M84でH・ニュートン、R・ドアノー、A・アダムスら「モノクロ」展

【銀座新聞ニュース=2020年3月1日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル、03-3248-8454)は3月2日から4月4日までヘルムート・ニュートンらによるモノクロ写真作品展「ヘルムート・ニュートンなど」を開く。

アートギャラリーエムハッシー(Art Gallery M84)で3月2日から4月4日まで開かれるモノクロ写真作品展に出品されるヘルムート・ニュートンの「フランス・ヴォーグ誌(French Vogue), ソミュール(Saumur)1980」((C) Helmut Newton Foundation)。

フランスのファッション誌「ヴォーグ(VOGUE)」で認められ、20世紀をもっとも騒がせたドイツ出身のファッション写真家、ヘルムート・ニュートン( Helmut Newton、1920-2004))の作品をはじめ、子どもたちを捉えたヒューマニズム溢れる作品を撮影したフランスの写真家、ロベール・ドアノー(Robert Doisneau、1912-1994)、どうすれば光を「自分の見た」風景に忠実なかたちで、モノクロプリントに定着させるかを模索したアメリカ出身の風景写真家、アンセル・アダムス(Ansel E.Adams2、1902-1984)ら海外で著名な10人の写真家の作品を展示する。

子どもたち、恋人たち、女性のヌード、ポートレート、ファッション、風景など、題材こそ違えど、極めて美的で、「これらの作品はモノクロの芸術写真ともいえる」としている。

作品はすべて伝統的なクオリテイを醸し出す銀塩印画紙で表現されており、一部はビンテージプリントの温かさも感じることができるという。日本ではあまり知られてなくても海外で著名な写真家の作品も含まれている。すべてゼラチンシルバープリントで、約30点を展示する。

出品しているのは、ヘルムート・ニュートン、ロベール・ドアノー、アンセル・アダムスのほかに、世界的な報道写真家の集団「マグナム・フォト」の会長を務めたフランス人写真家、エリオット・アーウィット(Elliott Erwitt)さん、パリオートクチュールなどをを撮影し、ルポルタージュスタイルで戦後のヨーロッパの雰囲気を捉え、20世紀でもっとも著名なドイツ出身の写真家、F・C・グンドラッハ(Franz Christian Gundlach)さん、コスモ紙とセレブのポートレート作品で知られるアメリカのファッション写真家、フランセスコ・スカヴロ(Francesco Scavullo、1921-2004)。

「街中にあふれる美しい瞬間を捉え」、パリを詩情あふれるリアリズムでとらえ続けたフランスの写真家、イジス(IZIS、1911-1980)、独特な構図から生まれる立体感、気品と乾いたエロティシズムを感じる芸術写真、ポートレート、ヌード、風景を広角、超広角で撮影したフランスのファッション写真家、ジャンルー・シーフ(Jeanloup Sieff、1933-2000)。

フランス出身で、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso、1881-1973)の晩年30年間を描いた「ピカソ、戦争、愛と平和」で評価され、官能的な「波のヌード作品」で脚光を浴び、世界的なアルル国際写真祭創設者の1人で、フランスのパリ美術アカデミーに選出された写真家のルシアン・クレルグ(Lucien Clergue、1934-2014)、プレイボーイやエルなどで活躍し、ナオミ・キャンベル(Naomi Elaine Campbell)さんらスーパーモデルやアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんらスターの象徴的なイメージを数多く撮影するアメリカのファッション写真家、サンテ・ド・ラジオ(Sante D’Orazio)さん。

ヘルムート・ニュートンは1920年ドイツ・ベルリン生まれ、12歳で写真を撮りはじめ、1940年にオーストラリアに移り、市民権を獲得、メルボルンで写真スタジオを開き、1952年に「ヴォーグ・オーストラリア版」での仕事を皮切りに、1960年から1970年代にかけて各国の「ヴォーグ誌」や「マリークレール」、「エル」、「シュテルン」、「プレイボーイ」などで活躍した。

1971年に心臓発作を起こし、以降は自身の望むイメージを撮影し、激しいセクシーさやエロティシズムを追求するようになり、1975年からオリジナル・プリントの展示、販売をはじめ、80歳を過ぎても現役で広告や「ヴォーグ」などで発表していたが、2004年に自らが運転する車で壁に激突して死亡した。

開場時間は10時30分から18時30分(最終日は17時)まで。入場料は800円。日曜日は休み。展示している作品はすべて販売する。