ヴァニラ、副島大彦、ハルカ、飯野モモコら5人の「異相」展

【銀座新聞ニュース=2019年10月25日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は10月29日から11月3日まで造形などの5人の作家による「シレーノスの部屋」を開く。

ヴァニラ画廊で10月29日から11月3日まで開かれる5人の作家による「シレーノスの部屋」のフライヤー。

ヴァニラ画廊では「その部屋では、現実には起こりえない事象が普通となる。物語のなかで広がる幻想の世界、それは人々を古(いにしえ)の時代より魅力し続けてきた。頭のなかで想像した世界、物語のなかに感じた世界、それがこの部屋では目の前に顕れる」とし、「人の想像力により産まれた驚異を、この現実に喚(よ)ぶために集まった」5人の作家、宝飾、立体造形、イラスト、さまざまな手法を使い産み出された、形があり、手にとれる異相の展示会を開く。

ヴァニラ画廊では2017年8月、2018年9月に続く、5人の作家による3回目のグループ展だが、出品者の一部は前回と異なる。

今回は「クリスタル・ムーン(Clystal Moon)」(杉並区阿佐ヶ谷南2-40-1、阿佐ヶ谷アニメストリート)を主宰する副島大彦(そえじま・ひろひこ)さん、マイル・パクストン(Mile Paxton)さん、「コクーン(CoCoon)」を主宰するハルカさん、「モモコ・イイノ(Momoko Iino)」を主宰する飯野モモコ(いいの・ももこ)さん、「パヴィリオン(PAViLiON)」を主宰するししこさんの5人が出品する。

副島大彦さんは貴金属と宝石を使用した本物の宝飾武具、オリジナル研磨をした宝石を使用したオンリーワンジュエリーを制作しており、子どもの頃に絵本で知り、大人になりゲームやアニメで憧れた幻想世界のアイテムが現実世界に現れる、としている。

副島大彦さんは日本ジュエリーアカデミーで彫金、ロストワックス、宝石研磨を学び、その後、同校で宝石研磨の講師として研磨を指導している。

マイルパクストンさんはフェイクファー(毛皮風の布)素材を使い、骨格や筋肉を模したコアを内蔵したアニマルドールを制作している。作品の仕上がりは1体ずつ違い、皆いきいきと可動する身体と魅力的な瞳を持っている。「好奇心旺盛な表情は、いつも密かに人に語りかけるチャンスを窺っているように見える」としている。

ハルカさんは「かつて世界中を旅した動物学者のコレクション」をテーマに、架空の動物をモチーフにしたアニマルドールを制作し、フェイクファーなどの素材を用い、自在にポージング出来るよう丈夫な骨格を組み込んでいる。

飯野モモコさんは自作のオルゴナイト(金属や水晶などの鉱物を樹脂で固めたもの)を瞳に使用し、フェイクファーやビーズをまとったアートドール(縫いぐるみ)「ORGONE CREATURES-オルゴンクリーチャー」を2016年より制作している。

水晶や金属などを樹脂で包み込んだオルゴナイトはポジティブエネルギーを発生する装置と伝えられ、その瞳の中には輝く宇宙の様な世界が広がっており、奇妙だけれど愛嬌のある姿で一緒にいてゆるりと癒してくれるオルゴンクリーチャーを展示する。

開場時間は12時から19時(土・日曜日・祝日17時)で、入場は無料。マイル・パクストンと「コクーン」の作品については、入札制のオークションになる。