銀座三越で米久和彦「作陶30年記念」展、吉祥紋様

【銀座新聞ニュース=2021年3月18日】国内最大手の百貨店グループ、三越伊勢丹ホールディングス(新宿区新宿5-16-10)傘下の三越伊勢丹(新宿区新宿3-14-1)が運営する銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は3月23日まで本館7階ギャラリーで米久和彦さんによる作陶展「作陶30年記念 美麗吉祥の世界」を開いている。

銀座三越で3月23日まで開かれている米久和彦さんの作陶展に出品されている作品。左は「赤網金襴手更紗小紋 宝珠(陽光)」(税込110万円)、右は「黒網金襴手更紗小紋 宝珠(月光)」(同)。

陶芸家の米久(こめきゅう)和彦さんは「幸せの兆しをあらわした吉祥紋様(きっしょうもんよう)を、超極細の筆で器物一面に描いた赤絵細描」を特徴としており、今回は黒彩にも挑んだ新作も展示している。

ウイキペディアによると、「吉祥紋(文)様」は縁起がいいとされる動植物や物品などを描いた図柄をいう。世界各地にもあるが、特に東アジア(漢字文化圏・日中韓)で広く愛用されている。多くは晴れ着や慶事の宴会などの調度品などにあしらわれ、普段使いの品物にもよく見られるが、凶事には使われない。

丹頂鶴と蓑亀(みのかめ)は「鶴は千年、亀は万年」といわれる代表的な日本の吉祥文様で、松竹梅も長寿を現した吉祥文様とされている。七宝は仏教典に載る「七つの宝」で富貴を表し、かつ無限に連鎖する金輪の交叉から成る文様のため、「無限の子孫繁栄」などを表す。「打ち出の小槌」も民話に登場する魔法の道具で、富の神大黒天の持物とされている。龍、鳳凰、麒麟、玄武も王室の象徴とされている。

米久和彦さんは1968年石川県能美市(旧根上町)生まれ、1990年に金沢美術工芸大学美術学科(油絵)を卒業、1992年に石川県立九谷焼技術研修所専門コースを卒業、1996年に独立して「米久窯」を自立し、2001年より各地にて個展を開く。

2010年にウェスティンホテル東京の日本料理「舞」にて花と器と宴「秋の宴」を開き、2012年に金沢しいのき迎賓館「NIPPON(ニッポン)を祝う」テーブルコーディネートに参加し、2013年に元首相の森喜朗さんがロシア訪問の際、ロシアの大統領、プーチン(Vladimir Vladimirovich Putin)さんに米久和彦さんの作品を寄贈している。

開場時間は10時から19時(最終日は18時)まで。