フード協、外食20年、過去最大の15%減、飲酒は5割減、12月15%減

【銀座新聞ニュース=2020年1月26日】一般社団法人「日本フードサービス協会」(港区浜松町1-29-6、浜松町セントラルビル、03-5403-1060)は1月25日に2020年と2020年12月の「外食産業市場動向調査」(全店ベース)を発表した。

幸楽苑ホールディングス(東京オフィス・千代田区神田佐久間町1-26、秋葉原村井ビル、03-3526-7775)傘下の幸楽苑は1月28日から2月17日まで「日本橋桜通店」(中央区日本橋3-1-3、03-3548-0400)など全店で悪魔の「チョコレートらーめん」(税込640円)と天使の「ホワイトチョコレートらーめん」(同)を販売する。「チョコレートらーめん」はロッテのチョコ菓子「ビックリマン」とコラボし、しょう油ラーメンをベースに、 カカオオイルを加え、最後にチョコと生姜をトッピングしてある。「ホワイト」は塩ラーメンをベースにカカオオイルとクリームを加えている。プラス100円で「追いチョコ」ができる。また、注文するとシールがもらえる。

それによると、2020年の売り上げは前年比15.1%減と6年ぶりのマイナスで、1994年の調査開始以来、最大の下げ幅を記録した。4月に「緊急事態宣言」が出され、同月は前年同月比39.6%減と単月としては最大の下げとなり、8月にコロナ第2波、11月以降、第3波の影響を受け、年間で大幅に落ち込んだ。

業態別では、テイクアウト、デリバリー需要に支えられたファーストフード(FF)業態が3.7%減にとどまったが、店内飲食を主とするファミリーレストラン(FR)業態が22.4%減、喫茶が31.0%減、ディナーレストラン業態が35.7%減、パブレストラン・居酒屋業態が49.5%減と軒並み大きなダメージを受けた。とくにパブ・居酒屋という飲酒業態への影響は「壊滅的で、深刻な事態」としている。

また、コロナ以降、従来の繁華街立地、店内飲食、ディナー時間帯、大人数利用の業態・店舗から、郊外立地、テイクアウト・デリバリー、ランチタイム、少人数利用の業態・店舗にシフトする傾向がみられたとしている。

全業態で2020年の店舗数は同2.8%減と4年ぶりのマイナス、客数が同17.8%減と5年ぶりのマイナス、客単価が同3.3%増と8年連続で前年を上回った。

業態別の売り上げでは、ファーストフード業態は全体では3.7%減で、テイクアウトとデリバリーが好調の「洋風」が5.5%増、「和風」が5.5%減、「麺類」が21.1%減、持ち帰り米飯・回転ずしは6.3%減だった。

ファミリーレストラン業態は全体では22.4%減、「洋風」が26.4%減、「和風」が27.7%減、「中華」が9.8%減、「焼き肉」が10.9%減だった。

パブ・居酒屋業態は全体では49.5%減、「パブ・ビアホール」は57.3%減、「居酒屋」は47.7%減だった。

一方、2020年12月は、新型コロナ新規感染者数がさらに増加、度重なる政府・自治体からの営業時間短縮要請や外出自粛要請などにより、客足が急減、店内飲食業態は大きな打撃を受けたとしている。

とくに忘年会や帰省など期待された年末需要が消失し、外食全体の売り上げは前年同月比15.5%減と落ち込んだ。中でも夜がかき入れ時の飲酒業態は再び壊滅的状況で、「パブ・居酒屋」は60.9%減と急落した(11月は42.8%減)。

ファーストフード業態は洋風など巣ごもり需要で堅調な業態もあったものの、コロナ第3波の影響で客足が減少し、全体の売り上げは3.0%減だった。「洋風」は、ドライブスルー、テイクアウト、デリバリーの好調に加え、各社クリスマス時期のチキンの予約販売も好調で、4.8%増と唯一前年を上回った。

「和風」は、引き続き高単価の季節メニューの好調と、テイクアウトの下支えもあり、前月並みの5.3%減、「麺類」は郊外の路面店に一部回復が見られたが、コロナ感染の勢いは衰えず月後半にかけて客数減もあり、18.1%減、「持ち帰り米飯・回転寿司」は、テイクアウト需要の高まりで比較的堅調で3.8%減だった。

ファミリーレストラン業態は前月末から客数減少傾向が続き、加えて酒類を提供する飲食店等に対する時短要請が全国に広がり、全体では21.8%減だった。「洋風」はデリバリーやテイクアウトが健闘したが26.0%減、「和風」は忘年会などの需要が振るわず25.8%減、「中華」はテイクアウト・デリバリーに支えられ7.7%減、「焼き肉」は大人数の宴会が消失し、11.4%減だった。

パブ・居酒屋業態といった飲酒業態は、「コロナ第3波」の影響で酒類提供店舗に対する営業時間短縮の要請が全国的に広がり、夜の営業が売り上げの大半を占めるパブ・居酒屋は大きな打撃を受けた。全体の売り上げは60.9%減、「パブ・ビアホール」は63.8%減、「居酒屋」は60.2%減だが、前年同月比20%(80%減)台の店も出るほど厳しい状況が続いている。

ディナーレストラン業態も、これまで時短の要請と解除が繰り返される中、法人や大人数の宴会が全く期待できず、売り上げは急減し、41.9%減だった(11月は26.6%減)。

