【銀座新聞ニュース=2026年9月22日】書店やレンタル店、フランチャイズ事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(渋谷区南平台町16-17、渋谷ガーデンタワー)グループの銀座 蔦屋書店(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3575-7755)は10月16日まで店内アートウォールで草井裕子さんによる個展「blue」を開いている。

銀座蔦屋書店で10月16日まで開かれている草井(そうい)裕子さんの個展「blue(ブルー)」に出品されている「羽」(色鉛筆、紙、2026年)。「羽」は、黄色い線を描いた後に鉛筆の黒で紙を塗りつぶし、その上から丁寧に青を重ねて描いている。シンプルな素材と手法の反復の中で、描く日の気候や感情、筆圧の揺らぎがそのまま紙に刻み込まれ、色鉛筆という身近な素材の想像を超えた色彩の深みと、手仕事の奥に宿る静けさを提示している。
アーティスト、イラストレーターの草井裕子(そうい・ゆうこ)さんは、色鉛筆と鉛筆を用いた独自の緻密な描画手法によって、人間の繊細な心情や「生」、そして「誰かを想う気持ち」を表現している。画廊によると「色鉛筆特有の軽さや淡さを排し、絵具や他の強力な画材に負けない存在感を引き出すため、先を尖らせた色鉛筆による密度の高い描画を追求して」おり、「アトリエに揃えられた70種類以上の青色の中から、ひとつの作品に対して厳選した1種類の青だけを使用し、1カ月ほどの時間をかけて1枚の紙の上に幾重もの表情を生み出して」いる。
さらに草井裕子さんは「『生』への探求と呼応するように、現在のような鉛筆の黒も活かした、深みのある抽象的な作風に辿り着」いた。
今回は近年の抽象画を中心に、静岡県沼津市の昔話を題材とした絵本「絵物語 ぬまづ昔はなし 第十三巻 浮島沼のめじかおじか」(2026年5月10日刊行、e-monogatari発行、作画は草井裕子さん、税込550円)の原画を含む約15点の作品を展示している。
草井裕子さんは「先を尖らせた色鉛筆を用いて、緻密に丁寧に描いていきます。シンプルな手法なので、その日の気候や描いている時の感情が手圧に表れ、紙の上で揺らぎ、表情になります。色鉛筆は人の繊細な心を表すために大事な素材だと考えています。しかし、色鉛筆は、色が強い他の画材と並ぶと弱く見えてしまいます。色鉛筆の良さを最大限に活かすためにはどうしたらいいか。それを考えていた時に黒い鉛筆に出会いました。黒は私の作品に深みを与えてくれました。私が取り組んでいる最大のテーマは『生』についてです。もう一つは、誰かを想う気持ちです」としている。
草井裕子さんは1985年静岡県生まれ、2007年に東京工芸大学デザイン学科を卒業、卒業時に東京工芸大学同窓会長賞を受賞、2018年に「IAG AWARD 2018」に入賞、2022年に「SHIBUYA AWARDS 2022」で渋谷賞を受賞、2008年から東京で個展を開いている。
開場時間は10時30分から21時(最終日は18時)まで。入場は無料。
