「宣言」3日目、コリドー街は休業ばかり、有楽町側は工事と営業店も

【銀座新聞ニュース=2020年4月10日】「緊急事態宣言」が出されて3日目となる4月10日、昼過ぎに銀座コリドー街を歩いてみた。数寄屋橋から歩くと、まずは東急プラザ銀座があり、1階のもっとも目立つところに「バリー」が店を構えているが、その前を歩いた時に、ガラス張りから見える店内には人がいて、商品を買っているように見えたので、入り口のところに戻ると、休業の紙が貼られていた。

歩く人がひじょうに少ないコリドー街。通り過ぎる車の数も少ない。

店員が休みの中で出てきているのか、特別な客だけを招いて、販売しているのか、わかりかねたが、休業のはずの店内のガラスの向こうに人の動きがあるところが面白い。東急プラザ銀座は入り口が晴海通りに面していないのでわかりにくいのだが、少し奥に行くと、入り口があり、やはり閉ざされていた。

そのままコリドー街に向かうと、泰明小学校が目に入るが、中央区は区内の小中学校の5月6日までの休校を決めたので、人はいない。

コリドー街の近くにある営業中の「オーバカナル銀座」。ただ、客はそれほど多くなかった。

その小学校の前にある「オーバカナル銀座」は営業しているが、普段に比べると、来店客は少ないので、席が空いているのが目立つ。しかも、当分、18時までの営業と、夜は店を閉めている。

そのまま、有楽町方面に向かうと、ガード下には右側にある「すしざんまい」には、ケンタッキー・フライド・チキンの創業者のカーネル像を真似てか、創業者の木村清(きむら・きよし)さんの像を入り口に立てているのが目立ち、営業していることがわかるが、この日は客が少なかった。その横にあるのが2019年12月にリニューアルオープンした11店舗が軒を並べる「有楽町産直横丁」だが、やはり、昼食時の客も少なく、24時間飲めるのが売りの横丁だったが、今は営業時間を短縮している。

ガード下の「すしざんまい」も営業中だが、やはり客が少ない。入り口前の創業者の像だけが目立っていた。

そこから少し戻ってコリドー街に入ると、やはり、通りには人がほとんど歩いていない。少し歩くと、営業している店が少なく、カフェバーの「プロント」ぐらいが目立っていた。この数年、コリドー街の人気店といえば、寿司の「美登利総本店」があり、昼も夜も、客が並ぶ姿が目立っていた。しかし、すでに臨時休業していた。

中には、寿司「日本」では電子掲示板を使って、通常はメニューを紹介しているのが、今は臨時休業のお知らせを映し出していた。

コリドー街の人気店「美登利総本店」も休業しているため、あたりはひっそりとしている。

「ニッタビル」の1階の店の案内板に、店側がそれぞれに臨時休業を知らせる紙が貼られていた。

ほかにも、営業している店は少なく、飲食店ばかりが入った「ニッタビル」の店の案内板には、個々の店側がそれぞれに臨時休業を知らせる紙を貼っていた。

そこから、線路下を歩いて、有楽町側に抜けて、有楽町駅に戻る方向に歩いていると、線路下は工事のさなかだった。JR東日本がJR東海と協力して取り組んでいる「日比谷オクロジ(OKUROJI)」プロジェクトで、有楽町から新橋に向かって「内山下町橋高架」下300メートルに飲食を中心に56店舗が店を構える「横町」として生まれ変わる計画で、新型コロナウイルスの感染の危機がある中で、工事は淡々と行われていた。ほとんどすべての工事が線路下で行われているため、工事用の重機が見えないせいかもしれない。

そこを歩いて帝国ホテルの方に向かうと、ホテルの中はフロント側と宴会用の入り口しか利用できず、宝塚劇場前の入り口は閉ざされていた。宴会用から入ると、エスカレーターで上がれるのは2階までで、それ以上はエスカレーターが止まっていた。国の自粛要請の中に大人数での宴会が含まれているので、事実上、禁止されており、自ずと宴会の予約も入っていないので、3階以上の大会場は閉鎖されているわけだ。

「緊急事態宣言」が出されても、まったく関係なく淡々と工事が進められている「日比谷オクロジ(OKUROJI)」。7月から8月のオープンを目指しているため、「工事の自粛」もできないので大変だ。

コリドー街の近くにある営業中の「オーバカナル銀座」。ただ、客はそれほど多くなかった。

ホテルから日比谷方向に向かうと、劇場や日比谷シャンテが出てくるが、いずれも休業中なので、その前の東京ミッドタウン日比谷に目を向けると入り口が閉ざされている。再び、線路側に戻ると、有楽町駅から新橋に向かう小さな通りは、ほとんど飲食店で、かなりの店が営業しているのは、線路の逆にあるコリドー街の風景とは対照的だった。最近、閉店が相次ぐ「いきなり!ステーキ有楽町店」も営業しており、店員が女性客2人と会話を交わしており、2人はドアの中に入った。店員の説明がよかったのだろう。

そのまま近くの線路下を抜けて、数寄屋橋側に出ると、まだ昼間の時間帯からか、営業している店は少なかった。しかし、新型コロナへの注意喚起の貼り紙はあったが、休業の貼り出しは11日以降の週末についての内容だった。東急プラザの前を歩いて、数寄屋橋交差点を見ると、晴海通りは車が多いが、外堀通りは車の移動が少なかった。交差点をわたると、銀座ソニーパークがあり、地下へ向かう階段入り口は閉ざされていた。

東急プラザ銀座の1階にある「バリー」。休業中でも中に人がいると、ガラスなので、人の動きがすべてわかってしまう。

10日午後に、都知事の小池百合子(こいけ・ゆりこ)さんは休止を要請する商業施設として「生活必需物資の小売関係等以外の店舗、生活必需サービス以外のサービス業を営む店舗」とし、基本的に百貨店などの小売業を休業要請施設の対象から外した。これをどう判断するかは、小売店側次第で、11日以降、営業を再開することが可能にも見える。

松屋銀座は4月8日から「当面の期間」としているが、多くの店はこの方式を踏襲し、自主休業時期を明確にしていないところが多い。銀座とその周辺ではほとんどの店が11日、12日の休業を決めているが、週明けの12日以降、どうするのか、明確にしていない店も多い(「宣言」は緊急事態宣言が出された後の銀座と周辺の風景を随時、掲載します。また宣言は7日深夜に発令されましたが、実際に影響を及ぼしたのは8日朝からなので、8日を「初日」としています)。

コリドー街の寿司の「日本」は電子掲示板を使って休業を知らせている。