講談協会が日本橋亭で元旦から5日連続で初席、貞水、織音ら

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【銀座新聞ニュース=2012年12月29日】講談協会(事務局・03-6313-7438)は2013年1月1日から1月5日まで「お江戸日本橋亭」(中央区日本橋本町3-1-6、日本橋永谷ビル、03-3245-1278)で1月1日から1月5日まで「講談協会初席」を開催する。

講談協会が1月1日から5日まで「お江戸日本橋亭」で開催する「初席」に出演する一龍斎貞水さん。

講談協会が、永谷商事が主催している1月1日から3日にかけて行う演芸会に続いて、午後から開く初席で、会員の講談師が総出で出演する。

1月1日は前座の宝井梅湯(たからい・うめゆ)さん、二ツ目の一龍斎貞鏡(いちりゅうさい・ていきょう)さん、二ツ目の田辺一乃(たなべ・かずの)さん、二ツ目の神田(かんだ)あおいさん、真打の神田翠月(かんだ・すいげつ)さん、真打の一龍斎春水(いちりゅうさい・はるみ)さん、真打の田辺鶴瑛(たなべ・かくえい)さん、真打で講談協会常任理事の宝井琴梅(たからい・きんばい)さんが出演する。

1月2日は前座の神田(かんだ)こなぎさん、二ツ目の田辺銀冶(たなべ・ぎんや)さん、二ツ目の一龍斎貞橘(いちりゅうさい・ていきつ)さん、真打の一龍斎貞友(いちりゅうさい・ていゆう)さん、宝井琴梅さん、真打の宝井琴嶺(たからい・きんれい)さん、一龍斎貞山(いちりゅうさい・ていざん)さん、真打で講談協会会長、重要無形文化財保持者(人間国宝)の一龍斎貞水(いちりゅうさい・ていすい)さんが出演する。

講談協会が1月1日から5日まで「お江戸日本橋亭」で開催する「初席」に出演する神田翠月さん。

1月3日は前座の一龍斎貞海(いちりゅうさい・ていかい)さん、二ツ目の宝井琴柑(たからい・きんかん)さん、二ツ目の宝井駿之介(たからい・しゅんのすけ)さん、真打の宝井琴調(たからい・きんちょう)さん、真打の田辺一邑(たなべ・いちゆう)さん、真打の神田織音(かんだ・おりね)さん、真打の宝井梅福(たからい・うめふく)さん、一龍斎貞水さんが出演する。

1月4日は前座の宝井梅湯(たからい・うめゆ)さん、二ツ目の神田すずさん、二ツ目の一龍斎貞弥(いちりゅうさい・ていや)さん、二ツ目の神田春陽(かんだ・しゅんよう)さん、二ツ目の宝井一凜(たからい・いちりん)さん、真打の宝井琴桜(たからい・きんおう)さん、真打の神田(かんだ)すみれさん、真打で、講談協会理事兼事務局長の宝井琴星(たからい・きんせい)さん、真打の一龍斎貞花(いちりゅうさい・ていか)さんが出演する。

1月5日は前座の神田(かんだ)こなぎさん、二ツ目の神田山緑(かんだ・さんりょく)さん、二ツ目の一龍斎貞寿(いちりゅうさい・ていじゅ)さん、二ツ目の桃川星之助(ももかわ・ほしのすけ)さん、2012年10月に真打に昇格したばかりの田辺凌鶴(たなべ・りょうかく)さん、真打の一龍斎貞心(いちりゅうさい・ていしん)さん、真打の神田香織(かんだ・かおり)さん、真打の桃川鶴女(ももかわ・つるじょ)さん、一龍斎貞水さんが出演する。

講談は奈良、平安の頃に原型が見られ、その後、江戸時代の大道芸のひとつとして「辻講釈(つじこうしゃく、または町講釈)」が誕生し、太平記などの軍記物を注釈を加えつつ調子を付けて語り、1704年から1710年までの宝永(ほうえい)年間には公許の常設小屋で上演され、「講釈」と呼ばれた。

1818年から1830年の文政(ぶんせい)年間には話芸としてほぼ確立し、いくつかの流派が誕生し、講釈での人気演目が歌舞伎や人形浄瑠璃化されることもあった。明治時代に入って、講釈は「講談」と呼ばれるようになった。

江戸末期から明治時代にかけて、講談は全盛期を迎え、明治末期には立川文庫など講談の内容を載せた「講談本」が人気を呼び、新聞や雑誌に講談が連載されるようになった。しかし、漫才など他の人気大衆芸能の誕生、大衆メディアの発達などに追いつけず、次第に衰微した。

太平洋戦争後はGHQにより、仇討ちや忠孝ものが上演を禁止され、一時は大きな影響を受け、さらに、テレビの普及により、衰退を続けた。現在は講談師の所属団体として「講談協会」と「日本講談協会」があり、落語界と比較して女性の進出がめざましく、講談協会、日本講談協会とも男性より女性の協会員のほうが多い。

落語は会話によって成り立つ芸なのに対し、講談は「話を読む芸」で、独特のしゃべ調子と張り扇で釈台(机)をたたいて展開されるのが特徴だ。

開演時間は13時で、料金は1回2000円。講談協会「ごひいき連」会員は1000円。