豊川市JAが金融部門で採用イベント、3年後起業支援

【銀座新聞ニュース=2016年12月14日】ひまわり農業協同組合(JAひまわり、愛知県豊川市諏訪1-1)は12月18日に「日本橋カフェスト」(中央区日本橋人形町1-5-10、日庄第2ビル)で、学生などを対象とした「脱ゆとり宣言!『偽り就職』を考える会」を開く。

JAひまわりで3年間、金融担当の正職員として勤務し、金融渉外、融資、経営指導を経験し、金の流れや経営を学び、3年後に起業をめざす学生を採用するイベントだ。創業準備については、JAひまわりが事業計画や資金面で手伝う。

JAひまわりでは「『偽り就職』-やめるつもりで就職」としており、従来から地方の金融機関となると、「地元から」と「安定志向」の学生が集まりがちだが、今回は「地域外の」で「挑戦的な」人材を募集するのが狙い。

「地域おこし協力隊」を参考にして「地域おこし協力隊パクっちゃいました採用(仮)」と題して、「地域おこし協力隊」と同様に3年間で地域とお金のことを学び、定住・独立したい人を募る。

採用試験を経て2017年10月に内定(新卒正規採用扱い)、2018年4月に入社、1年目金融渉外、2年目融資担当、3年目その他の事業担当(新事業計画相談期間)で、新規事業を開始するか、継続雇用するかを選択する。

ただし、JAひまわりでは「こんな採用を考えていますが、自信がありません。だから今、就職・転職を考えている東京のみなさまから意見を聞きたい」としている。

今回は、各地域おこし協力隊(OG含む)に所属し、起業化した鶴岡舞子(つるおか・まいこ)さん、大岡千紘(おおおか・ちひろ)さん、奥田純子(おくだ・じゅんこ)さんがゲスト出演してパネルディスカッションし、コーディネーターは愛知県豊橋市在住で内閣府地域活性化伝道師の長坂尚登(ながさか・なおと)さんが務める。

最初に協力隊の自己紹介があり、「地域おこし協力隊どう?」というテーマでパネルディスカッション、続いてJAひまわりの担当者から「地域おこし協力隊パクっちゃいました採用(仮)」についての説明があり、「地域おこし協力隊パクっちゃいました採用(仮)」どう?というテーマでパネルディスカッションする。途中から会場からの質問、意見も可能。

地域おこし協力隊は2009年に総務省によって制度化され、2015年度には全国673の自治体で2625人の隊員が活躍している。地方自治体が募集を行い、地域おこしや地域の暮らしなどに興味のある都市部の住民を受け入れて地域おこし協力隊員として委嘱する。

隊員には地域ブランド化や地場産品の開発・販売・プロモーション、都市住民の移住・交流の支援、農林水産業への従事、住民生活の維持のための支援などの「地域協力活動」に従事してもらい、あわせて隊員の定住・定着を図る。一連の活動を通じて、地域力の維持・強化を図っていくことを目的としている。隊員は応募時の住所から、採用先の自治体に住民票を移動し、地域おこし協力隊として活動する。

総務省が隊員1人につき報償費などとして年間200万円から250万円、活動費として年間150万円から200万円を上限に地方自治体に対して特別交付税措置する。2014年度からは隊員最終年次か任期後1年の間、隊員の起業に要する経費について、地方自治体が支援を行った場合、100万円を上限に国の支援が上乗せされた。隊員の期間は1年以上最長3年までとし、3年を超えても活動の継続は可能としている。

総務省によれば、隊員の4割が女性、8割が20代と30代で、任期終了後については、5割が任地の自治体に、1割が任地の近隣自治体に定住しているほか、任地の自治体に定住した隊員のうち5割が就業、2割が就農または起業している。

「JAひまわり」は1990年4月1日に豊川市、一宮町、御津町、音羽町、小坂井町の農業協同組合が合併し、「ひまわり農協」として発足した。組合員数は3万3851人(正8013人、准2万5838人)で、出資金が14億1560万円、職員数が516人(常勤嘱託と出向者含む)、2016年3月末(2015年度)の取扱高は貯金残高が2814億円、貸出金残高が572億円、長期共済保有高が7417億円、購買品供給高が55億円、販売品販売取扱高が123億円としている。

鶴岡舞子さんは東京都生まれ、大学卒業後に甲州市に移住し、山梨県・甲州市地域おこし協力隊(OG)に所属し、2014年に「摘み草のお店 つちころび」を立ち上げ、野草の加工品の販売や、実践的に野草を扱うための「摘み草実践スクール」を展開し、任期終了後も甲州市に定住している。

大岡千紘さんは和歌山県和歌山市生まれ、大学卒業後に愛知県・東栄町地域おこし協力隊(OG)に所属し、協力隊3年目に地元企業や外部と連携し、美をテーマにしたビューティーツーリズム「naori なおり」を立ち上げ、任期終了後も東栄町に定住している。2016年度より内閣府地域活性化伝道師を務めている。

奥田純子さんは埼玉県生まれ、大学院修了後、4カ月間北海道・礼文島で昆布やウニを販売し、その後、長野県・白馬村地域おこし協力隊に所属し、「高校魅力化プロジェクト」の一環として、現在、「白馬高校公営塾しろうま学舎」塾長を務めている。。

長坂尚登さんは愛知県豊橋市生まれ、大学を卒業後、2012年に豊橋市にUターンし、商店街マネージャーとして3年間勤務し、その後、豊橋市の街づくりに関わっている。

時間は16時から18時30分で、参加は無料。問い合わせ、申し込みはJAひまわり採用担当(0533-85-3171)、もしくはメールアドレス(nobumasa.makino@ja-himawari.or.jp)まで。終了後、懇親会があり、参加費は1000円。