【銀座新聞ニュース=2021年1月16日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「ブレイク必至!?次に注目の植物性ミルク『オーツミルク』」を発表した。
植物性ミルク(plant milk)人気が高まっている。日本豆乳協会によると2020年7月から9月の豆乳生産量は、前年同期比3.5%増で、料理用など家庭内の消費量が増えている。植物性のミルクといえば、日本ではこれまで豆乳が定番だったが、近年ではナッツ由来のミルクなどさまざまな種類をスーパーで見かけるようになってきた。多くの種類があり、それぞれどのような特徴や用途があるのかを紹介しよう。
●アレルギーや乳糖不耐症にも対応
植物性ミルクはその名に「ミルク」とは付くものの、牛乳は一切含まれていない。そのため、牛乳が体質に合わない人でも飲むことができる。牛乳に含まれる「乳糖(ラクトース)」が原因で飲むとお腹を壊してしまう「乳糖不耐症」の人が日本人にはとても多いが、植物性ミルクには乳糖が含まれていないので、お腹が弱い人でも問題ない。
動物性脂肪も含まず、悪玉コレステロールゼロである点もヘルシーなポイントといえる。
また、自分の体質や風味など好みに合わせて選ぶことができるのも、植物性ミルクの優れたところだ。1つずつ特徴を紹介する。
〇豆乳
日本人にはおなじみの豆乳は、多くの植物性ミルクがほとんどタンパク質を含んでいない中、豆乳には100グラムあたり3.6グラムが含まれている。そのため、豆乳はダイエット中のプロテイン補給にも適している。
大豆タンパク(ソイプロテイン)は満腹感が持続するという特徴があるため、プロテインドリンクにも使用されることが多いが、大豆イソフラボンやビタミンE、カルシウムなどのビタミンミネラルも含まれている。
〇アーモンドミルク
アーモンドから作られており、100ミリリットルあたり4.5ミリグラム程度のビタミンEが含まれている。成人女性の1日の摂取目標量が6ミリグラムなので、そのほとんどを補うことができる。ビタミンEには強い抗酸化作用もあり、エイジングケア効果が期待されている。
また、アーモンドミルクには脂肪分が多く含まれているが、脂肪といってもいわゆる「体によい油」の部類で、オリーブオイルの主成分でもある「オレイン酸」だ。牛乳の乳脂肪はアレルギーやアトピーを悪化させるともいわれているが、オレイン酸であればその点はクリアすることができる。
〇オーツミルク
ヘルシーフードとして品切れ続出となった「オートミール」の原材料であるオーツ麦(えん麦)から作られている。オーツ麦は麦の一種で、グルテンフリーとなっている。アメリカではすでに大人気で、日本でもアーモンドミルクに続き次に注目の植物性ミルクはオーツミルクといわれている。
水溶性食物繊維のβ(ベータ)グルカンが豊富で、この成分は食後血糖値上昇を抑えるはたらきがあり、肥満予防や悪玉コレステロールを減らす作用、腸内環境を整える効果などがあるとされている。100ミリリットルあたり1.4グラムの食物繊維が含まれている。牛乳に近いクリーミーさがあり、料理に使いやすい。
〇ライスミルク
お米、主に玄米から作られている。牛乳と比較すると、ライスミルクは糖質(炭水化物)が多く含まれ、カルシウムやタンパク質はそれほど含まれていない。玄米由来のライスミルクには、ビタミンB群、E、食物繊維が含まれている。
〇カシューナッツミルク
カシューナッツから作られてる。植物性ミルクの中ではクリーミーな部類で、亜鉛がナッツ類の中でもっとも多く、ビタミンもB群が含まれている。亜鉛は味覚を正常に維持するのに重要な栄養だが、タンパク質の合成にも必要とされ、成長の促進や傷の回復を促す効能もある。
〇キヌアミルク
スーパーフードとして有名になったキヌアから作られている。キヌアは穀物だが、タンパク質が白米の2倍も含まれ、食物繊維、カルシウム、鉄、マグネシウムなどミネラル各種も豊富だ。食品から摂取する必要のある必須アミノ酸9種類すべてを含んでおり、そのバランスも優れている。