喫茶は年末には人の動きがさらに鈍り、繁華街・ビジネス街はもとより郊外店舗でも集客が減り、28.3%減だった。

日本フードサービス協会の統計は会員が事業者数が214社(2020年11月215、10月221、9月219、8月225、7月214、6月203、5月208、4月191、3月203、2月205、1月188、2019年12月191、11月186、10月187、9月189、8月188、7月192、6月193、5月192、4月197、3月196、2月199、1月199)。

店舗数が3万7648店(2020年11月3万7684店、10月3万7939店、9月3万8669店、8月3万8106店、7月3万7810店、6月3万8139店、5月3万8059店、4月3万7982店、3月3万9165店、2月3万9662店、1月3万5001店、2019年12月3万5583店、11月3万5342店、10月3万5005店、9月3万5237店、8月3万5544店、7月3万5390店、6月3万5617店、5月3万5646店、4月3万5763店、3月3万5798店、2月3万6467店、1月3万6659店)が対象。

内訳はファーストフードの事業者数が54社(2020年11月56社、10月61社、9月57社、8月57社、7月59社、6月52社、5月54社、4月50社、3月53社、2月55社、1月49社、2019年12月52社、11月50社、10月52社、9月51社、8月52社、7月52社、6月55社、5月57社、4月56社、3月57社、2月57社、1月56社)。

店舗数が2万1774店(2020年11月2万1807店、10月2万2003店、9月2万2093店、8月2万2070店、7月2万1635店、6月2万1806店、5月2万1703店、4月2万1821店、3月2万1552店、2月2万2261店、1月1万8957店、2019年12月1万9369店、11月1万9273店、10月1万9217店、9月1万9118店、8月1万9275店、7月1万9131店、6月1万9326店、5月1万9370店、4月1万9461店、3月1万9444店、2月1万9913店、1月2万0219店)。

ファミリーレストランの事業者数が61社(2020年11月56社、10月57社、9月60社、8月59社、7月56社、6月55社、5月56社、4月54社、3月55社、2月55社、1月50社、2019年12月50社、11月50社、10月51社、9月49社、8月49社、7月49社、6月52社、5月50社、4月52社、3月50社、2月57社、1月52社)。

店舗数が1万0437店(2020年11月1万0280店、10月1万0153店、9月1万0692店、8月1万0161店、7月1万0456店、6月1万0638店、5月1万0753店、4月1万376店、3月1万395店、2月1万534店、1月9556店、2019年12月9601店、11月9667店、10月9338店、9月9569店、8月9646店、7月9578店、6月9749店、5月9667店、4月9629店、3月9622店、2月9838店、1月9770店)。

パブ・居酒屋の事業者数が35社(2020年11月38社、10月38社、9月38社、8月39社、7月34社、6月34社、5月35社、4月32社、3月36社、2月35社、1月34社、2019年12月33社、11月32社、10月31社、9月34社、8月31社、7月34社、6月35社、5月31社、4月33社、3月33社、2月33社、1月32社)。

店舗数が2163店(2020年11月2420店、10月2419店、9月2539店、8月2404店、7月2334店、6月2305店、5月2332店、4月2476店、3月2849店、2月2771店、1月2326店、2019年12月2254店、11月2253店、10月2198店、9月2401店、8月2312店、7月2366店、6月2335店、5月2317店、4月2366店、3月2395店、2月2378店、1月2296店)。

ディナーレストランの事業者数が28社(2020年11月32社、10月31社、9月30社、8月33社、7月30社、6月28社、5月32社、4月26社、3月28社、2月29社、1月26社、2019年12月27社、11月26社、10月25社、9月26社、8月25社、7月26社、6月23社、5月25社、4月26社、3月25社、2月25社、1月26社)。

店舗数が1057店(2020年11月1162店、10月1159店、9月1126店、8月1229店、7月1135店、6月1141店、5月1182店、4月1114店、3月1177店、2月1071店、1月983店、2019年12月1046店、11月1032店、10月991店、9月988店、8月1006店、7月911店、6月991店、5月997店、4月1003店、3月999店、2月1010店、1月1007店)。

喫茶の事業者数が19社(2020年11月17社、10月18社、9月20社、8月21社、7月18社、6月17社、5月16社、4月14社、3月15社、2月14社、1月13社、2019年12月13社、11月12社、10月12社、9月13社、8月15社、7月14社、6月13社、5月13社、4月13社、3月15社、2月14社、1月14社)。

店舗数が1992店(2020年11月1830店、10月2014店、9月2055店、8月2053店、7月2062店、6月2067店、5月1886店、4月2004店、3月2049店、2月1876店、1月2042店、2019年12月2048店、11月1856店、10月2020店、9月2040店、8月2041店、7月2037店、6月2038店、5月2040店、4月2033店、3月2062店、2月2057店、1月2063店)。

外食産業(上場企業)の売上高上位4社の12月の既存店売上高は1位のゼンショーホールディングス(すき家、国内店舗数1947店)が同1.3%増と3カ月続けてプラス、2位のすかいらーく(全グループ、国内外店舗数3119店)が同21.9%減と13カ月続けてマイナス、3位の日本マクドナルド(国内直営店とフランチャイズ店の店舗数2911店)が同7.2%増と6カ月続けてプラス、4位のコロワイド(全グループ、国内外2665店)が同28.0%減と10カ月続けてマイナスだった。