三笠会館の仏伊料理店で「南三陸産わかめ羊」、臭みなく柔らかい

【銀座新聞ニュース=2016年9月16日】三笠会館(中央区銀座5-5-17、03-3571-8181)は9月17日から30日まで2階フランス料理「榛名」(03-3289-5669)と中2階イタリア料理「トラットリオ・メッツィアーノ」(03-3289-5671)で「南三陸産わかめ羊」メニューを提供する。

三笠会館の榛名とトラットリオ・メッツィアーノで9月17日から30日まで提供される「南三陸産わかめ羊」のエサとなるわかめがとれる南三陸町の海岸。

三笠会館の榛名とトラットリオ・メッツィアーノで9月17日から30日まで提供される「南三陸産わかめ羊」のエサとなるわかめがとれる南三陸町の海岸。

「トラットリア メッツァニィノ(Trattoria Mezzanino)」では、「南三陸わかめ羊のラグーソース キタッラ」(1780円)、「南三陸わかめ羊の肩ロース 煮込み」(2680円)、「南三陸わかめ羊モモ肉のコトレット」(2700円)を提供する。

「榛名(はるな)」では、単品では「南三陸産わかめ羊のローストぺルシャード仕立てと煮込みナヴァランを添えて」(5000円)を用意している。

また、ディナーではコース仕立てで、「ディナーサヴール(Diner savoure)」(1万1000円)が「小さなお迎えの一皿」、「カボチャのムースとスチーム」、「シェフのスペシャリテ ガルグイユ」(20種以上の野菜を一皿に盛り付け)、「ホウボウのポワレ サフラン風味のナージュソース」、「南三陸産わかめ羊のローストぺルシャード仕立てと煮込みナヴァランを添えて」、最後に季節のデザートヴァリエ、プティフールとカフェがつく。

「ディナートラディシォン(Diner tradition)」(1万6000円)が「アミューズ・ブーシュ」、「オマールエビと柿のサラダ 秋の装い」、「鴨フォアグラのポワレ トリュフ風味のペリグーソース」、「舌平目のムニエル 焦がしバターソース」、「南三陸産わかめ羊のローストぺルシャード仕立てと煮込みナヴァランを添えて」、最後に季節のデザートヴァリエ、プティフールとカフェがつく。

「南三陸わかめ羊」はさとうみファーム(宮城県本吉郡南三陸町歌津町向22、0226-29-6379、東京事務所・神奈川県川崎市麻生区高石5-14-10)で、わかめの茎を飼料に混ぜた食べさせて育てた羊をいう。

さとうみファームによると、南三陸町ではわかめの収穫量が毎年2000トン程度ある、宮城県では最大の産地だが、2011年の東日本大震災でわかめ養殖設備が流され、水揚げがほぼゼロになる危機的な状況に追い込まれた。2013年には収穫量が震災前に戻ったが、その際に、社団法人「さとうみファーム」の代表理事の金藤克也(かねとう・かつや)さんが南三陸町の寄木漁港の復興を支援している中で、地元ではわかめを収穫しても、茎(芯)の部分を捨ててしまうことに気づき、その捨てる量が年間で100トンに上ることを知り、2013年から宮城大学との共同研究により、羊の飼料にわかめの茎を砕いて混ぜる取り組みをはじめた。

金藤克也さんは、塩分など天然ミネラルを多く含む草で育つオーストラリアの羊の肉は、高級ラム(生誕1年未満をラムといい、1年以上をマトンという)になるという話を聞き、芯の活用を思いついた。

漁師の協力を得てわかめの芯1トンを収集し、天日干しで乾燥させた芯を5ミリ角程度に切り10%程度を混ぜた飼料をつくり、2013年から宮城県大郷町の牧場で1歳3カ月の羊2匹に与える飼育実験からスタートした。その後、科学技術振興機構が補助金を出し、被災地復興を支援する研究にも採択され、宮城大学がアドバイスしている。

これまでに、わかめ羊の肉は一般に流通している日本産の羊肉およびニュージーランド産の羊肉に比べて味に厚み、ふくらみ(ミネラル感)が加わり、いわゆるコクのある味わいになることがわかり、さらに、羊特有の臭みがなく、柔らかいので、タレではなく、塩コショウで食べられるという。

営業時間はトラットリア メッツァニィノが平日11時30分から22時、土・日曜日、祝日が11時から21時30分。榛名が平日が11:30から」14時30分、17時から21時、土・日曜日、祝日が11時から21時。売上金の一部は南三陸町わかめ羊の飼育のためにチャリティーとして寄付する。