M84で「アートの競演」展、宇津井志穂、谷明、豊吉雅昭ら8人

【銀座新聞ニュース=2023年4月14日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル、03-3248-8454)は4月17日から29日まで写真展「アートの競演2023春光」を開く。

Art Gallery M84(アートギャラリーエムハッシー)で2022年10月に開かれた「アートの競演2022秋思」でM84賞を受賞した北尾辰也さんの作品「Bard’s Eye(バーズ・アイ)」((C)Tatsuya Kitao/M84)。ドローンを用い俯瞰アングルによる自然の造形をテーマに制作された作品で、自然の造形に人工物の造形を加え対比させている。自然の造形はミクロ的には常に変化しているが、マクロ的には変化がないように見える上に、継続的。人工物の造形はシンプルで力強いが、 やがて崩れていく。

Art Gallery M84(アートギャラリーエムハッシー)のオーナー、橋本正則さんが年に2回ほど開いているプロアマを問わず、持ち込んできた作品を順番に展示する一般公募展で、今回から開設10周年を記念して、大判作品でのチャレンジもめざし、タイトルから「飾りたい」という文言を削除して、新たな写真展「アートの競演」にした。通算18回目となる。

今回も「これはなんだと考えさせるなんとも不思議な作品、今まで見たことのない美しい作品、ずっと眺めていても飽きない作品、見ているだけで癒される作品」など、8人の写真家が販売することを前提とした作品約16点を展示する。

前回、来場客から指摘されたのが、「アート作品なのに、いまだにピントが合っているかどうかなどが問われ、制約が多い日本。巷の写真展ではリアルな写真ばかりの中でアートな作品が浮いてしまう。この展示の様にアートの写真をもっと解って欲しい。もっと自由に好きなものを撮りたい」ということだった。

橋本正則さんによると、「1800年代末期のヨーロッパで、写真はその記録性のみが注目され、芸術作品としての認識や評価はなされてなかった」という。そんな中で写真を芸術と認知させるべく、絵画的な写真をめざす動きが広がり、そのピクトリアリズム(Pictorealism、19世紀半ばのロンドンから始まった、写真の芸術性の確立をめぐる動き)活動と長期にわたるフランス写真協会への働きかけの結果、1924年にフランス写真協会は「フォト・クラブ・ド・パリ(Le Photoclub de Paris Val-de-Bievre(PPVB))」と協力して 「写真芸術展」を開いている。

橋本正則さんは「アートの競演」は、日本の現写真分野において芸術作品の位置付けがどの様になっているのだろうかと考えるきっかけになればという思いで毎年開いており、「写真の価値を高めたい」としている。

また、今回も展示作品の中からM84賞、Customer(カスタマー)賞、フレームマン賞を設定し、最終日に受賞者を決める。受賞者は個展あるいは2人展を開くことができる。

今回、出品するのは宇津井志穂さん、谷明さん、豊吉雅昭さん、北尾辰也さん、三輪浩光(ひろみつ)さん、冨田陽子さん、野田光治さん、YU-KI(ユウキ)さん。

17日18時から作品説明会を開く。

29日16時から賞状授与式を開く。

今回も、会場で作品を購入しなくても、入場者に推奨する作品についてメッセージを投稿してもらい、27日時点の投稿数でCustomer(カスタマー)賞を決める。

開場時間は10時30分から18時30分(最終日は16時)。入場料は500円。日曜日も開く。