丸善丸の内で蒼野甘夏、荒井経、塩崎顕ら「日本画好き」展

【銀座新聞ニュース=2025年6月3日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ内、03-5288-8881)は6月4日から10日まで4階ギャラリーで「やっぱり日本画が好き」展を開く。

丸善・丸の内本店で6月4日から10日まで開かれる「やっぱり日本画が好き」展のフライヤー。

画家のシアカ(大木)章子さんが主宰する「Gallery SIACCA(ギャラリーシアカ)」(中央区銀座2-9-16、サウンドバレービル、03-3563-2626)が主催し、月刊美術雑誌「アートコレクターズ」(生活の友社)が協力する展示会で、毎年、最初の「アートコレクターズ」で特集する「やっぱり日本画が好き」(最新版では2025年1月号で特集、但し、今回は5月23日発売の6月号で4ページで紹介)から着想を得て、作風や年齢、所属にとらわれず多様な日本画家が参加する。今回は蒼野甘夏(あおの・あまなつ)さん、阿部清子(きよこ)さんら今、活躍する日本画家22人の作品約60点を展示販売する。

今回、出品するのは蒼野甘夏さん、阿部清子さん、新井あかねさん、荒井経(けい)さん、出口雄樹(ゆうき)さん、鵜飼義丈(うかい・よしたけ)さん、大矢真嗣(しんじ)さん、川上椰乃子(やしのこ)さん、坂本藍子さん、塩崎顕(けん)さん、史子涵(し・じはん)さん。

平良志季(たいら・しき)さん、龍口(たつぐち)経太さん、坪田純哉さん、手塚葉子さん、名古屋剛志さん、並木秀俊さん、長谷川喜久さん、林真(しん)さん、福本百恵さん、行近壯之助さん、林銘君(りん・みんじゅん、=Lin MingJun)さん。

蒼野甘夏さんは1973年北海道新篠津村生まれ、北海道女子短期大学工芸美術科を卒業、2009年に道展新人賞、2011年に「Young Artist Japan(ヤング・アーティスト・ジャパン)」で準優勝、第30回損保ジャパン美術財団選抜奨励展で秀作賞、2013年にVOCA(ヴォカ)展2013に出品、2014年に道銀芸術文化奨励賞、2015年に東山魁夷記念第6回日経日本画大賞展で入選している。

阿部清子さんは1970年東京都生まれ、順天高等学校を卒業、独学にて墨、岩絵の具、和紙を主に使用して制作、1996年に臥龍桜日本画大賞展で入選、2012年に菅楯彦大賞展で入選している。

新井あかねさんは1993年神奈川県生まれ、2017年に武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業、2020年に同大学大学院修士課程美術専攻日本画コースを修了した。2017年に卒業制作で優秀賞、アートアワードトーキョー丸の内2017で建畠哲賞、2018年に公益財団法人「佐藤国際文化育英財団」の佐藤美術館奨学金を授与、2022年に「IAG池袋アートギャザリング」で入選、「いい芽ふくら芽in Tokyo」で入選、2023年に第21回アートギャラリーホームで入選、KENZAN2023で村越画廊賞を受賞している。

荒井経さんは1967年栃木県生まれ、1990年に筑波大学芸術専門学群日本画を卒業、1992年に同大学大学院修士課程芸術研究科美術専攻日本画を修了、2000年に東京藝術大学大学院修士課程美術研究科文化財保存学専攻保存修復日本画を修了、サロンドプランタン賞、2004年に同大学大学院博士後期課程美術研究科保存修復日本画を修了、博士(文化財)号を取得、2009年に東京藝術大学大学院美術研究科准教授、2018年に同大学大学院美術研究科教授、現在、東京藝術大学大学院美術研究科保存修復日本画研究室教授。

出口雄樹さんは1986年福岡県生まれ、2011年に東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業、2013年に同大学大学院美術研究科日本画専攻修士課程を修了、2013年から2019年までアメリカ・ニューヨークを拠点に制作し、現在は京都にスタジオを移し制作している。2012年に三菱商事アートゲートプログラム奨学生、2015年に国際交流基金の助成によりニューヨークに滞在、朝日新聞文化財団の助成金を授与、2016年に海の日芸術祭で最高位賞、2018年に公益財団法人「吉野石膏美術振興財団」の国際交流の助成金を授与、2021年に公益財団法人「野村財団」の助成金を授与している。現在、京都芸術大学美術工芸学科専任講師、神奈川歯科大学特任教授。

鵜飼義丈さんは1975年静岡県生まれ、1998年に名古屋芸術大学を卒業し、1997年に日展初入選(2019年に特選)、1999年に日春展初入選、2015年に昭和会展で松村謙三賞、2016年に山種美術館日本画アワード2016で入選、2017年に新日春展で新会員賞を受賞している。現在、浄土宗僧侶で浄土宗芸術家協会会員。

