(終わりの方に参考として7月の百貨店業界の売上高と訪日外国人観光客売上高の数字を入れてます)
【銀座新聞ニュース=2026年9月2日】中央区とその周辺の主要百貨店の8月の売上高(速報値、店頭ベース)は、日本橋三越と日本橋高島屋、大丸東京店、銀座三越の4店がプラスで、松屋銀座店のみ前年割れだった。中でも日本橋三越と日本橋高島屋の2店は10%以上の高い伸びを示した。
8月は訪日外国人観光客売上高(インバウンド、免税売上高)がJ.フロントリテーリングと松屋がマイナスだったが、ほかの三越伊勢丹ホールディングスと高島屋がプラスだった。
また、中国政府による訪日渡航自粛の影響が続いており、日本百貨店協会によると、中国客は7月の購買客数が約26%も減少しながら、売上高は約16%増と7カ月ぶりにプラスに転じている。
三越伊勢丹ホールディングスの8月のグループ全体(グループ10店舗を含めた15店舗)の売上高は前年同月比4.2%増(7月速報値7.0%増、確定値6.4%増)だった。
日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は同14.9%増(7月速報値7.9%増、確定値7.5%増、小型店舗を含む、確定値ベースでの店舗別売上額は2019年5月から未公表)で店頭ベースでは14カ月続けてプラスだった。
また、日本橋三越の8月の商品別では、化粧品とサービスのみがマイナス、ほかはプラスだった。
一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同1.2%増(同速報値11.3%増、確定値11.3%増、但し空港型免税店の売り上げを除く)と、2025年11月から2026年1月まで3カ月続けてマイナス、2月が前年並みで、3月から8月まで6カ月続けてプラスとなった。
また、銀座三越の8月の商品別では紳士服・洋品、身の回り品、化粧品、家庭用品計、食堂・喫茶、サービス、その他がマイナス、ほかはプラスだった。
三越では、国内顧客については、宝飾時計が牽引し、またラグジュアリーブランドのハンドバックや婦人服など高付加価値商品も引き続き堅調としている。さらに、基幹3店を中心に識別顧客が引き続き堅調(三越伊勢丹の識別顧客売上高は同7.7%増)で、それに加え、集客施策として行ったこだわり消費をとらえるイベント(伊勢丹新宿本店ISETANカレーフェス2026、三越日本橋本店英国展2026など)が好評を博し、新たな顧客創造につながったとしている。
また、海外顧客売上高は前年比13.3%増に伸長し、引き続き、ハンドバッグや宝飾時計などの高付加価値MDへの支持や、海外外商など「ひとの力」による三越伊勢丹ホールディングスならではのサービスを提案することで、客単価の向上が続いている。さらに、来訪元の多様化や、アプリ会員の獲得が継続的に進み、海外顧客とのつながりは順調に拡大している。
高島屋の8月の売上高(国内11店、EC店、法人事業、クロスメディア事業を含む)は同5.1%(7月は店頭が9.6%増、確定値が8.5%増)だった。
8月の日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同11.7%増(同速報値16.7%増、確定値16.9%増)と、店頭ベースでは13カ月続けてプラスとなった。
8月の高島屋の訪日外国人観光客売上高は同6.6%増、訪日外国人観光客売上高を除いた店頭売上高は同4.9%増となった。
国内顧客については、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品のほか、食料品なども堅調に推移し、前年実績を上回った。訪日外国人観光客についても、高額品に加え、子ども情報ホビーやスポーツ関連商品などが伸長したことで前年実績を上回った。訪日外国人観光客売上高は客数で同6.8%減、単価で同14.4%増だった。
商品別では紳士服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子ども情報ホビー、スポーツ、 リビング、食料品、サービスが前年実績を上回った。
J.フロントリテーリングの百貨店事業(15店舗+法人・本社等)合計の8月は同0.6%減(7月0.6%増、確定値0.6%増)だった。
大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)の8月は同3.1%増(同速報値6.2%増、確定値6.1%増)と7カ月続けてプラスとなった。
訪日外国人観光客売上高は同1.5%減(客数が同22.1%減、客単価が同26.4%増)、訪日外国人観光客売上高を除いた国内売上高は同1.7%減だった。
8月の売上高は外商売り上げが好調に推移したものの、訪日外国人観光客売上高が前年実績を下回ったほか、前年の万博会場売り上げの反動減や梅田店の売場縮小によるマイナス影響が続いている。
