サニーヘルス、無理な食事や糖質制限より、運動と栄養バランスを

【銀座新聞ニュース=2020年3月27日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「ダイエット=美と健康ではない!心身に悪影響を及ぼすダイエット法とは」を発表した。

油の摂り過ぎはダイエット面でも健康面でもマイナス。しかし、極端に避けると、髪がパサパサになったり、肌にツヤがなくなったりするので、魚の油に代表されるオメガ3脂肪酸は摂取したい。

一般にダイエットをする目的は何だろうか。さまざまな理由があるだろうが、やせて今よりもきれいになる、あるいは健康のため、ということが最終的な目標になっているではないだろうか。しかし、必ずしも「やせる=美しくなる、健康になる」ではない。

ただ、体重が減ればよい、やせさえすれば自己満足ができる、というような考えでは、ダイエットによって老けて見えるたり、健康を損なったりしてしまうこともありうる。

体重を落とすことばかりにフォーカスしたダイエットでは、肌はカサカサなのに吹き出物ができ、髪はパサパサ、慢性的な便秘、生理不順、冷え性、体力の低下、疲労感が抜けない、風邪を引きやすい、いつもイライラする、精神不安定、これまでよりも太りやすい体質に変化するなど、心と体に多くの悪影響を及ぼす。

多くの人が陥るそんな「悪しきダイエット法」とは、どのようなものなのか。

「食べないダイエット」
ダイエットには、ある程度の食事制限は必要だが、摂取カロリーが消費カロリーを上回るから太るのであって、健康な人であれば適正量を食べている分には太ることはない。このため、食事の摂取カロリーを適正値に抑えるという意味での食事制限が必要といえる。

間違っているのは、ただ、闇雲に低カロリーに抑える極端な食事制限を行うダイエットだ。極端な食事制限は、すぐに体重が落ち始めるので効果があるように思えるが、これはあくまでも一時的なもの。

人間の体は入ってくるカロリー(エネルギー)が少なくなると、「省エネモード」になる。これは人間の生命維持のためのシステムだ。食事制限をして摂取カロリーを減らしても、同時に栄養素も不足してしまう。

省エネモードになった体は飢餓状態と判断し、まずエネルギー消費の大きい筋肉を落とす。すると体重は減っても基礎代謝の低い体になってしまう。入ってきた食事が脂肪として体内に蓄えられやすくなり、それまでと同じ量の食事でも太りやすくなってしまうわけだ。

食事制限で体重が減ったとしてもリバウンドしやすいし、何度も繰り返すうちにだんだん体重は減りにくく、以前よりも太りやすい体質になってしまう。

「特定の食品ばかりを食べる」
バナナダイエット、りんごダイエット、ゆで卵ダイエットなど、ある一つの食品ばかりを食べ続けるダイエット法はメディアでもしばしば取り上げられ、定期的に流行する。しかし、こうした食品で満腹感を得られても、体に必要な栄養素を十分に補給することができない。そのため、筋肉量や基礎代謝が急激に落ちてしまう。同時に、必要な栄養素が不足している状態だと、筋肉量を増やすことも難しくなる。

いつまでも、その食生活を送るわけではないので、通常の食生活に戻ればすぐにリバウンドしてしまうのも難点だ。その結果、食べないダイエットと同様にダイエット前よりも太りやすい体になってしまう恐れがある。

「タンパク質不足」
ダイエット中だからこそ摂るべき栄養素がある。その代表格がタンパク質だ。タンパク質は筋肉や内臓、血液、皮膚など体を構成する元となる基本成分の一つで、タンパク質を十分量摂れていない状態が続くと、筋肉量は減少し、基礎代謝が低下してしまう。つまり、太りやすい体質になるということで、さらに、タンパク質不足は肌にも悪影響を及ぼしてしまう。

