丸善日本橋で大阪、京都の古茶道具、天目も

【銀座新聞ニュース=2019年8月28日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(東京都中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は8月28日から9月3日まで3階ギャラリーで「京都・大阪発 はんなり骨董楽市」を開く。

丸善・日本橋店で8月28日から9月3日まで開かれる「京都・大阪発 はんなり骨董楽市」に出品される「蒔絵印籠(まきえいんろう)」。

茶道具を中心を扱う古美術店「藤井香雲堂(ふじい・こううんどう)」(大阪府岸和田市南上町1-6-12、072-422-1917)が茶道具、諸道具、美術品など珍品逸品の数々を展示即売する。

藤井香雲堂によると「現体制での最後のはんなり、になります。名古屋時代から長年一緒にがんばってまいりました担当者さんのラストイヤーであり、そして現行メンバーでのラスト」としている。

また、今回は「近代天目展」を併催する。伝世の品やそれまで再現不可能と言われていた曜(耀)変天目の再現に迫るもの、また本歌には無い独自の作風を確立したものなど、国内外の近現代作家15人余のさまざまな天目を紹介する。

同じく、今回、併催される「近代天目展」に出品される「曜(耀)変天目」。

「はんなり」は京都の方言で「華なり」が転じて「はんなり」と発音されるようになり、「華やかでありながら、気取りがなく、上品で、明るくはなやかなさまをあらわす」言葉とされている。

ウイキペディアによると、「天目茶碗(てんもくぢゃわん)」とは、元は茶葉の産地だった天目山(てんもくざん、山梨県甲州市大和町木賊及び同大和町田野にある峠で、標高1380メートルの山)一帯の寺院において用いられた天目山産の茶道具で、天目釉(てんもくゆう)と呼ばれる鉄釉(てつゆう)をかけて焼かれた陶器製の茶碗をいう。

天目を焼くために用いられる釉薬(鉄質黒釉)は、釉薬の中に含まれている鉄分によって黒く発色する。鉄分の含有率が1%から2%なら青磁となり、15%以上なら黒磁となる。このため、鉄分の含有量によって、その色合いが異なり、鉄分が少ない天目は飴釉(あめゆう)、多い天目は柿釉(かきゆう)とも称される。

天目茶碗のうち、最上級とされるものを「曜変天目(ようへんてんもく)」と呼ばれる。曜変天目茶碗は、現在の中国福建省南平市建陽区にあった建窯で作られたもので、現存するものは世界でわずか3点(または4点)しかなく、そのすべてが日本にあり、3点が国宝、1点が重要文化財に指定されている。いずれも南宋時代の作とされるが、作者は不詳。日本では室町時代から唐物の天目茶碗の最高峰と位置付けられている。

また、この茶碗の内側に光を当てるとその角度によって変化自在、七色の虹の輝きとなって跳ね返ってくる。これが曜変天目茶碗にそなわっていなければならない不可欠の条件でとされている。

藤井香雲堂は1942年に創業、現在、藤井正治(ふじい・まさはる)さんが運営している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)まで。