【銀座新聞ニュース=2026年8月27日】国内百貨店業界2位の流通グループ、J.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営するアートギャラリー「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3572-8886)は8月27日から9月2日まで角谷紀章さんと菊池玲生さんによる2人展「Side Effects」を開く。

大丸松坂屋百貨店の「Artglorieux GALLERY OF TOKYO(アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー)」で8月27日から9月2日まで開かれる角谷紀章さんと菊池玲生さんによる2人展「Side Effects(サイド・エフェクツ)」のフライヤー。左が菊池玲生さんの「copy and paste(コピーアンドペースト)2604」(キャンバスにアクリル絵具)、右が角谷紀章さんの「Scrawl #11(スクロール ナンバー11)」(キャンバスにアクリル絵具)。
画家の角谷紀章(かくたに・きしょう)さんはスマホで撮影したスナップ写真をもとに、ノイズやぼかしによって像を曖昧化した絵画を制作している。画面には視覚情報の欠落が生じるが、鑑賞者は自身の記憶や経験を手掛かりに、その像を補完しようとする。見えづらさは単なる遮蔽ではなく、想像力を喚起し、新たなリアリティを立ち上げる契機となる。
画家の菊池玲生(れお)さんは、既存の絵画イメージを反復的に手作業で再構成することで、絵画におけるオリジナルとコピー、1回性と複製性の関係を問い直す。同じ像が繰り返されるなかで生まれるわずかな差異は、私たちが当然のものとして受け入れている視覚や認識の枠組みを静かに揺さぶる。
両者は異なる方法論を用いながらも、「見ること」がいかに成立しているのかという根源的な問いを共有している。角谷紀章さんが欠落によって想像を促すのに対し、菊池玲生さんは反復によって差異を顕在化させている。そこでは絵画は対象を再現するための媒体ではなく、知覚や認識を変容させる装置として機能している。
タイトルの「Side Effects(サイド・エフェクツ)」は、本来の目的とは別に生じる作用や影響を意味し、2人の作品は何かを一方的に伝達するのではなく、鑑賞者の内側に予期しない反応を引き起こす。記憶の想起、像の補完、認識の揺らぎ、既存の価値観への問い。作品との対話のなかで生まれるそうした「副次的な作用」こそが、今回のもっとも重要な体験としている。
情報やイメージが絶え間なく更新される現代において、私たちは本当に「見ている」のか。今回は、欠落と反復という異なるアプローチを通して、現代の視覚体験の不確かさと、その先に立ち現れる新たな認識の可能性を探る。
角谷紀章さんは1993年兵庫県神戸市生まれ、2017年に東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業、2019年に同大学大学院日本画研究領域修士課程を修了、2022年に同大学大学院博士後期課程美術専攻を修了し、博士号を取得、現在、東京藝術大学教育研究助手。2020年に第46回東京春季創画展で春季展賞、2021年に「A-TOM ART AWARD2021」で入選、「FACE2021」で入選している。
菊池玲生さんは1993年佐賀県佐賀市生まれ、2018年に東京藝術大学絵画科日本画専攻を卒業、2020年に同大学大学院美術研究科日本画専攻修士課程を修了、2023年に同大学大学院博士後期課程を修了、博士号を取得、2023年から2026年まで東京藝術大学教育研究助手を務める。
2018年に三菱商事アートゲート・プログラム年間奨学生、2019年に守谷育英奨学金、2020年に平山郁夫奨学金を取得している。2018年に第44回春季創画展で入選(2020年の46回、2021年に第47回も)、第45回創画展で入選(2019年の第46回、2020年の第47回、2021年の48回でも入選)、2018年に石本正日本画大賞展で入選、同年に第37回三菱商事アート・ゲート・プログラムで入選(2024年の第41回、2025年の第42回でも入選)している。
開場時間は10時30分から20時30分(最終日は18時)まで。入場は無料。