〇ヘンプミルク
ヘンプシード(麻の実)から作られている。キヌアと同様にヘンプシードもスーパーフードといわれており、注目の食品だ。ヘンプシードにはタンパク質が多く含まれているほか、鉄、カルシウムも多く、また魚の脂肪で知られるオメガ3脂肪酸(DHA・EPA、αリノレン酸)も含んでいる。
●植物性ミルクの取り入れ方
基本的には牛乳と同様に使うことができる。種類やメーカーによって風味やとろみ加減が異なるが、用途や好みで選べられる。選び方の注意点としては、メーカーにより製造方法が異なるため、栄養素の含有量がまちまちであったり、砂糖など甘味料が添加されていたりすることがある。原材料表示をよく確認してほしい。
料理やスムージーなどに使うのであれば、余計な甘味料が添加されていないものが使いやすく、そのまま飲むのであれば味が調整されたものが飲みやすい。調整されたものはその分カロリーや糖質が高くなっているので、「ヘルシー」のイメージだけでたくさん飲むと、ダイエットの妨げになってしまうこともあるので、その点は注意してほしい。
●環境面でも植物性ミルクに注目
美容や健康効果で植物性ミルクの注目度が高まると同時に、環境面においても優れているという研究がある。
英オックスフォード大学の調査で、牛乳、ライスミルク、豆乳、オーツミルク、アーモンドミルクの生産による環境の負荷を、温室効果ガスの排出、土地の利用、水の利用量で算出し比較している。これらのどの項目においても、牛乳がもっとも多くの資源を必要とし、多くの温室効果ガスを排出していることが明らかになっている。
植物性ミルクの生産に使用される温室効果ガスの排出量は、牛乳の3分の1程度であることが示唆されている。
「サステナブル(持続可能な)」が世界的なテーマとなっている今、今後ますますプラントベース(植物由来)の食品がニューノーマルとして定着していくとみられている。日本でも、こんご、植物性ミルクをはじめ、環境に配慮した食品選びがしやすくなることを期待したい。
さまざまな植物性ミルクがある中からどう選ぶかは、整腸作用ならオーツミルク、ビタミンEならアーモンドミルク、タンパク質の補給なら豆乳といったように、目的により選びたい。もちろん、風味の好みや使い勝手で選ぶも良し、牛乳以外にも選択の幅が広がる。
「ELLE SHOP(エルショップ)」では、「植物性ミルク」について「豆乳」(無糖の場合、237ミリリットルの1カップで、約80キロカロリー、植物性タンパク質8グラム)、「ピーミルク(えんどう豆のミルク)」(1カップあたり約70キロカロリー、植物性タンパク質8グラム)、「ココナッツミルク」(1カップあたり飽和脂肪約4グラム)、「オーツミルク」(1カップあたり約70キロカロリー、植物性タンパク質2から4グラム)。
「アーモンドミルク」(1カップあたり約35から90キロカロリー)、「カシューナッツミルク」(1カップあたり40から50キロカロリー、認知機能や集中力と関係のある、抹茶に含まれる化合物「テアニン」が含まれている)、「ピーナッツミルク」(ほかの代替ミルクに比べて費用対効果がおおむね高く、タンパク質の量も多い)、「亜麻仁ミルク」(1カップあたり70キロカロリーで、免疫をサポートする働きがある「αリノレン酸」が含まれる)。
「ヘンプミルク」(1カップあたり約60キロカロリー、タンパク質は約3グラム、マグネシウム、カルシウム、ビタミンDを多く含み、免疫システムと認知機能には欠かせない栄養素、オメガ3とオメガ6脂肪酸も摂取できる)、「ライスミルク」(無糖の場合、ほかの植物性代替ミルクに比べると、カロリーは低いが、風味が弱いため、市販品には砂糖が加えられているものがほとんど)、「くるみミルク」(1カップあたり約120キロカロリー、タンパク質は約3グラム)を紹介している。