蔦屋書店で小野耕石、コムロタカヒロ、岡田舜「網膜」展

【銀座新聞ニュース=2018年8月28日】書店やレンタル店、フランチャイズ事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(渋谷区南平台町16-17、渋谷ガーデンタワー)グループの銀座 蔦屋書店(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3575-7755)は8月28日から9月26日までアートウォールギャラリーで小野耕石さん、コムロタカヒロさん、岡田舜さんによるグループ展「目を捧げよ‐the sacre of retina」を開いている。

銀座 蔦屋書店で9月26日まで開かれている小野耕石さん、コムロタカヒロさん、岡田舜さんのグループ展「目を捧げよ‐ザ・サクレ・オブ・レティーナ(the sacre of retina)」に出品される小野耕石さんの作品。

シルクスクリーンを用いた独自の表現方法を追求している版画家、小野耕石(おの・こうせき)さん、古代から伝わる神話や伝承、現代のサブカルチャーに登場する「異形のもの(モンスター)」を具象的なかたちとして表現する彫刻家、コムロタカヒロ(小室貴裕)さん、コンピュータや電子機器のバグやノイズがもたらす予測不可能な表象をプロジェクターに投影し、キャンパスに写し取るという作風で知られる画家、岡田舜(おかだ・しゅん)さんの3人が視覚や美術における「網膜性」をテーマに表現した作品を展示している。

同じくコムロタカヒロさんの作品。

蔦屋書店では「『見る』という行為をとっても、加速度的な画像の消費サイクルとデバイスの身体化の中で、行為の中心にあるのは主体的な『人間』ではなく、むし表現したろ外在化された器官としての『網膜』に置き換えられうる状況」としている。

そうした中で、「視覚的芸術である美術の現在進行形の『網膜性』を再考するとともに、美術がもたらす『目の悦び』の来るべき段階を探求」するとしている。

小野耕石さんは1979年岡山県倉敷市生まれ、2004年に東京造形大学絵画専攻版表現コースを卒業、在学中の2003年に個展を開き、2006年に東京芸術大学大学院修士課程油画専攻版画科を修了した。2003年に「第28回全国大学版画展」で町田市立国際版画美術館収蔵賞、「トーキョーワンダーサイト0号展」で入選、2004年に「セプティーニ賞」で東京芸術大学学内賞を受賞、2007年に「”世紀のダ・ヴィンチを探せ!”国際アートトリエンナーレ2007」で銀賞、「プリンツ・トウキョウ(Prints Tokyo)2007」で大賞、「第1回NBCシルクスクリーン版画ビエンナーレ」で優秀賞(2009年に大賞)。

同じく岡田舜さんの作品。

2009年に「第3回資生堂アートエッグ(shiseido art egg」で入選、2010年に「第3回I氏賞」で奨励賞、2015年に「テラダ・アート・アワード(TERRADA ART AWARD)2015」で細木エリ子賞、「ヴォカ(VOCA)2015」でヴォカ(VOCA)賞、「岡山芸術文化賞」でグランプリ、「マルセン賞」で文化賞、2016年に「パット・イン・キョウト(PAT in Kyoto)第2回京都版画トリエンナーレ2016」で大賞、2017年に「アートオリンピア2017」で全応募者部門4位などを受賞した。

コムロタカヒロさんは1985年東京都生まれ、2009年に東京芸術大学美術学部彫刻科を卒業、2011年に同大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻を修了、2009年から個展を開き、2018年10月にジョナサン・レビン・プロジェクト(Jonathan Levine Project)」(アメリカ・ジャージーシティ)で海外初個展を開く予定としている。

岡田舜さんは1992年茨城県生まれ、2015年に東京造形大学美術学科絵画専攻領域を卒業、2017年に多摩美術大学大学院美術研究科修士課程を修了、手作業による途方もない作業の反復によって、デジタルグリッドの亀裂の中に潜む「別世界」をキャンバス上に再現している。

開場時間は10時から22時30分。