丸善日本橋で寺田豊「帽子絞り」の織物展、小松玲子が石琴演奏

【銀座新聞ニュース=2025年11月4日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(東京都中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は11月5日から11日まで3階ギャラリーで「京絞り寺田展-秘めたる花 永遠に」を開く。

丸善・日本橋店で11月5日か11日まで開かれる「京絞り寺田展-秘めたる花 永遠に」のフライヤー。

「有限会社 京絞り寺田」(京都市下京区新町通綾小路下る船鉾町391、075-353-0535)を運営する4代目京絞り作家の寺田豊さんが今回は京都の特徴的な絞り技法「帽子絞り」による織物を展示する。

今回は「京絞り寺田」が主催し、「佐竹孝機業店」と「かはひらこ」が協賛している。寺田豊さんによると、「帽子絞り」は糸で布を絞り、防染を施し、模様を染め出す。「一見、単純と思える手技が古来から現代に至るまで、我々の美意識の水脈を広げてきました」。

室町時代(1336年から1573年)、江戸時代(1603年から1868年)の「辻ケ花染め」(「室町・安土桃山時代(1573年から1603年まで)の小袖=武家夫人の正装とされた着物=や武将が身につけた胴服=羽織った腰丈の上着=に見られる縫い絞り)や「鹿の子絞り」(絹織物に多種のくくり技法と染め分け技法を用いて施す模様染め)を経て、今日の絞り染め各種へと系譜が続いている。

「江戸時代の初期に確立した『慶長小袖』(江戸時代初期の慶長年間=1596年から1615年頃=に流行した、華やかで豪華な小袖)に見られるように、それまでの絞りから、布の表に凸形を故意に残し、『しぼ』(織物では「ちりめん」のように縮緬状のしわを指す)の陰影を見せる、半製品を良しとする近世の意識が熟した時期に、世界でも珍しい布が生み出され、先達が求めた『ものつくりのこだわり』を私達もまた、後世へ伝えることが役割」とし、「帽子絞り」による織物を紹介する。

「丸太や」の「着物ハ・テ・ナ」によると、「帽子絞り」は文様の部分に竹皮やセロファン、ナイロン、ビニールなどを巻きつけ、文様の部分に染料が入らないようにする技法で、絞リ上りが帽子をかぶせた形に似ているので「帽子絞り」という。絞った文様を防染する、という意味から「防止絞り」ともいわれ、文様の大きさによって小帽子、中帽子、大帽子があり、手順の違いや形によって芯入れ帽子、管帽子、逆帽子がある。

AIによると、染めたくない部分の布を竹皮やセロファン、ビニールなどで覆って縛り、染料が染み込むのを防ぐことで、文様を白く染め抜く。

「京絞り寺田」は1813(文化10)年に初代井筒屋治助(いづつや・じすけ)が京都寺町仏光寺で木版彫刻美術出版業として創業、1923年に6代寺田熊太郎が京鹿の子絞り製造卸「寺田商店」を設立、その後現社名に改称している。

寺田豊さんは1958年京都府京都市生まれ、1994年にフランス・パリ市主催フランスオートクチュール組合後援により「バガテル城美術館」の「燦功工房展」に招待出品、東京で個展を開催、1996年にフランス・パリ国立ギメ美術館が「雪に萩」を買い上げ、2002年に「布結人の会」を設立した。

イタリア・ミラノの美術学校と交流、2007年に歌舞伎役者の中村芝雀(しばじゃく)さんの「人魚の恋椿」の衣装を制作し、2008年に京都絞工芸展で知事賞と近畿経済産業局長賞、源氏物語千年紀「夢浮橋」の几帳を作成している。

佐竹孝機業店は1913(大正2)年に福井県福井市で「佐竹辰五郎商店」として漆業をはじめ、大東亜戦争により休業し、石川県へ疎開、1949年に織物業をはじめ、西陣帯地の製作に取り組み、京都の地で「佐竹孝機業店」をはじめた。現在、代表取締役の佐竹司吉(かずよし)さんは1947年福井県生まれ、1970年に西陣織の制作に携わり、1995年に加賀絹「月光」で中小企業長官賞、1999年に近畿通商産業局長賞、京都府知事賞、京都市長賞などを受賞している。

西陣織の帯会社で、「かはひらこ(大和言葉で蝶)」ブランドを主宰する「西陣坐佐織(にしじんざさおり)」(京都府京都市北区紫野西藤ノ森町12ー21、075-441-3007)の代表取締役が佐竹美都子さん。

佐竹美都子さんは佐竹司吉さんの娘で、1976年京都府京都市生まれ、1999年に同志社大学経済学部を卒業、同年に三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行、2002年に三和銀行(当時はUFJ銀行)を退行、2004年にアテネオリンピックのセーリング競技日本代表(島精機製作所所属)で11位、2005年に家業の西陣織製造業につき、2012年に「株式会社西陣坐佐織」を設立、2013年にオリジナルブランド「かはひらこ」を立ち上げている。

8日14時から14時40分までマリンバとサヌカイト(讃岐岩、sanukite)奏者の小松玲子さんによる演奏とトークショーを開く。サヌカイトは1400万年前に瀬戸内周辺地域の火山から噴出した溶岩で、固いもので叩くと高く澄んだ音がする。2007年に日本の「地質百選」に選定され、2016年に日本地質学会から香川県の「県の石」に選定されている。長さの違う石片を並べて木琴のように叩いて音を出す「石琴」(楽器名:サヌカイト)としてコンサートに使われている。

当日は小松玲子さんが古代染科の日本茜で染めた絞りオーガンジーショールを纏(まと)って演奏する。希望者は事前に電話で予約する。定員は25人。

小松玲子さんは香川県高松市生まれ、東京藝術大学打楽器科を卒業、これまでに打楽器奏者の有賀誠門(あるが・まこと)さん(1937年生まれ)、マリンバ奏者の高橋美智子さん、打楽器奏者の菅原淳(あつし)さん、マリンバ奏者で昭和音楽大学客員教授の石内聡明(としあき)さん、マリンバ奏者の森ゆき子さんに師事し、よんでん文化振興財団の奨学生、東京藝術大学管弦樂研究部非常勤講師を経て、2006年から高松市観光大使、2016年度によんでん芸術文化奨励賞、東久邇之宮文化褒賞を受賞している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)。