松屋は銀座店と浅草店を合わせた合計で8月は同11.0%減(7月速報値1.1%増、確定値1.1%増)とマイナスだった。松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同11.3%減同速報値1.3%増、確定値1.3%増)と7カ月ぶりにマイナスとなった。
8月の銀座店は、前年の2025年5月に開店100周年を迎え、継続的な来店促進プロモーションや、銀座店全体の売り上を押し上げたラグジュアリーブランドの大型催事の開催、2025年6月中旬にルイ・ヴィトン銀座店の大型リニューアルを終え、外商顧客を中心に売り上げが堅調に推移したことの反動もあって、銀座店は1割減となった。
訪日外国人観光客売上高と、訪日外国人観光客売上高を除く国内のお客の売上高においても、ラグジュアリーブランド大型催事の売り上げの対比が影響し、前年を下回った。ただ、化粧品が前年に対して約3%増、婦人服においても、猛暑における実需商材のニーズの継続と秋物商品の投入が奏功し前年に対して8%上回った。
日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内68社172店舗の7月の売上高は同5.1%増の4889億0106万円で7カ月続けてプラスだった。
7月は国内、訪日外国人観光客売上高共に、ラグジュアリーブランドや宝飾・時計などの高額品が引き続き好調に推移した。中旬以降の猛暑を背景に、衣料品や服飾雑貨など夏物商材の動きが活発化した。下旬には夏休みや帰省に伴う手土産・旅行需要が高まったほか、各社企画のファミリーイベントや物産展などの食品催事も集客に寄与した。
訪日外国人観光客売上高は506億円(同25.5%増、国内のシェア10.4%)と5カ月連続のプラスだった。購買客数は49.1万人(同3.0%増)と9カ月ぶりにプラスだった。円安を背景に高額品需要は旺盛で、客単価は前年を約2割上回った。国・地域別では、香港、韓国、台湾が高伸した。中国も売上高は同約5%増と2カ月続けてプラスだったが、購買客数は約26%減少している。
国内市場は同3.2%増(シェアは89.6%)となり、2カ月ぶりにプラスだった。10都市は同4.1%増となり、8地区(仙台、名古屋を除く)で前年実績を上回った。地方(10都市以外の7地区)も同0.2%増と2カ月ぶりにプラスに転じ、国内需要は堅調に推移した。
都市(10都市、訪日外国人売上高も含む)は全地区がプラスだった。国内、訪日外国人売上高共に好調に推移し、主要5品目(衣料品、身の回り品、雑貨、家庭用品、食料品)のすべてがプラスだった。なかでも身のまわり品、雑貨はふた桁増だった。
地方(10都市以外の7地区)は3地区(関東、近畿、中国)がプラスで、主要5品目では身のまわり品、雑貨、家庭用品の3品目でプラスだった。
商品別では主要5品目すべてが前年実績を上回った。主力の衣料品は、接触冷感やUV(紫外線)カットなどの高機能商品への需要が高く、Tシャツ、カットソー、パンツなどが好調に推移した。身のまわり品は、ラグジュアリーブランドのバッグなどが国内外共に好調だったほか、日傘、サンダル、帽子などの夏物商材も伸長した。雑貨では高額時計が希少性や資産価値への評価を背景に、外商顧客や富裕層を中心に好調だった。化粧品では強い日差しや汗対策へのニーズから UV関連商品が伸長した。食料品は帰省や旅行に伴う手土産需要に支えられ、堅調に推移した。
全国の百貨店の7月の営業日数は前年同月と同じく31.0日、100店舗の回答によると、入店客は52店が増え、29店が減ったとしている。
東京地区(12社22店)の6月の売上高は前年同月比4.4%増の1471億7811万円と、6カ月続けてのプラスとなった。
国内86店舗の訪日外国人観光客の7月の売上高は同25.5%増の約506億2000万円と5カ月続けてプラスとなり、国内の百貨店に占めるシェアが10.4%だった。
このうち、一般物品売上高は同27.0%増の約419億9000万円と5カ月続けてのプラス、化粧品や食料品などの消耗品売上高が同18.5%増の約86億3000万円と5カ月続けてプラス、購買客数が同3.0%増の約49万1000人と9カ月ぶりにプラスに転じた。1人あたりの購買単価が同21.8%増の約10万3000円で、7カ月続けてプラスだった。
人気のあった商品(2022年11月からランキングなし)は化粧品、ハイエンドブランド、食料品、婦人服飾雑貨、婦人服が上位に入り、6月と同じだった。
免税手続きカウンターへの来店の多かった国(2022年11月からランキングなし)は中国本土、台湾、韓国、香港、タイ、シンガポール、マレーシアと6月に比べて、タイとシンガポールが逆転した。

