【銀座新聞ニュース=2026年6月8日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ、03-5288-8881)は6月10日から16日まで4階ギャラリーで笹倉鉄平さんによる「画業35周年記念-新作展」を開く。
人の優しさや温もりを感じさせる詩情豊かな作品を描き、「光の情景画家」といわれる笹倉鉄平さんが画業35年を迎え、今回は最新作「ジェルブロワ」を含む、近年制作された版画約70点を展示販売する。
笹倉鉄平さんは「ジェルブロワ」についてウェブサイトで5月下旬に限定285枚を販売する予定。この作品について、ウェブサイトで「パリから北へ100キロほど、自然に囲まれた小さな村ジェルブロワ。歴史ある村だが、現在は“バラの美しい村”として有名である」という。「住民100人程のこぢんまりとした村を、初夏に訪ねた。古い趣ある家々の壁にも、庭先にも、どこもかしこも、バラを主役に、季節の花々が咲き乱れ、本当に美しい」。
しかし、「そんなこの村も、実は・・・度重なる戦乱によりかなり荒廃し、荒んでしまった時があった」。その村を「バラと花の村」としての復興のきっかけを作ったのが、印象派の流れを継いだ画家で「最後の印象派」とも称されたアンリ・ル・シダネル(Henri Le Sidaner、1862-1939)だった。
アンリ・ル・シダネルは「20世紀初頭の1901年に村へ移住し、自宅の庭に多くのバラを植え、自身の理想の庭を広い敷地に作庭し、更には、村人たちにもバラの植栽を呼びかけた。それに応えた人々が、努力を脈々と続けてきた結果、村は『最も美しい村』に認定されるに至った」。
「この絵の青い門扉の向こうは、シダネルの元アトリエと庭園の敷地。麗(うら)らかな日差しが心まで届くような、平穏なひと時の中で、描き続けてきた”やすらぎの光”が似合う眺めと出会った。この優しい長閑さに、平和の尊さへの想いまで呼び覚まされる」としている。
笹倉鉄平さんは1954年兵庫県生まれ、1977年に武蔵野美術大学商業デザイン科を卒業、グラフィックデザイナーを経て、広告制作会社のイラストレーターとなり、1980年に退職し、フリーとして活動をはじめる。主に森永製菓のパッケージイラストをおよそ10年間担当し、1987年から毎日新聞カラー別刷版に月1回連載した。
1990年に東京・青山で初の個展を開き、1991年にシルクスクリーンによる作品を発表(この作品の発表から「画業」をスタート)、1992年にオランダで開かれた花の万博「フロリアード 1992」の記念版画を制作、1998年にフジテレビ・ニッポン放送本社ビル、新社屋完成記念のイメージアートを制作、2000年に「株式会社アートテラス」を設立した。
2001年にイタリア・フィレンツェに架かる1345年に完成された古い橋「ポンテ・ヴェッキオ(Ponte Vecchio)」を描いた作品「祝福」がイタリア・フィレンツェにある「日本文化経済交流協会」の公認作品となり、2004年と2005年にイタリアで個展、2007年に油彩、水彩、スケッチなどを展示する個人美術館「ちいさな絵画館」(兵庫県西宮市能登町11-17、0798-75-240)を設立した。
2008年にパリと京都で「京都市パリ市姉妹都市締結50周年記念」個展、2015年に京都とフィレンツェで「京都・フィレンツェ姉妹都市提携50周年記念事業」の個展、2021年に「上野の森美術館」で画業30周年記念展などを開いている。
開場時間は9時から21時(最終日は16時)まで。
