銀座M84で林敏弘「出逢い」展、ピンホールカメラで

【銀座新聞ニュース=2016年7月30日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル、03-3248-8454)は8月1日から13日まで林敏弘さんによる「流れる時間と遊ぶ光」を開く。

アートギャラリーエムハッシー(Art Gallery M84)で8月1日から13日まで開かれる林敏弘さんの「流れる時間と遊ぶ光」に展示される「白い塀」(2013年、船橋市本町の小学校解体現場、税別3万円)。

アートギャラリーエムハッシー(Art Gallery M84)で8月1日から13日まで開かれる林敏弘さんの「流れる時間と遊ぶ光」に展示される「白い塀」(2013年、船橋市本町の小学校解体現場、税別3万円)。

ピンホール写真家の林敏弘(はやし・としひろ)さんが普段生活している千葉県船橋市や近隣の市など、徒歩や自転車で行ける範囲で、田園の風景や自然が残る風景を撮影した作品約30点を展示する。

「毎日、歩いている道でも光と風景は刻々と変わっており、新たな発見と感動を得ることができ、そんな出逢いと感動を撮りたくて、時間の流れを写すことができ、また時間を留めることや柔らかい光の描写ができるピンホールカメラを使って撮影した」としている。

林敏弘さんの作品の撮り方は「出逢い」で、「家の近くを歩きだったり、自転車だったり、旅先でも、偶然に出逢った光景に感じれば、素直に撮ります。そしてピンホールの特徴を生かして、光を遊ばせる、時を留めることを基本に撮り続けています。今回の展示では最近、撮ったカラーのピンホール写真を中心に以前から撮りためていた銀塩モノクロームの作品」を含めて展示する。

ウイキペディアなどによると、ピンホールカメラ(pinhole camera)とは、レンズを使わずに針孔(ピンホール)を利用したカメラで、「針孔写真機」ともいう。構造が簡単で容易に作れるため、中学校の物理の授業において実験のため作られることが多い。単純なピンホールカメラは、箱の中の一面に感光素材を貼り、反対面にピンホールを開けるだけ。ピンホールを通り抜けた光は、感光素材上に像を結び、露光時間さえ十分であれば、現像によって像を得ることができる。箱の内部は黒く塗るなどして、内部での反射を押さえることが望ましい。また、像を得るためには感光素材だけでなく、感光する素材であれば何でもよく、CCDイメージセンサなども使える。

ピンホールカメラには焦点距離という概念はなく、調節する機構が存在しない。はっきりした像を得るためには、ピンホールの大きさは、一般的に0.2ミリから0.5ミリぐらいが使われており(感光素材の大きさによって異なる)、光量を得られにくいので、通常のカメラと比較すると、長い露出時間を必要とし、1秒から数時間、場合によっては1日くらいまで露出することがある。また、近いものから遠いものまでボケないで撮影できる。

林敏弘さんは1954年千葉県船橋市生まれ、1977年に早稲田大学理工学部物理学科を卒業、事務機器メーカーに入社、1983年から学生時代から中断していた写真撮影を再開、1988年にモノクローム写真を独学し、1998年からピンホールカメラで撮影し、作品を制作、2007年にピンホール写真芸術学会理事、2014年に日本写真協会会員。

1999年に第20回船橋市写真展第1部モノクロ単写真の部門最優秀賞(市長賞)、2000年にカナダの「ミレニウム・フォト・プロジェクト・タイム・カプセル・ウイナー(Millennium Photo Project Time Capsule Winner)、2002年に第13回美術工芸作家協会展で美術工芸作家協会最優秀賞を受賞している。

期間中、毎日午後、林敏弘さんが来場する。

開場時間は10時30分から18時30分(最終日は17時)まで。入場は無料。日曜日は休館。