三笠「吉野」で三和酒造の「臥龍梅」を味わう

【銀座新聞ニュース=2011年2月10日】三笠会館(中央区銀座5-5-17、03-3571-8181)は2月18日と2月19日の2日間、3階の和食店「吉野」(03-3289-5667)で「吉野 日本酒の会」を開催する。

和食の「吉野」が年数回開催している日本酒を紹介するイベントで、今回は「静岡・清水が生んだ注目の銘酒『臥龍梅』を味わう夕べ」と題して、三和酒造(静岡県静岡市清水区西久保501-10、054-366-0839)の純米吟醸酒「臥龍梅(がりゅうばい)」を取り上げる。料理は料理長の岡野秀二(おかの・しゅうじ)さんが提供する。

三和酒造は元々は「鶯宿梅(おうしゅくば)」蔵元の鈴木家が発祥で、1686年に現在の本社所在地、静岡市清水区西久保で誕生し、以来、300年近くにわたり、「鶯宿梅」を発売してきた。1971年5月に三和酒造株式会社を設立し、新たに「静(しず)ごころ」を発売し、1985年に静岡県清酒鑑評会の純米酒部門で県知事賞を受賞した純米酒「羽衣の舞(はごろものまい)」を発売した。

2002年秋に総米600キログラム程度の吟醸小仕込みで、コメは手洗い、時間を計って限定給水したという純米吟醸酒「臥龍梅」を発売し、2007年に国際日本酒コンテスト「インターナショナル・サケ・チャレンジ」で最高位を受賞している。杜氏の菅原富雄(すがわら・とみお)さんが手がけている。

「臥龍梅」という名称は中国4大奇書の長編歴史小説「三国志演義」の中でりゅう備玄徳(りゅうびげんとく、161-223)が諸葛孔明(しょかつ・こうめい、181-234)を自軍に迎え入れる際に出てくる「臥龍・鳳雛(がりょう・ほうすう)」が由来という。

「臥龍」は寝ている龍、まだ雲雨を得ないため天にのぼれず、地にひそみ隠れている龍のことで、転じて、まだ志をのばす機会を得ないで民間にひそみ隠れている英雄を指しており、「鳳雛」とは鳳凰のひなで、将来、大人物になる素質を備えた少年の例えという。

その後、徳川幕府を開幕した徳川家康(とくがわ・いえやす、1543-1616)が幼少期に今川家の人質として静岡県の「清見寺(せいけんじ)」にいる際に、寺の庭に一枝の梅を接木したと伝えられ、徳川家康の植えた梅が300年の月日を経て大木に成長し、今も毎年3月に花を咲かせている。この梅が天下人となった徳川家康の人生から「臥龍梅」と呼ばれるようになった故事に習い、三和酒造が日本酒に命名した。

岡野秀二さんは赤坂と銀座の料理店で修業した後、1998年に三笠会館に入社、2009年に「吉野」料理長に就任した。

時間は18時30分から。料金は1万5000円(「臥龍梅」銘酒各種、コース料理、税、サービス料込み)。予約、問い合わせは「吉野」まで。