【銀座新聞ニュース=2025年6月13日】バンダイナムコホールディングス傘下のおもちゃ事業、映像音楽事業、ビデオゲーム事業、アミューズメント事業を展開する「ハピネット」(台東区駒形2-4-5、駒形CAビル、03-3847-0521)グループの映画配給会社「ハピネットファントム・スタジオ」(旧ファントム・フィルム、渋谷区千駄ヶ谷5-23-15、A-PLACE代々木、03-6862-0361)は6月21日にTOHOシネマズシャンテ(千代田区有楽町1-3-2、日比谷シャンテ、050-6868-5001)で「ルノワール」の公開を記念して、鈴木唯さん、石田ひかりさんらによる舞台あいさつを開く。
21日13時20分の回上映終了後と16時40分の上映前に、監督で脚本を手掛けた早川千絵さんをはじめ、主人公の11歳の少女「沖田フキ」役の鈴木唯さん、フキの母親「沖田詩子」役の石田ひかりさん、フキの父親「沖田圭司」役のリリー・フランキーさん、フキが出会う大人「北久理子」役の河合優実さんが舞台に登場してあいさつする。
ウイキペディアによると、「ルノワール」は日本、フランス、シンガポール、フィリピン、インドネシアの国際共同製作作品で、早川千絵さんの自身の記憶と感情の断片が投影されている。タイトル名はルノワール(Pierre-Auguste Renoir、1841-1919)の絵画「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(Portrait d’Irene Cahen d’Anvers)」(1880年)に由来し、劇中でフキが父にこの絵の複製画を買ってほしいとねだる場面が描かれており、早川千絵さんも幼少期に複製画を父から贈られている。
主演は撮影当時11歳でオーディションによって抜擢された鈴木唯さん。第78回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、ワールドプレミア上映された。1987年の東京郊外でのひと夏を舞台に、闘病中の父と仕事に追われる母と3人で暮らす、感受性と想像力豊かな11歳の少女・フキがそれぞれに事情を抱えた大人たちと触れ合う姿が描かれる。
物語は1980年代のある夏、11歳の少女フキが両親と3人で郊外の家に暮らしているところからはじまる。ときに大人たちを戸惑わせるほどの豊かな感受性を持つ彼女は、想像力を膨らませながら、自由気ままに過ごしていた。そんなフキにとって、ときどき覗き見る大人の世界は、複雑な感情が絡み合い、どこか滑稽で刺激的だった。しかし、闘病中の父と、仕事に追われる母の間にはいつしか大きな溝が生まれていき、フキの日常も否応なしに揺らいでいく。
早川千絵さんは1976年東京都生まれで、ニューヨークの美大「スクール・オブ・ビジュアル・アーツ」を卒業、テレビ東京の番組「モーニングサテライト」のニューヨーク支社でアシスタントとして働き、アメリカで出産し、数年を経て日本に帰国した。WOWOWの映画部で業務委託のデスクワークをこなしながら、30代半ばで映画学校のENBUゼミナールに通い始め、卒業制作「ナイアガラ」で2014年のカンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門に入選し、ぴあフィルムフェスティバルでもグランプリを獲得した。2018年のオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の一編を監督後、WOWOWを退社した。
2022年に「PLAN 75」で長編映画監督デビュー、第75回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、新人監督賞に当たるカメラ・ドールのスペシャル・メンション(特別表彰)を受賞、国内でもブルーリボン賞の監督賞を始め、多くの賞を受賞した。森ガキ侑大(ゆきひろ)さんが主宰のクリエイター集団「クジラ」に所属し、2025年4月から開志専門職大学で脚本・プロデュース・編集領域におけるアニメ・マンガ学部の教授に就任した。
チケットは14日0時(13日24時)からインターネットで販売し、14日劇場オープン時から窓口で販売する。料金は全席指定で2000円均一。