肌の潤いやハリを保つ成分の「コラーゲン」も、実はタンパク質の一種だ。食事から十分量のタンパク質をしっかり摂取していれば、それを原料に体内でコラーゲンが生成される。ちなみに、美肌目的でコラーゲンを含む食品を食べても、直接的な効果は得られない。
コラーゲンはタンパク質なので、他のタンパク質と同じように体内でアミノ酸に分解されて、全身に行きわたる。肌だけに直接作用をすることはないので、タンパク質をきちんと摂取することが美肌作りには有効といえる。

日本人の食事摂取基準(2010年版)によると、成人であれば1日あたり女性50グラム、男性60グラムが推奨量で、ダイエット中においてもこの量を目安にしたい。ただ、グラム数ではわかりにくいので、1食あたり自分の指を除く自分の手のひら(厚み・大きさも同程度)1枚分を目安にしてほしい。魚、肉、卵、豆類と1日に複数の種類のタンパク源を食べるようにしたい。

「糖質制限」
糖質制限ダイエット(炭水化物抜きダイエット)は、主食であるコメやパン、麺類などをできる限り食べないようにするという、シンプルで大人気のダイエット法だ。ダイエット開始後短期間で体重が減り始めるため効果が高いといわれるが、減った体重の大部分は体脂肪ではなく水分なのだ。

糖質の摂取量が足りないと脳のパフォーマンスが低下し、ボーっとした感じが続く、集中力の低下、無気力などを引き起こすほか、頭痛がしたり、肝臓に負担をかけたりすることにもなってしまう。

他にも、疲労感、脱力感、めまい、ダイエット臭(甘酸っぱい独特の体臭が発生)などの症状が現れる。主食の糖質を抜くストレスや空腹感、体調の悪化などにより糖質制限をやめると、その途端にリバウンドというパターンはひじょうに多い。しかも、ダイエットに成功し目標を達成したとしても、糖質を制限し続けなければ簡単にリバウンドしてしまう。

糖質制限ダイエットをするのであれば、糖質ゼロをめざして制限するのではなく、夕食の主食を減らす、血糖値の上昇を抑える食物繊維を食事のはじめに箸をつけるなど、自分が続けられる方法でトライしたい。

「油抜きダイエット」
油の摂り過ぎは、ダイエット面でも健康面でもマイナスといえる。だからといって極端に避けていると、髪がパサパサになったり、肌にツヤがなくなったりしてしまう。油には細胞膜の形成や、肌や髪を健康に保つ、脳や神経の機能を保つ、ホルモンの材料になるなどの役割があり、不足すると血管が弱くなる、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、Kなど)の吸収が悪くなるなどの影響がある。

「油」と一括りにしてもその種類はさまざまで、積極的に摂りたい油、控えたい油がある。積極的に摂りたいのは魚の油に代表されるオメガ3脂肪酸だ。DHAやEPA、αーリノレン酸などがこれに分類され、青魚、えごま油、アマニ油、チアシードなどに含まれる。

ほとんどの人が不足しがちな脂肪酸であり、1日1グラムから2グラム程度の摂取が推奨されている。避けるべきは、肉類、バター、乳製品などの動物性脂肪で、摂取過多は生活習慣病のリスクを高めるなど健康に大きく影響する。日常的に調理に使う油は、オリーブオイル、ココナッツオイル、キャノーラ油、紅花油などオレイン酸が多く含まれるものが勧めだ。

「運動を取り入れない」
運動をするのは億劫、続かない、という人も多いと思う。だが、食事制限だけでやせようとすると、体重は落ちてもボディラインをきれいにすることができない。ダイエットのための運動というと、カロリーを大量に消費できるようなハードなものを思い浮かべてしまうかもしれないが、日常生活の中でできることを取り入れるだけでOKだ。

例えば、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を昇る、テレビを見る時は筋トレやストレッチをしながら、通勤通学は最寄りの駅の一つ先(前)を使ってたくさん歩く、車よりも自転車を使う、常に姿勢をよくすることを心掛けるなど、小さなことをコツコツ続けたい。

人気のダイエット法でも、正しく取り入れないと美や健康を損なってしまうことがあるので、結局のところ、運動を取り入れ、栄養バランスの取れた食事という、王道のダイエットに勝(すぐ)るものはないといえる。