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【銀座新聞ニュース=2013年5月29日】株式会社花井（渋谷区恵比寿1-18-18、東急不動産恵比寿ビル、03-6738-4873）は6月4日に「ユキコハナイ（Yukiko Hanai）銀座店」（中央区銀座4-9-13、銀座4丁目タワービル、03-6264-0874）を開店する。
6月4日に開店する「ユキコハナイ（Yukiko Hanai）銀座店」の入り口。
これに先立って、29日夕方、内覧会とオープニングレセプションが開かれた。株式会社花井の副社長で、ファッションデザイナーの花井幸子（はない・ゆきこ）さんが「45年前に銀座に出店した時は7坪で、その後、青山に移ったけど、いつかは銀座に戻ってきたいと思っていました」と16年ぶりに銀座へ帰ってくる気持ちをこう表現した。
青山店は旗艦店として100坪（330平方メートル）あったが、カナダ大使館の近くという閑静な場所にあるため、にぎわいという点で今ひとつだったようだ。銀座店は銀座三越から歌舞伎座へ向かう途中の三原橋地下街の前にあるため、人の移動という点では青山とは異なると期待している。
外側のガラスは斜めになっており、中のマネキンのディスプレーがより映えて見えるように工夫されている。
店は外側が斜めにした特徴ある全面ガラス張りになっており、「2週間ごとにディスプレーを変えていく」（プレス担当の高橋敦子=たかはし・あつこ=さん）予定だ。店内は30坪（99平方メートル）だが、夏向けの色とりどりのファッションから若い人向けのカジュアルなデザインのファッションがバランスよく並べられ、通り沿いにはバッグをはじめとする小物のアイテムが目を引くように揃えられている。
入り口には花井幸子さんがアメリカ・ニューヨークで購入した「金のやしの木」が飾られており、レジの後ろには同じくニューヨークで30年前に購入した屏風が目につく。花井幸子さんが「ニューヨークのデパートで購入し、当時は折りたたんでもって帰ってきたんですよ」と語るが、あちらこちらにひびが入っており、歴史を感じさせる。青山店時代から飾られており、銀座店でもレジの背景を鮮やかに彩っている。
レジの後のじゅうたん。ところどころひびが入っており、30年という歴史を感じさせる。
それほど広いとはいえない店内で、目立つのはレジの脇にある広い着替え室で、中は鏡で囲まれ、さまざまな角度から新しく服を身につけた姿を確認できるように工夫されている。
また、店内中央にはテレビが置かれ、花井幸子さんが陣頭指揮をとるコレクションを再現している。高橋敦子さんによると、花井のデザインは定番の商品など一部を除いて「ほとんどすべてを花井幸子が監修していて、最近の若い人の流行とかを説明するのが大変なんです」と苦笑いする。今でも会社では高いヒールのパンプスをはいており、「社員がローヒールのパンプスをはいていると、いやがるんですよね」と語る。
今でもほとんどのデザインを監修する花井幸子さん。この日はいつもと違うカジュアルなパンプスで、ゆったりした感じの服装。後に見えるのが若い女性向けのカジュアルライン。
花井幸子さんは1959年に長沢節（ながさわ・せつ、1917-1999）主宰のセツ・モードセミナーを修了、アドセンターに入社し、ファッションイラストレーターとファッションデザイナーを担当し、1962年に水彩連盟展審査員を務め、1964年に独立し、東京・阿佐ヶ谷に「アトリエ花井」を開設、1970年に「ユキコハナイ（YUKIKO HANAI）コレクション」をはじめ、現在まで年2回開いている。
1973年に日本ファッションエディターズクラブ（FEC）賞、1974年に「TD-6」（後に東京ファッションデザイナー協議会）を結成し、1989年に社団法人「ザ・ファッショングループ」会長に就任（2期、会長を務める）、1995年に全国きもの教育連合会主催の「きもの貢献賞」を受賞、2003年に繊研新聞バイヤーズ賞を受賞している。
株式会社花井は1964年に東京・阿佐谷に「アトリエ花井」として設立され、1967年に「有限会社アトリエ花井」を設立、1968年に銀座に「マダム花井」ブティックを開設、1971年に「株式会社マダム花井」を設立、1973年に六本木ロアビルにオートクチュール及びプレタポルテの直営店第2号店を開設した。
1981年に「株式会社アヴァンティ」を設立、自社ブランドでアクセサリー、小物の企画、デザインを手がけ、アメリカ・ニューヨークのラッセルテーラー社と業務提携し、アメリカに進出した。1982年に香港にブティックを開店、1984年に「株式会社花井」に改称した。1997年に東京・青山に旗艦店を開店、2010年に中国・上海新天地店を開店、2013年に上海オフィスを開設した。
営業時間は11時から20時（日曜日、祝日が19時）。1月1日のみ休み。