講談協会、日本橋亭で元旦から初席、琴星、貞花、琴梅、貞心ら

【銀座新聞ニュース=2020年12月28日】講談協会(事務局・03-3272-6888)は2021年1月1日から5日まで「お江戸日本橋亭」(中央区日本橋本町3-1-6、日本橋永谷ビル、03-3245-1278)で「講談協会初席」を開く。

講談協会が2021年1月1日から5日まで「お江戸日本橋亭」で開く「講談協会初席」で大トリを務める一龍斎貞心さん。

講談協会が毎年恒例としている「お江戸日本橋亭」で12時50分から開く初席で、講談協会の会員の講談師が総出で出演する。

1月1日は前座に続いて、二ツ目の宝井梅湯(たからい・うめゆ)さん、真打の宝井琴鶴(たからい・きんかく)さん、真打の田辺一乃(たなべ・かずの)さん、講談協会理事兼事務局長で、真打の宝井琴星(たからい・きんせい)さん。

仲入り後は、真打の一龍斎貞橘(いちりゅうさい・ていきつ)さん、真打の田辺鶴瑛(たなべ・かくえい)さん、トリは講談協会理事で、日本演芸家連合理事長、社団法人日本芸能実演家団体協議会常任理事で、真打の一龍斎貞花(いちりゅうさい・ていか)さん。

2日は前座に続いて、二ツ目の神田(かんだ)こなぎさん、真打の神田菫花(かんだ・すみか)さん、真打の神田(かんだ)あおいさん、講談協会理事で、真打の宝井琴柳(たからい・きんりゅう)さん・

仲入り後は、真打の宝井梅福(たからい・うめふく)さん、真打の一龍斎春水(いちりゅうさい・はるみ)さん、トリは講談協会常任理事で、真打の宝井琴梅(たからい・きんばい)さん。

講談協会が2021年1月1日から5日まで「お江戸日本橋亭」で開く「講談協会初席」に出演する桃川鶴女さん。

3日は前座に続いて、二ツ目の一龍斎貞弥(いちりゅうさい・ていや)さん、真打の田辺鶴遊(たなべ・かくゆう)さん、真打の宝井一凜(たからい・いちりん)さん、講談協会理事兼事務局補佐で、真打の宝井琴調(たからい・きんちょう)さん。

仲入り後は、真打の神田織音(かんだ・おりね)さん、真打の神田香織(かんだ・かおり)さん、トリは講談協会理事で、真打の一龍斎貞山(いちりゅうさい・ていざん)さん。

4日は前座に続いて、二ツ目の田辺銀冶(たなべ・ぎんや)さん、真打の神田山緑(かんだ・さんりょく)さん、真打の田ノ中星之助(たのなか・ほしのすけ)さん、真打の田辺南北(たなべ・なんぼく)さん。

仲入り後は、真打の田辺一邑(たなべ・いちゆう)さん、真打の一龍斎貞友(いちりゅうさい・ていゆう)さん、トリは講談協会理事兼副会長で、真打の宝井琴桜(たからい・きんおう)さん。

5日の楽日は前座に続いて、二ツ目の田辺(たなべ)いちかさん、真打の一龍斎貞寿(いちりゅうさい・ていじゅ)さん、講談協会監事で、真打の桃川鶴女(ももかわ・つるじょ)さん。

講談協会が2021年1月1日から5日まで「お江戸日本橋亭」で開く「講談協会初席」に出演する神田香織さん。

仲入り後は、真打の田辺凌鶴(たなべ・りょうかく)さん、講談協会監事で、真打の神田(かんだ)すみれさん、大トリは講談協会理事兼事務局長で、真打の一龍斎貞心(いちりゅうさい・ていしん)さん。

ウイキペディアなどによると、講談は奈良、平安の頃に原型が見られ、その後、江戸時代(1603年から1868年)の大道芸のひとつとして「辻講釈(つじこうしゃく、または町講釈)」が誕生し、「太平記」(全40巻で1318年から1368年までを描いた軍記物語)などの軍記物を注釈を加えつつ調子をつけて語り、1704年から1710年までの宝永(ほうえい)年間には公許の常設小屋で上演され、「講釈」と呼ばれた。

1818年から1830年の文政(ぶんせい)年間には話芸としてほぼ確立し、いくつかの流派が誕生し、講釈での人気演目が歌舞伎や人形浄瑠璃で上演されることもあった。明治時代(1868年から1912年)に入って、講釈は「講談」と呼ばれるようになった。

江戸末期から明治時代にかけて、講談は全盛期を迎え、明治末期には「立川文庫」など講談の内容を載せた「講談本」が人気を呼び、新聞や雑誌に講談が連載されるようになった。しかし、漫才など他の人気大衆芸能の誕生、大衆メディアの発達などに追いつけず、次第に衰退した。

大東亜戦争(1941年12月7日から1945年9月2日)後はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)により、仇討ちや忠孝ものの上演が禁止され、一時は大きな影響を受け、さらにテレビの普及により、衰退を続けた。現在は講談師の所属団体として「講談協会」と「日本講談協会」があり、落語界と比較して女性の進出がめざましく、講談協会、日本講談協会とも男性より女性の協会員のほうが多い。

落語は会話によって成り立つ芸なのに対し、講談は「話を読む芸」で、独特のしゃべり調子と張り扇で釈台(机)をたたいて展開されるのが特徴となっている。

講談界では「講談組合」が1881年に設立され、1968年に「講談協会」が設立されたが、田辺夕鶴(たなべ・ゆうづる、後に「天の夕づる」に改名し、その後廃業、1944年東京都生まれ)のポルノ講談により、講談界が割れ、1973年に分裂した。

神田ろ山(かんだ・ろざん、1908-1984)、小金井芦州(こがねい・ろしゅう、1926-2003)、神田伯治(かんだ・はくじ、後に6代目神田伯龍、1926-2006)、一龍斎貞水(いちりゅうさい・ていすい)さん、宝井琴鶴(たからい・きんかく、後に5代目宝井馬琴、1903-1985)ら協会解散派の「講談組合」と、神田山陽(かんだ・さんよう、1909-2000)や田辺一鶴(たなべ・いっかく、1929-2009)ら解散反対派の「日本講談協会」が誕生した。

1974年に宝井馬琴門下の宝井琴鶴(たからい・きんかく、現6代目宝井馬琴)さん、宝井琴梅(たからい・きんばい)さん、宝井琴桜(たからい・きんおう)さん、一龍斎貞正(いちりゅうさい・ていせい、現一龍斎貞花)さんが「講談組合」を脱会して宝井馬琴一門と一龍斎貞丈(いちりゅうさい・ていじょう、1928-2003)一門として「東京講談会」を設立した。

1980年7月に「講談協会」として統一され、1991年10月に選挙方法に異議を唱えた神田山陽一門が「日本講談協会」を設立し、神田山陽門下の神田松鯉(かんだ・しょうり)さん、神田紫(かんだ・むらさき)さん、神田紅(かんだ・くれない)さんらが日本講談協会を率いている。

時間は12時50分から16時ころまで。入場料は当日3000円、前売2800円、後援会「ご贔屓連」2000円。問い合わせは講談協会(03-3272-6888)まで。