丸善丸の内で伊藤昌、小野月世ら水墨画&水彩画展、日貿55周年

【銀座新聞ニュース=2021年3月23日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ内、03-5288-8881)は3月24日から30日まで4階ギャラリーで日貿出版社創立55周年記念展「水墨画ー伝統とモダン」&「心やすらぐ花の水彩画&植物画」を開く。

丸善・丸の内本店で3月24日から30日まで開かれる日貿出版社創立55周年記念展「水墨画ー伝統とモダン」&「心やすらぐ花の水彩画&植物画」のフライヤー。左が小柳吉次さん、右が久山一枝さんの作品。

1966年に設立された日貿出版社(文京区本郷5-2-2、03-5805-3303)が創立55周年を迎えたのを記念して、第一線で活躍する水墨画と水彩画、植物画の画家11人が集結した展覧会を開く。原画の展示販売をはじめ、関連書籍や著者愛用の画材類も販売する。丸善・丸の内本店では日貿出版社の創立50年の前年となる2015年にも記念展を開いている。

今回、出品するのは水墨画では、1967年宮城県石巻市生まれ、上智大学文学部卒業、1994年に全国水墨画秀作展で大賞(1995年にも大賞)を受賞、2001年にスペイン・マドリッドで個展を開いている伊藤昌さん、静岡県生まれ、1967年に東京芸術大学工芸科を卒業、1969年に同大学大学院彫金専攻を修了、「石井幹子デザイン事務所」を経て、1971年に独立して「アトリエ」を設立、宝飾品のデザイン、制作をはじめ、1978年から水墨画を描きはじめ、1990年に日本水墨画賞、1994年に日本クラフト賞を受賞し、現在、「新水墨画協会」を主宰している久山一枝さん。

1979年に第2回全日本水墨画展で優秀賞(1980年に大賞、1981年、1989年に玉雲賞、1992年に文部大臣賞、1993年に東京都知事賞、1997年に文部大臣奨励賞)を受賞、1990年に第40回日本墨絵会記念展で功労賞(2000年に特別功労賞)、2000年に全日本水墨画会副会長に就任、永平寺に作品を収蔵、2001年に全日本水墨画会会長、2005年に正行寺に作品を収蔵(2006年、2007年、2009年、2010年、2016年も)している塩澤玉聖(ぎょくせい)さん。

1955年中国・上海生まれ、上海大学美術学院卒業、1987年に来日、1990年に和光大学に留学、北京の「当代卓越書画篆刻家大展」で銀賞などを受賞し、現在、東京海派書画院名誉院長の沈和年さん、1950年長野県生まれ、1982年に水彩画より水墨画に転向し、1989年に日輝展で入選、1991年に日本水墨画合同展で文部大臣賞、1995年に千墨会を創設し、2001年に国際精鋭芸術家大賞など受賞している藤﨑千雲さん。

1944年長野県小布施町生まれ、1985年から根岸流水墨画教室「遊墨会」を主宰する根岸嘉一郎さん、岡山県津山市生まれ、多摩芸術学園(現多摩美術大学)卒業、「全国水墨画展」で文部大臣賞、通産大臣賞、日貿出版社賞、「全国水墨画秀作展」で東京セントラル美術館賞、全国水墨画美術協会会長賞、芸術新聞社賞、「日本墨画協会展」で協会会長賞、芸術文化賞などを受賞し、「現代墨画陽水会」を主宰し、日本墨画協会理事長の松井陽水さん。

水彩画と植物画では、1969年兵庫県生まれ、1994年に女子美術大学絵画科日本画専攻卒業、1991年に「日本水彩展」で奨励賞、1993年に「アートマインドフェスタ’93」で青年大賞、卒業時に卒業制作展で優秀賞、1996年に同大学大学院美術研究科日本画専攻修了し、2000年に「第35回昭和会展」に招待出品(2001年に昭和会賞、2002年に賛助出品)、、2005年に「日本水彩画展」で内閣総理大臣賞を受賞し、現在、日本水彩画会常務理事の小野月世さん。

1943年生まれ、1982年に第36回二紀展で奨励賞(1985年に会員賞、2002年に宮永賞、青森県褒賞、2015年に成井賞)、1985年に第17回現代日本美術展で千葉県立美術館賞などを受賞し、2000年に文化庁特別派遣芸術家在外研修員として国立モンゴル文化芸術にて研修、現在拓殖大学客員教授、NHK文化センター講師の小柳吉次さん、1945年生まれ、1970年に東京芸術大学美術学部卒業、1972年に同大学大学院修了、「水彩アスール」を主宰する西丸式人(さいまる・のりと)さん、植物画家の山田道惠さん。

日貿出版社は1966年10月に日本出版貿易(1920年前身の「横浜商事」として設立、1942年に「日本出版貿易」として設立)出版部が独立して設立された。日本出版貿易出版部は1959年に初めて英文書を刊行し、海外の取引先の和文出版物などを発行、編集制作してきたが、系列子会社として独立させた。当初は専任の社員を置かず、出版部員が出向(後に正式入社)、

1971年に英文書からの和文版刊行が続き、その一方で、水墨画、武道、ヨガ関連書などを刊行、1975年には墨絵を中心とする絵画、仏教、武道、書道部門で刊行点数も100点を越えた。1985年に英文書事業を円滑に運営するために、ニューヨークにアメリカ法人「ジャパン・パブリケーションズ」を設立した(1998年に閉鎖)。2012年2月に文京区本郷に新社屋に移転し、2016年10月12日に創立50周年を迎えている。

開場時間は9時から21時(最終日は16時)。