シネパトスで石井輝男の乱歩特集、フランキー、内藤誠らトーク

【銀座新聞ニュース=2012年3月20日】銀座シネパトス(中央区銀座4-8-7先、三原橋地下街、03-3561-4660)は3月31日から4月6日の7日間、名画座特別企画「石井輝男ワールド×江戸川乱歩」を開催する。

映画監督の石井輝男(いしい・てるお、1924-2005)の遺作となった江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ、1894-1965)原作の「盲獣vs一寸法師」(2001年、95分、カラー)を35ミリフィルム初プリントで7日間連続で上映する。
また、石井輝男が監督した「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」(1969年、99分、カラー)、「ねじ式」(1998年、85分、カラー)、「地獄」(1999年、101分、カラー)も上映する。

「盲獣vs一寸法師」は江戸川乱歩の小説「盲獣」と「一寸法師」、「踊る一寸法師」をミックスし、石井輝男が脚本を書き下ろした。デジタルビデオで撮影され、民主党衆議院議員の田中美絵子(たなか・みえこ)さんが「菊池美絵子」名義で出演し、ヌードを披露していたことでも話題を集めた。主演はリリー・フランキーさん、「明智小五郎」役で塚本晋也(つかもと・しんや)さんが出演している。今回、フィルムによる保存を目的として、35ミリに変換された。

「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」は江戸川乱歩の諸作品をミックスした脚本で、大筋は「孤島の鬼」、中盤が「パノラマ島奇談」を援用し、「屋根裏の散歩者」や「人間椅子」を断片的に挿入している。

「ねじ式」はつげ義春さんが1968年に月刊「ガロ」6月増刊号に「つげ義春特集」として発表した短編マンガが原作で、浅野忠信(あさの・ただのぶ)さんが主演している。

「地獄」は実在の凶悪犯罪者達をモデルにした登場人物が地獄で責めを受ける様子を、少女の視点から描いたホラー映画で、佐藤美樹(さとう・みき)さんが主演している。

ウイキペディアなどによると、石井輝男は1924年東京都千代田区生まれ、1939年に早稲田実業を中退、1942年に東宝に撮影助手として入社、1945年に召集され、陸軍浜松航空隊の写真班員として中国大陸へ配属され、終戦後、東宝に戻り、1946年に新東宝に参加し、撮影部より演出部に移る。

1957年に「リングの王者 栄光の世界」で監督デビュー、同年より1958年にかけて「鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ)」シリーズを監督、1961年に東映と専属契約を結び、「花と嵐とギャング」が東映第1作となり、1965年に「網走番外地」がヒットし、高倉健(たかくら・けん)さんとのコンビでシリーズ10作を手がけ、1969年に「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」を監督した。

1968年よりポルノ映画「異常性愛路線」と呼ばれる一連のエログロ作品を発表し、1970年代までに東映のエログロ作品とアクション映画を量産し、1974年に「直撃!地獄拳」シリーズをヒットさせた。1990年代はつげ義春(よしはる)さんと江戸川乱歩の世界に傾倒した。

2001年に「盲獣vs一寸法師」(一般公開は2004年)を完成させ、「第23回ぴあフィルムフェスティバル」で上映、最後の監督作品となった。2005年に肺がんにより死亡し、2006年に網走市内の潮見墓園に墓碑が建てられ、遺骨が納められた。

上映日程は3月31日と4月1日が「恐怖奇形人間」と「盲獣vs一寸法師」。

4月2日から4月6日が「ねじ式」、「盲獣vs一寸法師」、「地獄」、 「恐怖奇形人間」を上映する。「盲獣vs一寸法師」は3回、ほかは1回ずつ上映する。

3月31日14時30分からリリー・フランキーさん、映画監督の塚本晋也(つかもと・しんや)さん、映画監督の手塚真(てづか・まこと)さんによるスペシャルトークイベントを開く。

4月1日14時30分から監督の内藤誠(ないとう・まこと)さん、伊藤俊也(いとう・しゅんや)さん、荒井美三雄(あらい・みさお)さんによるスペシャルトークイベントを開く。

リリー・フランキーさんは1963年福岡県北九州市生まれ、武蔵野美術大学を卒業、森高千里(もりたか・ちさと)さんのファンクラブ会報にイラストを描いたのが縁で、1994年に森高千里さんのシングルCD「ロックン・オムレツ」のカバーイラストなどを担当、1995年に宍戸留美(ししど・るみ)さんのインディーズアルバムで作詞4曲と作曲1曲を手がけた。

