国際フォーラム20周年でイルカが空間を遊泳、広告塔として期待(2)

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【銀座新聞ニュース=2017年12月20日】国際国際コンベンションセンターの東京国際フォーラム(千代田区丸の内3-5-1、03-5221-9000)は12月19日から26日までガラス棟地下1階ロビーギャラリーで「光のアクアリウム」を開いている。

東京国際フォーラムで12月26日まで開かれている「光のアクアリウム」。6mの巨大なイルカが60mの空間を遊泳するが、近くで見ると、単なる飛行物が飛んでいるようにしか見えない。ただ、夜に外から見ると「イルカ」が浮遊しているように見える。

1997年1月10日に開館した東京国際フォーラムが20周年になるのを記念して、専門家による「ロボティクス技術」を利用して、生物学的、工学的なアプローチにより、実際の泳ぎをリアルに再現したのが「光のアクアリウム」で、バルーンを疑似的な生命体に見せる技術を応用して、6メートル大のイルカの姿をつくり、映像と光、音響により幻想的な海に演出された60メートルの大空間を浮遊する。日本では初の演出としている。

東京国際フォーラムでは「子どもたちがイルカを選んだので、イルカにしたが、実は海洋生物の中ではイルカを再現するのがもっとも大変で、尾びれを動かすのが特に難しかった。でも、これだけの技術力を見せることで、こんご、この技術を使って、国際フォーラムの中で、PRしたいと思っている企業に売り込んでいきたい」(施設課長・東川直史=ひがしかわ・なおぶみ=さん)と将来の広告塔にしたいと期待している。

施設担当者によると、「イルカは尾びれがあってもっとも大変だった。でも、これだけのことができるというデモとして多くの人にみてもらい、ぜひとも広告塔として売り込んでいきたい」と意気込む。

国際フォーラムは20年間に8万5000件の催事を実施し、年間2300万人余の来場者が訪れている。2014年6月から社長(東急電鉄相談役)を務めている上條清文(かみじょう・きよふみ)さんは「年間、平均すると4000件以上のイベントがあるわけで、1日10件以上もあり、パーティも毎日あるので、帝国ホテルがスタッフを常駐させているほど。社員はおよそ60人だけど、協力会社などの常駐している社員以外のスタッフが150人もいる」とイベントにかけるスタッフの充実ぶりを説明した。

12月8日から26日まで東京国際フォーラム開館20周年記念としてロビーギャラリーで、マンガ家の松本零士(まつもと・れいじ)さんが描いた未来の東京の姿を元絵にしたフォトモザイクなどを展示している特別写真展「新たな船出」を開いている。

東京国際フォーラムは旧東京都庁舎跡地の再開発として1992年10月に着工され、1996年5月に竣工し、1997年1月10日に開館された国際コンベンションセンターだ。中心となる設計は国際コンペの結果、ウルグアイ・モンテビデオ生まれ、アメリカ・ニューヨーク在住の建築家、ラファエル・ヴィニオリ・ベセイロ(Rafael Vinoly Beceiro)さんに決まり(ラファエル・ヴィニオリ建築士事務所)、株式会社椎名政夫(しいな・まさお)建築設計事務所、株式会社現代建築研究所との共同設計の形をとり、ガラスの吹き抜けホール(ガラス棟)は「船」を題材にし、その巨大な外観と共に、構造を露出した内部が象徴となっている。

土地は2万7000平方メートル、建物が地上11階、地下3階で、延べ床面積が14万5000平方メートル。総工費は用地費を除いて1647億円。7つのホール、展示ホール、33の会議室、店、レストラン、相田みつを美術館、太田道灌(おおた・どうかん、1432-1486)の像などを備えている。運営は株式会社東京国際フォーラムで、株主は東京都、JR東日本、三菱地所、サントリー、電通、東京電力、NTT東日本、東京ガスの8社。

新たな船出の開場時間は10時から20時。