【ケイシーの映画冗報=2025年8月14日】今回は「ジュラシック・ワールド/復活の大地」(Jurassic World:Rebirth)です。前作「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」(Jurassic World Dominion、2022年)から5年後、一時は世界中に広がっていた恐竜たちは、21世紀に適応することができずに数を減らし、一定数が残るのは赤道の一部の島々に限られていました。

8月8日から一般公開されている「ジュラシック・ワールド/復活の大地」((C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.)。興行通信社によると、8月8日から10日の初週で2位にランクされている。製作費は1億8000万ドル(1ドル=140円換算で約252億円)。
セキリュティの専門家であるゾーイ(演じるのはスカーレット・ヨハンソン=Scarlett Johansson)は、製薬会社のマーティン(演じるのはルパート・フレンド=Rupert Friend)から、「心臓疾患用の新薬開発の仕事」を依頼されます。その新薬の完成には、放棄された研究施設で生き残った恐竜3種のDNAのサンプルを入手する必要があり、その護衛任務を依頼されたのです。
ゾーイは古い仲間のダンカン(演じるのはマハーシャラ・アリ=Mahershala Ali)のチームとマーティン、恐竜の専門家ヘンリー(演じるのはジョナサン・ベイリー=Jonathan Bailey)らと“恐竜の島”サン・ユベール島に向かいますが、海路を移動中、巨大なモササウルスに遭遇し、遭難した父親のルーベン(演じるのはマヌエル・ガルシア=ルルフォ=Manuel Garcia-Rulfo)と姉妹、姉のボーイフレンドを救出します。
そうして、最初の目標であったモササウルスのサンプルを入手しますが、その戦いで乗船が深く傷つき、なんとかサン・ユベールに到着します。ルーベン一家とゾーイのチームは別れて、サン・ユベール島に上陸し、生き残りをかけて行動するのでした。
1993年に第1作となる「ジュラシック・パーク」(Jurassic Park)が、ハリウッドを代表する映画監督スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)によって映画化され、大ヒットを記録しました。
撮影時には最新だった恐竜の研究を取り入れ、それまで鈍重で単なる“巨大なトカゲ”というイメージで表現されてきた恐竜を、「スピード感のある運動能力と、群れで狩りをする知性」をもったキャラクターとして描き、続編「ロスト・ワールド:ジュラシック・パーク」(The Lost World: Jurassic Park、1997年)と「ジュラシック・パーク3」(Jurassic ParkⅢ、2001年)、さらには延長された「ジュラシック・ワールド」(Jurassic World)シリーズの3部作をふくめ、それまでの映像世界にあった恐竜像をかえてしまったといえるでしょう。
人類が恐竜という「かつての地球に栄えた陸棲爬虫類」の存在をはっきりと認識したのは、19世紀のなかごろでした。“SF小説の父”とされるアーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle、1859-1930)の著した「失われた世界」(The Lost World、1912年)が1925年に「ロスト・ワールド」(The Lost World)として映画化された、最初の恐竜を中心に据えた、映像作品といえるでしょう。
一コマごとに少しずつ、模型を動かして撮影したものを連続させることで、躍動する恐竜を再現した本作は、SF、広義のモンスター、ホラー、といった映画ジャンルの基礎を確立させた作品となっています。
1933年の映画「キング・コング」(King Kong)、1954年の「ゴジラ」といったキャラクターは、「ロスト・ワールド」の系統にある作品です。そして、「ジュラシック・パーク」の2作目が「ザ・ロスト・ワールド」であるのは、偉大なる先人への敬意なのでしょう。
本作の監督、ギャレス・エドワーズ(Gareth Edwards)は、2014年のハリウッド作品「GODZILLA ゴジラ」やSF映画「スター・ウォーズ」(Star Wars)シリーズに連なる「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(Rogue One:A Star Wars Story、2016年)を監督しているので、本作のような作品にはうってつけの人物です。そして、先人への畏敬の念もしっかり、持ち合わせているのです。
「僕は子どもの頃からずっとスピルバーグの映画を観てきたんだ。(中略)僕にとってのインスピレーションの源は、スピルバーグだといっても過言ではないよ」と「ジュラシック・パーク」1作目(1993年)と2作目(1997年)を監督して、あたらな恐竜像を表現し、本作の製作総指揮となっているスピルバーグ監督のインパクトを語っています。
同様に主人公ゾーイ役のスカーレット・ヨハンソンも、「このシリーズに出演することは、ずっと昔からの夢でした」(いずれもパンフレットより)とスピルバーグに熱烈なアピールをしたと語っています。
個人的には、ヒトの生み出す作品にはかならず、原点といいますか、元となる何かがあると思っています。体験、経験や、読んだ本、観た映画、会った人々などです。
それはたぶん、作り手として避けて通れない途であり、その先への一歩を踏み出すことが重要なのでしょうが、本作についてはしっかり、こなせていると感じました。次回は「雪風 YUKIKAZE」を予定しています(敬称略。【ケイシーの映画冗報】は映画通のケイシーさんが映画をテーマにして自由に書きます。時には最新作の紹介になることや、過去の作品に言及することもあります。隔週木曜日に掲載します。また、画像の説明、編集注は著者と関係ありません)。
編集注:ウイキペディアによると、「ジュラシック・パーク」と「ジュラシック・ワールド」は以下のように制作、アメリカで公開されている。
1.「ジュラシック・パーク」(1993年6月11日公開、監督はスティーブン・スピルバーグ)
2.「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」(1997年5月23日公開、監督はスティーブン・スピルバーグ)
3.「ジュラシックパークⅢ」(2001年7月18日公開、監督はジョー・ジョンストン)
4.「ジュラシック・ワールド」(2015年6月12日公開、監督はコリン・トレボロウ)
5.「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(2018年6月22日公開、監督はJ・A・バヨナ)
6.「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」(2022年6月10日公開、監督はコリン・トレボロウ)
7.「ジュラシック・ワールド/復活の大地」(2025年7月2日公開、監督はギャレス・エドワーズ)