その後、安(やす)めぐみさんとのユニット「リリメグ」のデビューアルバム「おやすみ」で作詞作曲を手がけ、サディスティック・ミカ・バンド、高見沢俊彦(たかみざわ・としひこ)さんら多くの音楽家へ作詞を提供している。作詞や作曲は「エルヴィス・ウッドストック」の名称で活動している。

また、2003年に福田和也(ふくだ・かずや)さん、柳美里(やなぎ・みり)さんらと季刊誌「エンタクシー」を創刊、およそ4年かけて母親との半生を綴った長編小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」を連載、2005年に単行本を出版すると全国の書店員が選ぶ「本屋大賞2006」で大賞を受賞した。

塚本晋也さんは1960年東京都渋谷区生まれ、日本大学芸術学部を卒業、大学卒業後に、CF製作会社に入社し、4年間で退社し、「海獣シアター」を再結成し、3本の芝居を興行し、その一方で、中学時代から取り組んでいる自主映画作りで1988年に「電柱小僧の冒険」がPFFアワードのグランプリを獲得した。

1989年に「鉄男」がローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリ、1997年にベネチア国際映画祭で審査員を務め、2003年に「六月の蛇」でベネチア国際映画祭コントロコレンテ部門審査員特別賞を受賞している。2002年に「とらばいゆ」などで毎日映画コンクール男優助演賞を受賞した。。現在、多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科教授。

手塚真さんは1961年東京都生まれ、マンガ家の手塚治虫(てづか・おさむ、1928-1898)の長男。日本大学芸術学部映画学科を中退、高校時代に制作した8ミリ映画「ファンタスティックパーティ(FANTASTIC PARTY)」が「日本を記録する8ミリフェスティバル」の高校生部門特別賞を受賞、2本の短編がいずれもPFFに入選、1981年に8ミリ映画「モーメント(MOMENT)」を制作している。

在学中に映画「星くず兄弟の伝説」を監督、25歳で劇場用監督デビューした。1986年にVシネマ「妖怪天国」を監督、1999年に10年かけた大作長編映画「白痴」を監督、2001年に「東アジア競技大会大阪大会」開会式の総合演出を務め、2003年にテレビアニメ「ブラック・ジャック」を監督し、東京アニメアワード優秀作品賞を受賞した。

内藤誠さんは1936年愛知県名古屋市生まれ、1959年に早稲田大学政治経済学部新聞学科を卒業、東映に入社、石井輝男らの助監督を経て、1969年に監督、「不良番長」シリーズなどを担当し、東映を退社してフリーになり、インディペンデント映画、テレビドラマ、特撮、アニメ、教育映画などの監督、脚本を手がけた。1993年に翻訳書「快楽亭ブラック」で翻訳特別功労賞を受章、2010年に「明日泣く」を監督し、2011年11月に劇場公開されている。日本大学芸術学部映画学科講師。

伊藤俊也さんは1937年福井県生まれ、東京大学文学部を卒業、1960年に東映撮影所に入り、助監督、脚本家として活動、1972年に「女囚701号 さそり」で監督デビュー、オカルト映画「犬神の悪霊」や「誘拐報道」、「白蛇抄」、「花いちもんめ。」などを手がけた。

1991年にフリーとなり、1992年に福井県「福井ふるさと大使」に任命され、1998年に東条英機(とうじょう・ひでき、1884-1948)を描いた「プライド・運命の瞬間」を監督、2003年に紫綬褒章、2006年に「映画監督って何だ!」、2010年に「ロストクライム-閃光」を監督した。

荒井美三雄さんは1938年東京都生まれ、東映の京都撮影所に入社、石井輝男らの助監督などを経て、「異常性愛路線」で石井輝男を支え、「徳川女刑罰史」で脚本に参加し、熱烈な石井輝男信奉者となる。1969年に「温泉ポン引女中」で監督デビュー、1973年に舞踏家、土方巽(ひじかた・たつみ、1928-1986)の舞踏公演を撮影、2003年に「土方巽 夏の嵐」として完成させ公開した。

料金は当日が1300円。トークイベントについては前売りが1300円、ぴあリザーブシートが1700円、当日が1500円。