【銀座新聞ニュース=2026年3月23日】ギャルリー志門(中央区銀座6-13-7、新保ビル、03-3541-2511)は3月23日から28日まで「田口安男先生へのオマージュ『LUCE』」を開く。
元東京藝術大学教授で、いわき市立美術館(福島県いわき市平堂根町4-4、0246-25-1111)の館長を務めた田口安男(1930-2024)へのオマージュ展で、田口安男はイタリア留学でイタリアの「黄金背景テンペラ画」を学び、その第一人者として知られた。
今回は今もテンペラ画で作品を描いている作家9人が田口安男へのオマージュともなるテンペラ画などを出品する。
今回、出品するのは九州産業大学元学長で、現在、同大学名誉教授の宇田川亘人(のりと)さん(1944年生まれ)、九州産業大学芸術学部助手、東亜大学芸術学部非常勤講師の加藤恵(めぐみ)さん、テンペラ画家の紙野永子さん、テンペラ画家の高橋秀行さん、岩手大学名誉教授の種倉紀昭さん(1944年生まれ)。
テンペラ画家の西村和明さん、元九州産業大学芸術学部美術学科教授で、テンペラ画家の光行(みつゆき)洋子さん(1947年生まれ)、テンペラ画家の渡邊彩子さん、跡見学園女子大学准教授のレオナルド・キイ(紀井利臣=きい・としおみ)さん(1951年生まれ)。
AIによると、テンペラ画は、卵黄などの乳化作用を持つ物質を固着剤として顔料を混ぜて描く、ルネサンス期(15世紀から16世紀にわたるヨーロッパにおける文化運動)以前の西洋で主流だった古典技法卵の乳化作用を利用して顔料を定着させる古典技法で、乾燥が早く、鮮明な色彩と細密な表現が特徴とされている。
ウイキペディアによると、「黄金背景」は中世ヨーロッパの絵画技術で、黄金に輝く背景を持つ一連の作品群があり、絵画部分は卵黄テンペラで描かれている。いわゆるイコンと呼ばれる聖人画の背景には神の神聖な空間あるいはオーラとして、多くの場合、黄金背景が使用されていた。
起源は明確ではないが、ゴシック期の画家、チマブーエ(Cimabue、1240年頃-1302年頃)がギリシャからイタリアに輸入した卵黄テンペラ技法とほぼ同時であるとすると、12世紀にはすでに技法的にも完成していたと思われる。
15世紀中頃からは当時のフランドル地方からもたらされた油彩画技法(正確にはテンペラと油彩を重層的に併用する混合技法)によって可能になったリアルな表現におされ、急速に制作量が減っていく。
多くはキリスト教のカトリック教会内の薄暗い礼拝堂に掲げられ、わずかな光でもまばゆく輝く黄金背景は神の慈悲にも似て人々の信仰をあつめたが、当時すでにルネサンスの人文主義が要求していた自然で人間的な表現の前には重要視されなくなった。
田口安男は日本にこの黄金背景の処方を詳細で具体的な図版とともに紹介した初めての画家、としている。1978年に田口安男著「黄金背景テンペラ画の技法-油絵の母胎 現代の手によみがえるルネッサンスの板絵」(美術出版社)が刊行されている。
田口安男は1930年福島県いわき市生まれ、東京藝術大学美術学部油画科を卒業、1964年に安井賞を受賞、イタリアに留学し、国立ローマ中央修復研究所で黄金背景テンペラ画を学び、1981年から1998年まで東京藝術大学教授、1998年にいわき市立美術館長、2010年に名誉館長、2024年に亡くなった。
開場時間は11時から19時(最終日は17時)、入場は無料。
