【銀座新聞ニュース=2021年3月20日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「糖質に罪悪感も恐れも不要!ギルトフリーに食べる方法」を発表した。
糖質制限ダイエットの人気によって、カロリーと同様、もしくはカロリー以上に糖質量を意識している人も少なくないはず。中には、糖質のせいで太るのではないかと必要以上に恐れたり、糖質を摂取することに罪悪感を持ったりと、意識過剰になっている場合すらある。
だが、糖質だって体に必要な栄養素で、極端に糖質摂取量を減らすダイエット法を、体型を維持するためというだけで一生続けられるだろうか。もし、やめて元の食生活に戻ればリバウンドするし、続けたとしても健康面での安全性はいまだよく分かっていないので、リスクがあるといわれている。
きちんと糖質を食べながらも、ダイエットを成功させることは可能なので、今回は太らず、恐れずに糖質を摂取する方法を伝授しよう。
●糖質はなぜ太るのか
糖質というと、砂糖や砂糖が使われた甘い食べ物や甘い果物などの印象があるかもしれないが、日本人が摂取している糖質の7割ほどは、主食である穀類からとされている。
米や小麦などの穀類には炭水化物が多く含まれている。よく混同されるが、糖質と炭水化物はイコールではなく、炭水化物は「糖質+食物繊維」で構成されていて、体内に入るとそれぞれに分解される。
糖質がブドウ糖に分解され、血液中に送り込まれると血糖値が上がり、すい臓からインスリンが分泌される。糖をエネルギーとして筋肉や臓器、脳などの細胞に送る一方で、使われなかった糖はイザという時に利用できるように「グリコーゲン」として筋肉や肝臓に貯蔵される。
しかし、グリコーゲンとして貯蔵できる量には上限があり、それをオーバーすると脂肪細胞体に溜め込む。これが、体に脂肪がつく理由の一つとなる。
血糖値の上がり方が急であればあるほどインスリンが多量に分泌され、「糖が余っている=脂肪に変換して溜め込まなければ」と体が判断してしまう。
糖の余剰分が出ないように、運動などでエネルギーを消費すればよいのではと思うかもしれないが、ここで注目したいのが、インスリンのもう一つの働きだ。
運動をすると脂肪の分解を助けるホルモンが分泌されるが、インスリンがたくさん分泌された状態にあると、このホルモンの働きを阻害してしまう。つまり、インスリンは、脂肪を蓄えつつしかも使われるのを防いでいるということになる。
●血糖値をコントロールすれば糖質は怖くない!
ご飯1膳の糖質量を角砂糖〇個分という表現をよく見かけるが、糖の種類が異なるので、並列で語ったところで単純に比較できるものではない。糖質とひとくくりに言っても、その質はさまざまだからだ。
糖質なら何もかもNGというのではなく、避けるべき糖質と食べても太りにくい糖質がある。選び方や食べ方を知っていれば、血糖値の急上昇を防ぐことが可能になり、糖質を摂取することのガマンも、恐れもなく食べられるようになる。
1)主食の穀類は白より茶色のものを選ぶ
白い穀類は精白されたもの、茶色いものは全粒穀物と捉えられる。全粒穀物とは、精白などの処理で糠となる果皮、種皮、胚、胚乳表層部といった部位を除去していない穀物のこと。米なら白米ではなく玄米、パンなら白いパンではなく全粒粉の小麦粉やライ麦が使われた茶色のパン、うどんよりそばを選びたい。そばは種皮の付いた実ごと粉に挽かれるので全粒穀物と呼べる。
同じ食品であるにも関わらず、なぜ茶色いものを選ぶべきかというと、血糖値の上がる速度であるGI値が異なるというのが大きな理由だ。GI値とは、食べ物が体内に入り血糖値を上昇させるスピードを数値化したもの。
同じ量の糖質が含まれていたとしても、食べ物の種類により血糖値が上がるスピードは異なり、GI値が高いほど血糖値上昇スピードが早い=太りやすい、低いほど血糖値上昇が穏やか=太りにくいとなる。参考までに砂糖(上白糖)のGI値はというと109だ。
白い穀類と茶色の穀類のGIを比較してみよう(カッコ内がGI値)。
〇白米(88)、玄米(55)、雑穀米(55)
