ヴァニラ画廊で小山哲生を継承する朝倉景龍ら「ビタミン-V」展

ヴァニラ画廊朝倉景龍

ヴァニラ画廊で5月14日から26日まで開催される「ビタミン(VITAMIN)-V」に展示される朝倉景龍さんの作品。

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【銀座新聞ニュース=2012年5月13日】ヴァニラ画廊(中央区銀座6-10-10、第2蒲田ビル4階、03-5568-1233)は5月14日から5月26日まで小山哲生、朝倉景龍さん、きじめっか(KIZIMECCA)さんによる「ビタミン(VITAMIN)-V」を開催する。

自ら「ビタミン・アート」と評し、人形作家、パフォーマー、画家として活動した小山哲生(こやま・てつお、1944-2010)。ヴァニラ画廊では、その小山哲生の過激な活動を継承し、人類を挑発するアートの強烈な磁場、その衝動と精神を「ビタミン(VITAMIN)-V」と名付け、朝倉景龍(あさくら・けいりゅう)さんときじめっか(KIZIMECCA)さんが参加する3人展を開く。

秋山祐徳太子(あきやま・ゆうとくたいし)さんの「泡沫桀人列伝 知られざる超前衛」によると、小山哲生は1960年代に民放テレビの昼のワイドショーに出演して、犬のように這いつくばってニンジン、キャベツ、果物などを食べると、テレビ局に抗議の電話が殺到したという。

また、上野の本牧亭の大ハプニング儀式大会で、小山哲生がバケツ一杯のりんごを持ち、舞台に登場して、りんごの上に脱ぷんし、そのりんごを観客に投げつけ、公演が中止になり、多大な弁償金を払わされた。

さらに、ある大手電機メーカーのホールで子牛を連れて舞台に登場し、おもむろにナイフを取り出し子牛を刺しまくり、舞台が血だらけになった。

ヴァニラ画廊によると、1969年5月に銀座のある大ホールでステージ上に現れた長髪のヒッピー風の若者が、バケツの中のりんごの上にいきなり脱ぷんし、客席に向けてそのりんごを投げつけ、阿鼻叫喚(あびきょうかん)、異臭漂うハプニングを起こしたのが若き日の小山哲生という。

小山哲生は1944年長野県生まれ、1960年代は自分の表現行為を「ビタミン・アート」と名付け、新宿や銀座で街頭ショー「太陽まんだら」シリーズを行い、銀座東芝ホールで牛と蛇と人の共演によるビタミン・アートリサイタルを開いた。1970年代にインドを放浪し、「花とビートルズとお釈迦様」のテーマで個展を開催し、人形の制作もはじめ、1980年代もインドを放浪し、風景画を描きはじめ、ブロードウェイ新人賞でグランプリを受賞した。

1990年代は銀座のギャラリーで立体拡大のオブジェを発表し、公募展で東京都知事賞、内閣総理大臣賞を受賞、2005年に渋谷で個展「この世でいちばん真っ赤なりんご」を開催、2006年、2007年、2010年に東京都美術館で「人人展」を開き、2008年からヴァニラ画廊で個展などを開いている。2010年9月1日に亡くなる直前まで女性作家の団体「べラドンナの会」顧問を務めた。

朝倉景龍さんは1986年鹿児島県鹿屋市生まれ、2002年に鹿児島県立松陽高校美術科を中退し、2003年「ゲイサイ(GEISAI)」に出展、2004年に鹿児島テレビ放送主催の「アートマーケット」でグランプリ、2005年にホワイトギャラリーで初個展を開催、2006年にヴァニラ画廊で個展を開催、鹿児島宝山ホールで開かれた「ネクスト ウエーブ(NEXT WAVE)」展に出展した。ヴァニラ画廊では2006年に出展して以来、毎年、展示会を開き、2010年に「ゲイサイ」に出品している。

きじめっかさんは1967年東京都生まれ、16歳より独学で油絵をはじめ、大学法学部を中退し、さまざまな職を経験した後、技術設計士をしながら創作活動を行っている。

開場時間は12時から19時(土曜日・祝日17時)で、日曜日は休廊。入場は無料。