5日から7日の週は「劇場版『鬼滅の刃』無限城編第一章猗窩座（あかざ）再来」が8週目も1位、「8番出口」が2週目も2位、「国宝」が14週目も3位、「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション」が6週目で5位、「映画クレヨンしんちゃん 超華麗！灼熱のカスカベダンサーズ」が5週目に9位と、トップ10入りは前週と同じく5本だった。
12日から14日の週は「劇場版『鬼滅の刃』無限城編第一章猗窩座再来」が9週目も1位、「ブラック・ショーマン」が初週で2位、「8番出口」が3週目に3位、「国宝」が15週目に5位、「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション」が7週目で7位と、トップ10入りは前週と同じく5本だった。
6月6日から一般公されている「国宝」((C)吉田修一／朝日新聞出版(C)2025映画「国宝」製作委員会）は10月5日時点で興収が158億円を突破、動員数（9月23日現在）も1066万人で、2003年公開の「『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』（興収173.5億円）に次ぐ第2位の成績となっている。
19日から21日の週は「チェンソーマン レゼ篇」が初週で1位、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編第一章猗窩座再来」が10週目で2位、「8番出口」が4週目も3位、「ブラック・ショーマン」が2週目で4位、「国宝」が16週目も5位、「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション」が8週目で10位と、トップ10入りは前週より1本増えて6本だった。
26日から28日の週は「チェンソーマン レゼ篇」が2週目も1位、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編第一章猗窩座再来」が11週目も2位、「沈黙の艦隊 北極海大海戦」が初週で3位、「8番出口」が5週目に4位、「国宝」が17週目も5位、「ブラック・ショーマン」が3週目で6位と、トップ10入りは前週と同じく6本だった。
9月に映画館で上映された東宝の配給作品（TOHO NEXTを含む）は、「沈黙の艦隊 北極海大海戦」（9月26日公開）、「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」（9月19日公開）、「ブラック・ショーマン」（9月12日公開）、「8番出口」（8月29日公開）、「隣のステラ」（8月22日公開）、「映画クレヨンしんちゃん 超華麗！灼熱のカスカベダンサーズ」（8月8日公開）。
「劇場版TOKYO MER-走る緊急救命室-南海ミッション」（8月1日公開）、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」（7月18日公開）、「国宝」（6月6日公開）、「映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』」（TOHO NEXT、2月21日公開）など。