【モハンティ三智江のインドからの帰国記=2026年3月13日】これまで3回にわたって台湾ルポをお届けしたが、今回の4回目が最終回である。前回の「3」は花蓮県の壮大なタロコ渓谷について主にご報告させていただいた(https://ginzanews.net/?page_id=74894)。
次の目的地は台東だ。花蓮駅から1時間半程で着いたが、駅の案内所で予約したホテル(Unit Hotel=ユニット・ホテル)の所在を訊くと、町中でかなり距離があるらしく、初めてタクシーに乗る羽目を余儀なくされた。
20分ほどで賑やかな通り沿いにあるホテルに着いたが、夫婦経営の古びた宿は、老朽化しているものの、一通りの設備は揃い、部屋も広めで悪くなかった。台東では、観光らしきものはしなかったが、地味で落ち着いた小さな町てなかなかいい所だった。
翌朝、宿の主人に教えてもらった、歩いて20分ほどのところにある台湾銀行で1万円を台湾ドル(1台湾ドル=約5円)に換金、町中もついでに周遊して、戻ってチェックアウトした。台東駅からいよいよ南部第2の都市、最大の貿易港を擁する高雄へと向かう。道中、車窓に美しい海岸線が開け、台東と高雄間には外国人が好むような穴場のビーチがたくさんあるかに思えた(実際、何人かの欧米人が海辺の駅で降りた)。
ネットで予約したホテル(中央商務大飯店)は、高雄駅から地下鉄でひと駅のその名も美麗島駅、目の前の車道を挟んだ向かいの角に立つ中級ホテルで、部屋はツインで広々して快適だった。
惜しむらくは3階の客室までWiFiが届かないことだったが、台北の3畳しかない共同シャワー・トイレの最悪宿と同じ値段で(800元=約4000円)、ゆったりしたバスルーム付きと、この旅中ベストの宿だった。
快適な部屋でひととき旅の疲れを癒した後、電車で左宮駅の龍虎塔に行った。駅から30分近く歩いたが、蓮池潭(れんちたん=末尾参照、たんはさんずいに、上が「西」、下が「早」を合わせた漢字)のパノラマが見渡せる。末尾参照)という人工湖のとば口に大きな龍と虎の石蔵があり、中は通り抜けられるようになっていた。龍の口から入って虎の口から出ると、災いを避けられ福を呼ぶという言い伝えがあるとかで、早速トライした。背後には極彩色の7重の双塔もそびえ、湖の中程には2階建ての宮殿様式の東屋(五里亭)もあって、風光明媚な水辺を楽しめた。
翌朝は、早起きして周辺観光、ガラスアート、イタリア人アーティストによる光のドームで有名な美麗島駅(駅舎そのものがガラスドーム)を巡り、高雄駅から出る高速バスで、台南を経由した5時間後、出発点の台北に戻った。1週間でほぼ1周したことになる。ネットで見つけた行きとは別の宿(Chia Rong Hostel=チア・ロン・ホステル、720元=約3600円)は、やはり狭めだったが、シャワー・トイレ付き、やや安めで、最初の宿よりずっとましだった。

初代総督の蒋介石を記念して建てられた中正紀年堂(1980年)。八角形の屋根は忠・孝・仁・愛・信・義・和・平の八徳を象徴し、富と幸運を意味する。なお、正面の階段は蒋介石の享年にちなんで89段ある。約25万平方mを誇る自由広場には、コンサートホールなども設けられ、池のある美しい庭園も整備されている。
故宮博物院は時間がないのでパスしたが、台北に来て故宮を見ないなんてと台湾通の友人達から大顰蹙を買ったものの、代わりに午後の出発まで龍山寺(末尾参照)と、蒋介石(1887-1975、総統)が祀られた中正紀念堂(末尾参照)へ行って、観光を締めくくった。台湾をフルに満喫した駆け足1周旅行だった。
脚注(AIモードより)
「龍虎塔」は、蓮池潭(周囲約4キロの広大な人工湖)湖畔に佇む1976年建立の7階建ての塔で、巨大な龍と虎の口が出入り口となっているパワースポット。「龍の口から入り、虎の口から出る」順路で参拝すると、災いを避け福を招く(悪運が清められる)とされているが、由来は龍は高潔、虎は凶暴とされ、その中を通ることでこれまでの罪が浄化されるという教えに基づく。
「龍山寺(ロンシャンスー)」は、1738年創建の台北で最も古く格式高い、国定古跡に認定されている寺院。仏教、道教、民間信仰の神々100以上が祀られ、恋愛、学業、商売繁盛などあらゆるご利益がある「ご利益のデパート」として知られる最強のパワースポットである。
「中正紀年堂(ちゅうせいきねんどう)」は、中華民国(台湾)の台北市中正区にある、初代総統である蒋介石(字:中正)を記念して建てられた国立の建物および公園。 1975年4月5日に死去した蒋介石を追悼するため、1976年に着工し、没後5年目の1980年4月5日に一般開放された。現在は台北を代表するランドマークであり、国内外の観光客が訪れる主要な観光スポットとなっている。
(「インド発コロナ観戦記」は、92回から「インドからの帰国記」にしています。インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いてきましたが、92回からはインドからの「帰国記」として随時、掲載しています。
モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行している。編集注は筆者と関係ありません)。



