【銀座新聞ニュース=2016年12月20日】スイスのチョコレート・菓子メーカーのリンツ&シュプルングリー(Lindt&Spruengli AG)の日本法人、リンツ&シュプルングリージャパン(中央区銀座7-6-12)は12月26日から「リンツ ショコラ カフェ銀座店」(中央区銀座7-6-12、03-5537-3777)などで「ガレット・デ・ロワ」の予約を受け付ける。
リンツは2012年から「ガレット・デ・ロワ」を販売しており、2017年の「ガレット・デ・ロワ」はバターをふんだんに使い、チョコが混ぜ込まれた折り込みパイ生地の中には、エクアドル産カカオ分70%のダークチョコを使ったガナッシュと、香りの高いピスタチオクリームの2層からなるフィリングが詰まっている。さらに、甘酸っぱいフランボワーズが味のアクセントに加わった「ガレット・デ・ロワ ショコラ ピスターシュ フランボワーズ」になっている。ガレットの中に、幸運のフェーヴとしてローストマカダミアナッツがひとつ含まれている。
1月3日から15日まで店内でもガレット・デ・ロワを販売する。食べる場合は、自ら1ピースを選べ、ローストマカダミアナッツが入っていた場合は、王冠とソフトクリーム ショコラのオリジナルフェーヴをもらえる。
ウイキペディアによると、「ガレット・デ・ロワ(galette des rois)」とはフランスで「公現祭」(キリスト教では1月6日)の日に食べられる菓子で、一般的なものは紙の王冠がのった折りパイにフランジパーヌ(アーモンドクリーム)が入ったパイ菓子をいう。中にはフェーヴ(feve、ソラマメ)と呼ばれる陶製の小さな人形がひとつ入っている。
公現節に家族で切り分けて食べ、フェーヴが当たった人は王冠を被り、祝福を受け、幸運が1年間継続するといわれる。名称の「ロワ」(王たち)とはフランス語で「ロワ・マージュ」(rois mages)と呼ばれる東方の3博士を指している。
伝統的には、家族が集まった中で一番小さい子どもをテーブルの近くに呼び、目隠しをして大人の誰かが切り分け、この子どもに誰に配るかを指名させる。フェーヴが当たった者は次の週末の会食の際にガレット・デ・ロワを自作するか購入して皆に供した。
この際、前回王冠を手にした者は、男性であった場合は女王を、女性であった場合は王を家族の中から選ぶ。子どもを喜ばせるため、しばしばこの女王か王は子どもが選ばれる。この行事はだいたい1月一杯の間行われる。元々フェーヴは本物のソラマメだったが、1870年に陶製の人形が使われるようになり、現在ではプラスチック製のフェーヴもある。
ガレット・デ・ロワは1月1日の14時に売り出されるのが慣習になっており、フランス人はこれを食べないと1年が始まらないとされている。
ガレット・デ・ロワの起源は、古代ローマのサートゥルヌス(ローマ神話の農耕神)の祭典サートゥルナーリア(農神祭、12月17日から23日まで開催される)にさかのぼる。サートゥルナーリアの饗宴では豆をひとつ入れたケーキが供され、豆が当たった出席者を宴の王とする習慣があった。
リンツ&シュプルングリーは菓子職人のダーフィート・シュプルングリー(David Sprungli-Schwarz)がスイス・チューリッヒの小さなパティスリーのパティシエを経て、1836年にその店のオーナーとなり、1845年に自家製チョコの製造をはじめ、息子のルドルフ(Rudolf Sprungli-Ammann)とチューリッヒのオールドタウン、マルクトグラッセに小さな菓子店を開いたのがはじまりとされている。当時人気だったイタリアのレシピを使って、チョコを作り、2年後に工場を設置した。
一方、チョコ職人として知られていたロドルフ・リンツ(Rodolphe Lindt)は1879年に「コンチングマシン」という精練装置を発明し、口どけなめらかなチョコを生み出し、「チョコならスイス」という名声を確立した。1892年にルドルフ・シュプルングリーが第一線を退き、事業を2人の息子に委ね、弟のダーフィート・ロベルト(David Robert)が2つの菓子店を引き継ぎ、兄のヨハン(Johann Rudolf)はチョコ工場を継承した。
1899年にリンツとシュプルングリーが合併し、20世紀初頭はスイスチョコ産業の開花期であり、輸出においてもめざましい発展をとげ、「リンツ&シュプルングリー社」は1915年には生産量の75パーセントを世界20カ国に輸出していた。しかし、1920年から1945年には世界的な保護貿易政策のあおりと不況の波を受け、赤字に陥り、第2次世界大戦では砂糖とカカオの厳しい輸入規制により、売り上げが低迷した。
1947年にイタリア、1950年にドイツ、1954年にフランスとライセンス契約を結び、1972年に独自に開発した製法を使った製品を生み出し、品質を維持しながら効率をあげることに成功し、1994年にキルシュバーグに親会社「チョコレートファブリケン・リンツ&シュプルングリー」を設立、現在、工場がスイス、ドイツ、フランス、イタリア、アメリカ、オーストリアにあり、世界100カ国で販売している。
価格はガレット・デ・ロワがホール(16センチ)で3780円(税込)、1ピース810円。
銀座店の営業時間は平日が11時から21時、土・日曜日、祝日が11時から20時。