ヴァニラで真珠子展、山崎ナオコーラとのトークも

【銀座新聞ニュース=2011年8月21日】ヴァニラ画廊(中央区銀座6-10-10、第2蒲田ビル4階、03-5568-1233)は8月22日から9月3日まで真珠子さんによる個展「花びらうらない」を開催する。

少女絵描きの真珠子(しんじゅこ)さんがヴァニラ画廊で初めて開く個展で、真珠子さん自身、1年ぶりの個展という。絵のほか、アニメ制作、陶芸、木彫、シルクスクリーンも手がけており、新作を展示する。

「花びらうらない」はマンガ家のあや野(あやの)さんとの音楽ユニット「てンぬイ」の楽曲のひとつで、楽曲では「花びら占い」としているが、今回は「うらない」をひらかなにした。

こんごの行く末を「占う」意味と、「売らない」を掛け合わせ、同時にこれまで愛着をもってきた「リボン」から「花」へ移りつつある心境を反映させているとみられる。何を「売らない」かは初日になるとわかるという。

真珠子さんは「お花なんてキライ。リボンがいい」といい、「今までずっとリボン畑でリボンの栽培をして」きたが、それは「生まれたときから美しさを約束されているお花よりも、自分から美しさを作っていこうとするリボン的美しさの方が、好き」だからという。

しかし、東日本大震災の後、咲いている花を見て、考えが変わり、「真珠子は、リボンからお花へシフトしつつあるのでしょうか」と自問している。また、震災直後に描いた絵「祈る」が、通常の閲覧数の10倍を記録したことから「祈り」の大切さを知り、バリ島にわたり、世界無形文化遺産である「バティック(更紗=さらさ)」を学んだ。今回の個展では、バリ島で制作した更紗の作品なども披露する。

真珠子さんは1976年熊本県天草市生まれ、1997年から2000年まで県立高校美術科講師を務め、1997年から2000年までこども造形教室を開設し、2003年に宍戸留美(ししど・るみ)さんのCD-ROM写真集のジャケットを手がけた。

2004年に「ザ・チョイス」2004年度賞で入賞、NHK「デジタル・スタジアム」第191回田中秀幸(たなか・ひでゆき)セレクションを受賞、2005年から橋口(はしぐち)いくよさんの著書のカバーイラスト、さし絵などを手がけている。2007年にあや野さんと「てンぬイ」を結成し、ライブ活動なども行っている。

8月27日16時から真珠子さんによるアニメ紙芝居活弁ショーを開く。作家の山崎ナオコーラ(やまざき・なおこーら)さんがゲスト出演する。料金は2500円(1ドリンク付き)。

山崎ナオコーラさんは1978年福岡県北九州市生まれ、埼玉県育ち、国学院大学文学部日本文学科を卒業、2004年に小説「人のセックスを笑うな」で「第41回文芸賞」を受賞し、2005年に「第132回芥川龍之介(あくたがわ・りゅうのすけ、1892-1927)賞」候補にも選ばれた。

2006年に「浮世でランチ」で第28回野間文芸新人賞候補、2008年に「カツラ美容室別室」で芥川賞候補、2009年に「手」で芥川賞候補、2011年に「ニキの屈辱」で芥川賞候補、国学院大学兼任講師。

8月28日は真珠子さんによるワークショップ「真珠子更紗教室」を開く。12時、14時、16時と1日3回を予定し、参加費が2000円だが、いずれもすでに定員に達している。

開場時間は12時から19時(土曜日・祝日は12時から17時)まで、日曜日は休館、入場料は600円。