同じく出品者の作品が紹介されている「やっぱり日本画が好き」展のフライヤー。

大矢真嗣さんは1972年神奈川県生まれ、父親は日本画家の大矢黄鶴(こうかく、1911-1966)の3男、大矢十四彦(としひこ)さん(1940年生まれ)、1994年に多摩美術大学絵画学科日本画専攻を卒業、2002年に前田青邨記念展で入選、2003年に第1回奈良県万葉大賞展で大賞、日展入選7回、日春展入選6回。

川上椰乃子さんは1995年東京都生まれ、2018年に東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業、2020年に同大学大学院美術研究科修士課程文化財保存学専攻日本画を修了、2023年に同大学大学院研究室博士課程を修了した。現在、東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復日本画研究室教育研究助手。2018年に藝大アートプラザ大賞展で入選、2019年に「FACE展2019」で入選、「Seed山種美術館日本画アワード」で入選、2020年に第1回「三越伊勢丹千住博日本画大賞展」で入選している。

坂本藍子さんは1977年東京都生まれ、2001年に多摩美術大学美術学部絵画学科日本画を卒業、2003年に同大学大学院修士課程を修了、2011年から2014年まで多摩美術大学講師。2001年に雪梁舎フィレンツェ賞展で入選(2004年に入選)、日展で入選(2003年に入選)、2002年に松伯美術館花鳥画展で入選(2004年に入選)。

2003年に佐藤美術館第11回奨学生に選ばれ、2004年に福知山市佐藤太清賞公募美術展で入選、2007年に日春展で入選(2009年に入選)、2008年に臥龍桜日本画大賞展で優秀賞、2012年に菅楯彦大賞展で入選、2015年にアートアワードネクスト展で青年会賞、2019年に郷さくら美術館桜花賞展で奨励賞などを受賞している。

塩崎顕さんは1972年東京都町田市生まれ、1995年に多摩美術大学日本画科を卒業、蓮華寺本堂天井画制作に参加、1997年に同大学大学院美術研究科を修了、2000年にグループ展に参加、2004年に個展を開いている。1997年に蓮華寺本堂天井画制作に参加(東京都中野区・蓮華寺)、2010年に臨済宗妙心寺派龍源寺頂相画を制作(東京都港区)、2015年に真言宗稲荷山光明院山門天井画を制作(神奈川県川崎市)している。

史子涵さんは1994年中国・山東省生まれ、2016年に上海大学美術学院を卒業、多摩美術大学大学院で日本画で修士を修了、愛知県立芸術大学大学院で日本画で博士号を取得している。

平良志季さんは1990年東京都生まれ、2013年に東京藝術大学美術学部デザイン科を卒業、2015年に同大学大学院修士課程描画装飾研究室を修了、2021年に卒(正しくは口に卒)啄(そったく)賞を受賞している。

龍口経太さんは1972年広島県生まれ、2007年に東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻日本画研究領域博士後期課程を修了、修了制作で野村賞、東京藝術大学買上げ。2000年に春の院展で初入選、2001年院展で初入選、2006年度に野村賞を受賞している。

坪田純哉さんは1974年埼玉県生まれ、1999年に東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業、在学中の1997年に安宅賞、2001年に同大学大学院美術研究科絵画専攻日本画修士課程を修了、2000年に臥龍桜日本画大賞展で入選、2001年に青垣2001年日本画展で佳作賞、同年に「はままつ全国絵画公募展」で入選、2011年に第5回トリエンナーレ豊橋の星野眞吾賞展で入選している。

手塚葉子さんは1979年栃木県生まれ、2003年に多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻を卒業、2005年に同大学大学院美術研究科絵画専攻日本画研究領域博士前期課程を修了、2000年に栃木県芸術祭美術展日本画部門で入選、2002年に第15回現代日本絵画展で大賞、2003年に筆あそび大賞展で入賞、2005年に第23回上野の森美術大賞展で入選、2007年に「REICOF ART AWARD(レイコフ・アート・アワード)2007」でグランプリを受賞している。

2021年に第10回Artist Groupー風ー大作公募展で入賞、同年に第8回トリエンナーレ豊橋星野眞吾賞展で入選(2024年も入選)、2022年に月刊美術Presents美術新人賞「デビュー2022」で入選(2023年、2024年、2025年も入選)、2023年に第3回ARTIST NEW GATEで入選、2023年に第25回雪梁舎フィレンツェ賞展で入選している。

名古屋剛志さんは1978年埼玉県生まれ、2003年に東京藝術大学美術学部デザイン科を卒業、同年に第3回佐藤太清賞公募美術展で特選、財団法人「佐藤国際文化育英財団」の第13期奨学生、2005年に同大学大学院描画装飾デザイン専攻を修了、2006年に雪梁舎フィレンツェ賞展でビアンキ賞、2008年に雪梁舎美術館の支援によりイタリアで学び、2014年に第2回桜花賞展で優秀賞などを受賞している。

