角川シネマ「Ryuichi Sakamoto」初日に坂本龍一、シブル挨拶

【銀座新聞ニュース=2017年10月27日】書籍、映画配給事業、ネットワークエンタテインメントなどを運営するカドカワ株式会社(中央区銀座4-12-15、歌舞伎座タワー)グループ傘下の書籍、映画配給などの事業会社、KADOKAWA(千代田区富士見2-13-3)は11月4日から角川シネマ有楽町(千代田区有楽町1-11-1、読売会館、03-6268-0015)で一般公開する「Ryuichi Sakamoto:CODA」の初日に、坂本龍一さんらによる舞台あいさつを開く。

11月4日から一般公開される「Ryuichi Sakamoto:CODA」((C)2017 SKMTDOC, LLC)。

4日12時50分の回上映終了後と15時45分の回上映前に、監督のスティーブン・ノムラ・シブル(Stephen Nomura Schible)さんと主演の坂本龍一(さかもと・りゅういち)さんが舞台に登場してあいさつする。

「リュウイチ・サカモト:コーダ(Ryuichi Sakamoto:CODA)」は音楽家の坂本龍一さんを追ったドキュメンタリー映画で、2012年から5年間にわたって密着取材し、アーカイブ映像も織り交ぜながら坂本龍一さんの音楽的探求をたどっている。

また、YMO時代をはじめ、2011年9月11日のアメリカ同時多発テロや2011年3月11日の東日本大震災後のさまざまな活動、2014年7月から約1年間に及ぶ中咽頭ガンとの闘い、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(Alejandro Gonzalez Inarritu)さんが監督した「レヴェナント 蘇えりし者」(2015年)で復帰して音楽を担当し、2017年3月に発売した8年ぶりオリジナルアルバム「アシニック(asynic)」の制作現場にも密着している。

8月30日から開かれた「第74回ベネチア国際映画祭」のアウト・オブ・コンペティション部門に公式出品された。また、タイトルの「コーダ(CODA)」は、楽曲の終わりに、終結の効果を高めるために独立してつくられた終結部分をいう。1983年12月に発売された坂本龍一さんのアルバム「コーダ」に収録されている曲の題名でもある。

ウイキペディアなどによると、坂本龍一さんは1952年東京都中野区生まれ、父親が河出書房編集者の坂本一亀(さかもと・かずき、1921-2002)、3歳からピアノをはじめ、10歳から作曲をはじめ、1974年に東京芸術大学音楽学部作曲科を卒業、1976年に同大学大学院音響研究科修士課程を修了した。在学中の1975年に友部正人(ともべ・まさと)さんの「誰もぼくの絵を描けないだろう」にピアノで参加、スタジオ演奏家としてスタートし、1976年に竹田賢一(たけだ・けんいち)さんと「学習団」という芸術・実践の運動体を組織し、はじめてのアルバム「ディスアポイントメント-ハテルマ」を発売した。

1978年に細野晴臣(ほその・はるおみ)さん、高橋幸宏(たかはし・ゆきひろ)さんと3人で「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」を結成、11月に「イエロー・マジック・オーケストラ」を発売、「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」で注目される。1979年から1980年にかけて2度にわたるワールドツアーを実施、1979年12月にアレンジを手掛けた「サーカス」のシングル「アメリカンフィーリング」で、日本レコード大賞編曲賞を受賞した。1982年に「RCサクセション」の忌野清志郎(いまわの・きよしろう、1951-2009)とシングル「い・け・な・いルージュマジック」を発売し、ヒットし、同年に矢野顕子(やの・あきこ)さんと結婚した(2006年に離婚)。

1983年に映画「戦場のメリークリスマス」に出演し、音楽を担当、英国アカデミー賞の作曲賞を受賞した。同年にYMOが「散開」(解散)し、1984年に「MIDIレコード」を設立、同レコード内にレーベル「スクール(school)」を立ち上げ、1986年にソロコンサートを全国24カ所(28公演)で行った。1987年に映画「ラストエンペラー」に出演し、音楽の一部を手がけ、ゴールデングローブ賞とアメリカ・アカデミー賞作曲賞を受賞した。1990年4月から活動の拠点をアメリカ・ニューヨークに移し、1992年にスペイン・バルセロナオリンピック開会式のマスゲームの音楽を作曲、自らも会場でオーケストラを指揮した。

1993年にYMOを「再生」(再結成)し、アルバムを発売、東京ドームでライブを行った。1999年に三共(現第一三共ヘルスケア)の「リゲイン」のCMに用いられたピアノソロ曲「エナジー・フロー」を収録したマキシシングル「ウラBTTB」が100万枚を突破し、インストゥルメンタル(器楽曲)としてオリコンチャート1位を記録した。2001年にボサノバトリオを結成し、このトリオとしての活動などが評価され、2002年にブラジル政府より国家勲章を授与された。

2007年からYMOとしての活動が増え、2009年にフランス政府から芸術文化勲章「オフィシエ」を授与され、2010年に文化庁より芸術選奨「大衆芸能部門」の文部科学大臣賞を授与された。2013年2月8日にアメリカ・カリフォルニア大バークレー校日本研究センターから「バークレー日本賞」を授与された。また、2013年の「第70回ベネチア国際映画祭」でコンペティション部門の審査員を務めている。

チケットは10月28日10時から一般発売する。料金は2000円均一。