中央の百貨店2月、日本橋2店と大丸が増、銀座2店減

【銀座新聞ニュース=2019年3月1日】中央区とその周辺の主要百貨店の2月売上高(速報値、店頭ベース)は、日本橋三越、日本橋高島屋店、大丸東京店がプラス、銀座三越、松屋銀座店の2店がマイナスだった。

2月の店頭売上高で4カ月ぶりに前年を上回った日本橋三越。

2月は「ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品は堅調に推移したが、気温の変動が激しかったため、ボリュームゾーンの春物アイテムが伸び悩んだ」(三越伊勢丹ホールディングス)が、春節需要は中国の電子商務法の影響がみられたものの、堅調だった。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比3.3%増(1月速報値4.9%減、確定値12.4%減の105億円、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む)と店頭ベースでは4カ月ぶりに前年を上回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同2.0%減(同速報値2.0%減、確定値2.0%減の72億円、但し空港型免税店の売り上げを除く)と3カ月続けてマイナスだった。

三越伊勢丹ホールディングスでは、ボリュームゾーンの春物アイテムが伸び悩み、三越伊勢丹、国内百貨店の既存店共に前年実績を下回った。基幹3店では、デザイナーズブランドでジャケット、ブラウス、セーターなどの春物衣料やハンドバッグ、スニーカーなどの気温に左右されない通年使用可能な雑貨が好調に推移したという。

訪日外国人観光客売上高(免税売上高、インバウンド)は、店舗によってバラつきはあるが、地域店が伸長したことや首都圏既存店で春節実績が堅調だったこと、前月に伸び悩んだ化粧品やラグジュアリーブランドが復調傾向にあるなど基調は悪くないものの、大口購入が減少するなど中国の電子商務法の影響が一部で見られたとしている。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同0.5%増(同速報値4.8%減、確定値4.9%減)と4カ月ぶりに前年を上回った。店頭売上げは、ラグジュアリーブランドを中心とした高額品売上げと訪日外国人観光客売上高が伸長したことなどにより、前年を上回った。

日本橋店は昨年9月からレストラン街の運営を東神開発に移管したため、百貨店としての売場面積が縮小している。17店舗ベースの商品別では、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、リビング、食料品などが前年比プラスとなった。一方で、紳士服、紳士雑貨、婦人服などは前年に届かなかったとしている。訪日外国人観光客売上高は全店で前年比8.6%増、春節期間対比(本年2月4日から10日、前年2月15日から21日)では同5.6%増だった。

また、高島屋は登記上の本社(大阪府大阪市中央区難波5-1-5)がそのままだが、本社部門の事務所と一部のグループ会社の本社などを高島屋グループ本社ビル(中央区日本橋2-12-10、03-3211-4111)に移転している。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同2.7%増(同速報値1.3%減、確定1.2%減)と2カ月ぶりに前年を上回った。

百貨店事業は、訪日外国人観光客による売り上げを含めたラグジュアリーブランドや化粧品が好調な上に、バレンタイン商戦の活況も加わり、全店ではプラスとなった。全店の訪日外国人観光客売上高は春節後も好調を持続し、前年比17%増(客数同14%増、客単価同3%増)だった。春節期間を比べると、同2%増、春節終了後1週間(本年2月11日から17日、前年2月22日から28日)の比較では、28%増だった。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、1月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」や「上野フロンティアタワー」などの家賃収入は同10.7%増だった。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同1.7%減(同速報値1.2%減、確定値1.2%減)と2カ月続けて前年を下回った。

銀座店は、高価格帯のラグジュアリー婦人服ゾーンにおいてコートやジャケットなどの春物商材が堅調に動き、売上高は前年を上回ったが、上旬にミセスゾーンを一部改装し、面積を縮小したため、婦人衣料品全体の売上高はマイナスだった。

訪日外国人観光客売上高については、月初めの春節において、化粧品が引き続き全体を強く牽引し、時計も前年比約1.8倍と伸びたことで、春節期間内も前年を越えたものの、月を通してバッグ、靴などの一般品の売上高がやや苦戦し、月末では前年を下回った。一方、半期に1度の顧客様特別招待会「松美会・春の感謝祭」においては、春物の新作が好調に推移し、1日で10億円に迫る売り上げとなったが、婦人衣料品の改装などの要因で、店全体では前年を下回った。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内79社218店舗(総従業員6万7710人)の1月売上高(店舗調整後)は前年同月比2.9%減の4927億1266万円で、3カ月続けてのマイナスとなった。

1月は「米中摩擦など海外要因による先行き懸念や株価の変調で消費心理が冷え込み、初商・クリアランスセールが不振だったことに加え、好調に推移してきた訪日外国人観光客需要(インバウンド)も、主力中国の景気減速や免税品規制強化で苦戦した」という。さらに、「下旬のウィンターバザールで一部盛り返したものの、前半の不振を挽回するには至らなかった」としている。

顧客別では、国内市場(シェア94.7%、同2.6%減)がマイナスで、訪日外国人観光客需要は263億円(シェア5.3%、同7.7%減)と26カ月ぶりにマイナスを記録した。

商品別では、化粧品が0.3%増と46カ月連続プラスだったが、雑貨が同0.8%減と26カ月ぶりにマイナス、衣料品(同5.2%減)、身の回り品(同2.4%減)、食料品(同1.2%減)も3カ月連続でマイナスだった。

全国の百貨店の営業日数は前年同月と同じ30.0日、127店舗の回答によると、入店客は34店が増え、51店が減ったとし、うち80店舗の回答によると1月の歳時記(初売り、クリアランスセール)の売り上げについては4店が増え、39店が減ったとしている。東京地区(13社25店)の1月の売上高は同2.9%減の1328億9395万円と2カ月連続でマイナスだった。

国内93店舗の訪日外国人観光客需要の1月の免税売上高は同7.7%減の約262億7000万円で26カ月ぶりにマイナスとなり、国内の百貨店に占めるシェアが5.3%としている。

このうち、一般物品売上高は同11.2%減の約151億7000万円で、3カ月ぶりに前年を下回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同2.3%減の111億円、購買客数が同0.8%増の約42万人と2013年2月から72カ月続けてプラスとなり、1人あたりの購買単価が同8.4%減の6万2000円で、7カ月続けて前年を下回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(2018年1月から12月まで1位)、2位にハイエンドブランド(2018年1月から12月2位)、3位に食品(2018年1月4位、2月3位、3月5位、4月3位、5月4位、6月から12月3位)と前月と同じだった。

4位に婦人服飾雑貨(2018年1月3位、2月4位、3月3位、4月5位、5月3位、6月から12月4位)、5位に婦人服・用品(2018年1月と2月が5位、3月4位、4月4位、5月5位、6月6位、7月から12月5位)と前月と同じだった。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(2018年1月から12月まで1位)、2位が香港(2018年1月2位、2月4位、3月3位、4月4位、5月と6月3位、7月2位、8月と10月3位、11月と12月2位)、3位は韓国(2018年1月4位、2月から6月2位、7月3位、8月と10月2位、11月と12月3位)と前月と同じだった。

4位に台湾(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から12月4位)、5位にタイ(2018年1月から10月5位、11月と12月6位)が上がり、6位にシンガポール(2018年1月から10月6位、11月と12月5位)が下がり、7位がマレーシア(2018年1月から12月まで7位)のままだった。