並木秀俊さんは1979年千葉県佐倉市生まれ、2003年に東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業、2004年に第89回再興院展で初入選(2010年に奨励賞、2012年に奨励賞、2016年に奨励賞、2018年に奨励賞)、2005年に同大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復日本画修士課程を修了、修了制作が東京藝術大学買い上げ、第60回春の院展で初入選(2010年に奨励賞、2011年に奨励賞・外務大臣賞、2014年に奨励賞)、2008年に同大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復日本画後期博士課程を修了、博士展で野村賞、東京藝術大学買い上げ、愛知県立芸術大学非常勤講師。

2010年に第16回天心記念で茨城賞、有芽の会で日本更生保護協会理事長賞(2012年に法務大臣賞)、2011年に東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻助教、2014年に東京藝術大学アートイノベーションセンター非常勤講師、平成25年度花王芸術科学財団より美術に関する研究奨励賞、2015年に東京藝術大学COI研究推進機構 art&science lab特任准教授、2017年に一般財団法人前田青邨顕彰中村奨学会から第6回中村賞、現在、日本美術院特待。

長谷川喜久さんは1964年岐阜県岐阜市生まれ、1988年に金沢美術工芸大学大学院を修了、1992年に川端龍子賞展で大賞、1993年に上野の森美術館大賞展でフジテレビ賞、1997年に日春展で日春賞(1998年、1999年も奨励賞)、1999年に日展で特選(2001年に会員賞、2004年に審査員賞、2005年に会員賞、2009年、2018年に審査員賞)、2002年に京都新鋭選抜展で第一席、2004年に万葉日本画大賞展で準大賞、2016年に建仁寺塔頭両足院に屏風を奉納、2018年に改組新第5回日展で東京都知事賞、2019年に瑞龍寺塔頭天澤院の襖を制作、現在、日展特別会員、新日春会会員、名古屋芸術大学教授。

林真さんは1972年岐阜県土岐市生まれ、1996年に日展で初入選、中日賞(2013年、2022年に特選)、1997年に荻須記念美術館いなざわ公募展で最優秀賞、1999年に名古屋芸術大学大学院を修了、2004年に日春展で奨励賞(2011年、2017年も奨励賞)、同年に臥龍桜日本画大賞展で優秀賞(2005年に大賞)、2008年に「ビエンナーレうしく」で優秀賞、同年にTYK絵画大賞展で大賞、2009年に岐阜市芸術文化奨励賞、2018年に新日春展で新日春賞(2021年に新会員賞)、2022年に日展名古屋展でCBCテレビ賞、現在、日展準会員、新日春会会員、名古屋芸術大学芸術学部芸術学科美術領域日本画コース非常勤講師。

福本百恵さんは1984年香川県生まれ、2005年に日展に初入選(2006年、2007年、2013年、2014年にも入選)、2006年に名古屋芸術大学美術学部日本画コースを卒業、日春展に初入選 (2008年、2010年、2013年、2014年、2015年にも入選)、2007年に奈良県万葉日本画大賞展に入選(2009年にも入選)、全関西美術展で入選した。

2008年に名古屋芸術大学大学院日本画研究科を修了、京展に入選(2011年、2012年、2013年にも入選)、2010年から2013年まで名古屋芸術大学日本画助手、2012年に全関西美術展で第3席を受賞、2014年に第1回改組日展で入選(2015年も入選)している。

行近壯之助さんは1966年東京都生まれ、1989年に多摩美術大学日本画専攻を卒業、在学中の1988年に日展で初入選(以降入選19回、2018年、2020年に特選)、1990年に東京セントラル美術館日本画大賞展で入選(1992年に入選)、1991年に日春展で初入選(以降入選9回、2008年奨励賞、2015年日春賞)、1994年に上野の森美術館大賞展で佳作賞(以降入選5回)などを受賞している。京都芸術大学非常勤講師。

林銘君さんは1995年中国・福建省生まれ、2019年に北京市の中央民族大学美術学専攻を卒業、2023年に多摩美術大学大学院日本画専攻を修了した。2021年に美の舎Gallery学生選抜展2021で最優秀賞、2022年に「第9回未来展」で美術大学学生支援プログラム最高賞(グランプリ)、第57回神奈川県美術展で特選賞、同年に「夢美エンナーレ」で準大賞(2024年も準大賞)、同年に第2回千住博日本画大賞展で入選、2023年に「日本の絵画2022」で大賞、同年に「第49回春季創画展」で春季創画賞、同年にFace2023で入選(2024年も入選)、2024年に「Seed山種美術館日本画アワード2024」で入選している。

6月8日15時から出展者によるアーティストトークを開く。

開場時間は9時から21時(最終日は15時)。