【銀座新聞ニュース=2025年5月23日】ギャルリーためなが(中央区銀座7-5-4、03-3573-5368)は5月24日から6月22日まで山本大也さんによる個展を開く。
画家の山本大也さんはヨーロッパ絵画の伝統技法と日本の美意識を融合し、「現代」という時を表現しており、2023年にフランスの「ギャルリーためながパリ」で個展を開いており、東京店での初個展となる今回は新作約40点を展示する。
山本大也さんはヨーロッパの伝統的な技法「トロンプ・ルイユ(Trompe-loeil、だまし絵)」を駆使し、まるでモチーフが実際にそこに実在するかのような作品を描く。この技法では、多くのモチーフを描き込んで華やかな画面を作り上げることが主流だが、山本大也さんはあえて要素を絞り込み、日本特有の「余白」の美的感覚を取り入れることで、新たなトロンプ・ルイユの形を創り出している。
画廊では、真白く広い空間に配置されたモチーフは、代表的な一輪の花や植物のほか、お菓子やマスキングテープ、付箋など、作家が日常生活の中で魅かれたものの数で、山本大也さんの描くミニマルで洗練された独自のトロンプ・ルイユは、私たちの生きる「現代の日本」を鮮やかに映すとともに、日本らしい静けさや穏やかさを観る者に与える、としている。
ウイキペディアによると、「トロンプ・ルイユ」はシュルレアリスムにおいてよく用いられた手法・技法で、フランス語で「眼を騙す」を意味し、最近では解りやすく「トリックアート」と呼ばれることもある。フランスの画家、ルイ=レオポルド・ボワイー(Louis-Leopold Boilly、1761-1845)が1800年にパリのサロンでこの技法を使用した。日本では福田繁雄(1932-2009)の作品群がこの技法で知られている。
山本大也さんは1986年奈良県生まれ、2010年に広島市立大学芸術学部油絵専攻を卒業、同年に広島市立大学卒業修了作品展で三原賞、2012年に同大学大学院芸術学研究科絵画専攻博士前期課程を修了、同年に広島市立大学修了制作展で優秀賞、同年に第9回西脇市サムホール大賞展で準大賞、2013年に第87回国展初出展で入選(2014年第88回、2015年第89回、2016年第90回で入選、2017年第91回で絵画部奨励賞)、現在、国画会会友。
24日16時から18時まで山本大也さんも来場してレセプションを開く。
開場時間は11時から19時(日曜日、祝日は17時)。入場は無料。