【銀座新聞ニュース=2025年11月15日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル、03-3248-8454)は11月17日から23日まで本間理恵子さんによる写真展「cubeー繋がり、隔たり」を開く。

Art Gallery M84(アートギャラリーエムハッシー)で11月17日から23日まで開かれる本間理恵子さんの写真展に出品される作品「tsumetai madoromi(つめたいまどろみ)」((C)Rieko Honma)。
写真家の本間理恵子さんが「cube(キューブ)-繋がり、隔たり」と題して約20点を展示する。今回は「複雑な内面を持つ被写体と外側の世界との関わり方をも映し出そう」という試みで、「誰かと繋がりたい願望と、それを叶えられない隔たりによる葛藤。現実からの逃避が、この作品の中心的なテーマ」で、「ガラスの箱を一時避難所と見立て、傷ついた存在が身を寄せられる場所」として表現している。
また、ガラスの箱は「内側を人の心、外側を現実世界とみなし、その二つを分離する境界を表現している。一見すると孤独で閉塞的なこの箱は、ストレスの多い現実から一時的に逃げ込める『心のシェルター』としている。
本間理恵子さんは撮影時、被写体に基本的に指示を出さない。「透明な箱の内側には外からの声も環境音も届かない。自身の息遣いだけを感じながら、被写体は何を考え、どのように動くのか。箱の内側は他者が干渉できない世界となる。同時に、これらの作品は複雑な内面を持つ被写体と外側の世界との関わり方をも映し出そうとしている。誰かと繋がりたい願望と、それを叶えられない隔たりによる葛藤」としている。
本間理恵子さんは「自分の弱さを受け入れて生まれたこの作品には、もし同じように傷ついた人がいたなら、その心をそっと守る場所であってほしいという願いが込められている」ともしている。
本間理恵子さんは自分の作品について「『逃避』『心のシェルター』『救済』というテーマが根底にある。それは決して現実から目を背けるという意味ではなく、生き抜くために選ばれる、静かな戦略のようなもの」と考えている。
「写真を撮る理由は、長いあいだ自分でもわからなかった。けれど、作品を作り続けるうちに気づいたのは、私が形にしているのは、祈り、夢の断片、心に沈殿した感情たちー言葉にならなかった感覚の集積」という。
「作品に登場する人物の多くは、顔を見せていない。それは特定の誰かを表現するのではなく、象徴的な存在として、見る人の感情や記憶を重ねられるように」するためで、「『個を消す』ことで生まれる余白に、鑑賞者自身の物語が入り込む。写真を撮ることは、私にとって自己表現であると同時に、自身と誰かをそっと救うための行為」としている。
本間理恵子さんは2010年より独学で写真を表現手段にして作品の制作を始め、白日夢、「少女たちの脆さ、不安定さ」、心の中と現実の境界線などをテーマに、写真によって形のないものに形を与えたいと思い表現し続けている。2020年に「Photo Shoot Award NUDE」で3位、2025年にアメリカ国際写真賞「IPA プロフェッショナル部門」で優秀賞を受賞している。
これまでに2020年7月の李琴峰さんの著「星月夜」(集英社)や2021年2月の伊坂幸太郎さん著「バイバイ、ブラックバード」新装版(双葉文庫)、2022年3月の風間直樹さん著「ルポ・収容所列島ニッポンの精神医療を問う」(東洋経済新報社)の表紙なども手掛けている。
開場時間は10時30分から18時30分(最終日は17時)まで。入場料は500円。成人に限定。会期中は休みなし。展示している作品はすべて販売する。