〇食パン(95)、フランスパン(93)、全粒粉パン(50)、ライ麦パン(55)
〇うどん(85)、パスタ(65)、そば(54)
2)ベジファースト
血糖値を急上昇させずインスリンの量を抑えるには、食事の最初にまず野菜、豆類、きのこ類、海藻類を食べることが有効とされている。これらの食品には食物繊維が多く含まれ、血糖値の上昇を緩やかにし、インスリンの分泌量を減らすことができる。
しかもそれだけでなく、脂質の吸収を抑える働きや、ある程度の満腹感を得ることができるので、食べ過ぎを防ぐことにも繋がるし、もちろんお通じにもとてもいい。調理法は何でも構わない。サラダでも具だくさんのスープでも、煮物、和え物、何でもOKだ。
注意すべきは糖質の多い野菜だ。じゃがいも、にんじん、ごぼう、れんこん、かぼちゃなどは食物繊維も多いが、糖質も高く血糖値が上がりやすい。これらの野菜は食事の後半、箸休め程度に食べるようにしたい。
食物繊維を多く含む食品は、最初に4、5口も食べれば十分だ。それより多く食べても支障はないが、他の料理も冷めないうちに箸をつけたい。
3)糖質のボリュームは朝・昼に持ってくる
人間の体には体内時計(概日リズム)があり、同じものを食べるにしても日中に食べるのと夜に食べるのとでは太り方が異なる。食べる時間が夜遅いほど太りやすくなる。ラーメンやパスタ、カレーなど米や麺がメインとなるメニューを食べるなら、夕食ではなく昼食に持ってくるようにしたい。
スイーツも同様に、もし、食べるのであれば朝から16時頃までに食べるようにしたい。
夜の主食やスイーツは控えめに。
4)冷ました炭水化物は太りにくい
米や小麦などの穀類やいも類などに含まれる炭水化物はデンプンだ。デンプンはブドウ糖がいくつも連なった多糖類と呼ばれ、体内に入るとブドウ糖単体に分解され、小腸で吸収され、血糖となりエネルギーとして利用される。
しかし、デンプンの中には消化・吸収されず大腸にまで届き、食物繊維と同じような働きをするものがあり、「レジスタントスターチ」という。
レジスタントスターチは不溶性、水溶性の両食物繊維と同様の働きをすると考えられおり、第3の食物繊維と呼ばれ、今注目されている栄養素だ。
レジスタントスターチは、穀類、豆類、いも類などデンプンを多く含む食品に含まれている。また、同一の食品であっても、レジスタントスターチの含有量は加熱すると減り、冷ますことで増えるという特性を持つものもある。
この特性を生かして、例えばお米なら温かいご飯よりも寿司や冷めたおにぎり、じゃがいもならポテトサラダにするなど温度を下げる料理にすることで、レジスタントスターチを増やすことが可能になる。同じ量の糖質を食べるなら、冷ますことで太りにくくなる。
5)食後の運動が明暗を分ける
食べたものを体脂肪にしないためには、血糖値を急上昇させないこと。そして、もう一つ重要なのが、上がった食後血糖値を下げることだ。食後血糖値は自分で下げることができるので、そのために有効なのは運動だ。
食後30分から1時間ほど経つと、食べた糖質が消化吸収され血糖値が上昇していく。その時間に合わせて体を動かすことで全身に血液が行き渡り、消化吸収の速度を遅くすることや血糖をエネルギーとして消費することができ、血糖値を下げることができる。
最新の研究では、食後なるべく早め(15分後程度)に体を動かすことで、血糖値の上昇を抑える効果が高くなるとされている。食べた直後に激しい運動や入浴をすると、消化不良を起こしてしまうこともあるので、食後即座はNGだ。ただし、遅くても食後1時間以内には体を動かすといい。
体を動かすといっても本格的な運動ではなく、家事、ウォーキング、階段の昇り降り、ストレッチなどの軽い運動で構わない。運動を行う時間の目安は20分で、「食べたら動く」ということを習慣化したい。
食べる順番や食後の運動で血糖値コントロールをし、糖質のボリュームを朝・昼にすれば、罪悪感も恐れもなく食べることが可能になる。1)から5)までのすべてを実践できればベストだが、まずは5)の食後の運動で血糖値を下げることからトライしてみよう。