【銀座新聞ニュース=2012年3月21日】岩手県が運営するいわて銀河プラザ(中央区銀座5-15-1、南海東京ビル1階、03-3524-8283)は3月20日から3月22日の3日間、「アトリエぐらん」による「うに染め」の展示販売を開催している。
田川宮子(たがわ・みやこ)さんが経営する「アトリエぐらん」(岩手県宮古市宮園6-19、0193-63-7848)がキタムラサキウニの殻を使って染色した柔らかい絹のショール、ストール、スーツ、コート、ベストなどを展示販売している。
田川宮子さんは宮城県宮古市生まれで、小さいころからウニの収穫期になると、漁師の子どもたちが午前中、学校を休んでウニ向きを手伝わされ、午後に登校すると手が赤く染まっているのに気づいていた。
短期大学を卒業後、東京都内でOLをしながら、絹地に草木染めしたアパレルをし、その後、帰郷し、結婚し、離婚した後、自らアトリエぐらんをはじめ、10年ほど前に小さいころの体験を思い出し、キタムラサキウニの殻を使って草木染めと同じ煮出し方法でウミ染を試した。
キタムラサキウニは煮出しして染めると、ピンク系の色を出し、媒染色で色を定着、発色させ、水洗いした後にアイロンをかけると淡く透明な色になるという。また、ウニ独特の匂いに出てくるが、それも田川宮子さんが独自の方法で解決し、5年ほど前に特許を取得した。
現在、アトリエぐらんでは長年勤務している2人が絹地や綿などのウニ染めを担当しているが、仕立ては田川宮子さんとデザイナーが手がけている。
また、ウニ染めだけでは色彩がピンク、だいだい色などに限られるため、草木染めも併用して緑や青などもできるようにしている。ただ、絹地は群馬県桐生市の絹を使用するなど、素材を日本で調達しており、しかも「天然素材しか染められない」(田川宮子さん)ため、価格が高いのが難点になっている。
ただ、2011年3月11日以降、地元の漁協に委託していたウニ殻の冷凍庫が津波により流されてしまい、わずかに残っていた殻しかないという。田川宮子さんは10リットルの染め地を作るのに、ウニ100個ぐらいを使うが、2011年に夏のウニ漁ができず、必要な量が確保できていないという。
しかし、地元ではなかなかウニ染めのアパレルのよさをわかってもらえず、全国の主要百貨店などで期間限定で販売している。いわて銀河プラザでも通常、ショールなどを販売しているが、今回は品揃えをして販売している。
営業時間は10時30分から19時。