(過去の記事については店舗名、個人名を検索すると見られます)
【銀座新聞ニュース=2013年1月6日】ヴァニラ画廊(中央区銀座6-10-10、第2蒲田ビル4階、03-5568-1233)は1月7日から19日まで新春特別企画展「コンデスドヴァニラ(Condensed Vanilla)2013」を開催する。
今回は2012年にヴァニラ画廊で開催した展示会の中で、物議をかもした作品を展示する。出品するのは妖怪造形家の天野行雄(あまの・ゆきお)さん、張り子人形作家の荒井良(あらい・りょう)さんら15人だ。
また、都築響一(つづき・きょういち)さんの「満珍全席」(北九州の「蝋製の人体標本」)より「妄想の蝋人形」とオリエント工業のラブドールも出品する。小松崎茂(こまつざき・しげる、1915-2001)の弟子、根本圭助(ねもと・けいすけ)さんも協力している。
参加しているのは天野行雄さん、荒井良さんのほか、「伝説の緊縛絵師」と呼ばれるSM画家で、2012年に90歳を迎えた沖渉二(おき・しょうじ)さん、空想科学イラスト、戦記物、プラモデルの箱絵(ボックスアート)で知られた小松崎茂(こまつざき・しげる、1915-2001)、異色時代劇「無限の住人」で知られる沙村広明(さむら・ひろあき)さん。
子どもを描く作風の下田(しもだ)ひかりさん、おしゃれでかわいい女の子を描く須川(すがわ)まきこさん、エロティックかつメタリックな質感およびメカニカルな造形で女性を描き、ソニーのロボット「アイボ(AIBO)」のデザインも手がけた空山基(そらやま・はじめ)さん。
少女主義的水彩画家のたまさん、イラストレーターで創作人形作家の鳥居椿(とりい・つばき)さん、過激な妄想エロ作品を描いているぴんから体操(たいそう)さん、独自の少女画を描く福山フキオ(ふくやま・ふきお)さん、「ライチ光クラブ」で知られるマンガ家の古屋兎丸(ふるや・うさまる)さん、球体関節人形作家の森馨(もり・かおる)さん、人形作家でイラストレーターの山下昇平(やました・しょうへい)さん。
天野行雄さんは1970年岡山県倉敷市生まれ、東京造形大学を卒業、アートユニット「日本物怪観光(にほんもののけかんこう)」を立ち上げ、その土地に伝わる「もののけ伝承」を通じて、土地のもつ歴史や風土、そこに生きる人々の暮らしを感じ、そうしたコンセプトのもとに絵画、彫刻などの作品を制作している。
荒井良さんは1958年東京都生まれ、文化学院美術科、武蔵野美術学園彫塑科を卒業、1989年に独立し、「工房もんも」を設立、京極夏彦(きょうごく・なつひこ)さんの文庫判カバーの妖怪制作や造形制作を手がけている。
沖渉二さんは1922年兵庫県生まれ、大阪府育ち、東京美術学校(現東京芸術大学)油絵科を卒業、太平洋戦争に従軍し、陸軍本土防衛隊に所属し、宮崎で終戦を迎え、復員後は進駐軍美術装飾係として似顔絵を担当し、アルバイトで大阪・梅田の洋画絵看板も手がけ、大阪の夕刊紙「国際新聞」の小説さし絵を担当した。
1950年代半ばに上京、SM雑誌「裏窓」(あまとりあ社)などでさし絵を描き、1970年代のSMブーム時に多くの雑誌に作品を発表した。大阪時代は「桜井五郎」、SM雑誌の「裏窓」時代から「沖渉二(沖渉司)」、劇画家としては「帯刀惇(たてわき・じゅん)」を使い、1980年代半ばから東京スポーツのさし絵連載時は「美影栄(みかげ・さかえ)」というペンネームを使用した。また、団鬼六(だん・おにろく、1931-2011)の「穴倉令嬢」などのさし絵を手がけている。
小松崎茂は1915年東京都南千住生まれ、1938年に「小樽新聞」に連載の悟道軒円玉(ごどうけん・えんぎょく、1866-1940)の講談小説「白狐綺談」のさし絵でデビューし、1939年には科学雑誌「機械化」のさし絵で、戦争物や空想科学を題材にした絵を描き、戦時中は国民向け雑誌に戦記小説のさし絵や軍艦、戦車、飛行機などの戦争イラストを発表した。
戦後は少年誌向けに表紙やさし絵を描き、1948年に子ども向けの絵物語ブームが起こり、1948年から1951年にSF冒険活劇物語「地球SOS」が月刊誌「冒険活劇文庫」(少年画報社、後に「少年画報」)に連載され、その後、「大平原児」や「平原王」、「第二の地球」など西部劇物語、科学冒険と幅広く執筆した。1950年代半ばに絵物語人気がマンガに押されたが、1960年代に戦争を知らない世代の子どもたちの間で戦記ブームが起こった。
1960年代から1970年代にかけてプラスチック製の子ども向けおもちゃが主流となり、プラモデルなどのボックスアート(箱絵、パッケージアート)などに使用されるイメージやイラストを手がけ、イラストレーターとして、第1次プラモデルブームに貢献した。1961年にタミヤが多額の金型開発費を投入したモーターライズ戦車プラモデル「パンサータンク」の箱絵を手がけ、ヒット商品となり、その後のタミヤの経営が軌道に乗るきっかけとなった。
東宝の特撮物では1959年に「地球防衛群」や「宇宙大戦争」、1961年に「モスラ」のメカデザイン、 1963年に「マタンゴ」などのキャラクターデザインやストーリーボードも手がけてた。1970年以降、日本のプラモデル産業の成長に伴い、世界各国での需要がある戦車や飛行機、艦船模型の輸出が活発になると、箱絵の背景に描かれた「箱に入っていない物」が誤解を招き、タミヤでは「背景には製品に含まれないアイテムは描かないこと」という通達を出した。
以後は、国内市場が主力の模型メーカーの戦車AFVや、キャラクター・トイ向けメーカーからの仕事が増えた。晩年もミックスアップ(MIX-UP)やCDジャケット、プレイステーション2のメタルギアソリッド2限定版付属冊子内イラストなどを手がけ、2001年に心不全で死去した。
沙村広明さんは1970年千葉県生まれ、1980年頃から女性型変身ヒーローが多数の怪獣に囲まれてボロボロにされる絵を好んで描き、1993年に多摩美術大学美術学部油絵科を卒業、在学時に「漫画研究会」に所属、1994年に講談社の「月刊アフターヌーン」にて「無限の住人」を連載し、「アフタヌーン四季賞」の大賞を受賞してマンガ家としてデビューした。
「無限の住人」は1997年に「第1回文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞しており、2002年に英語版がアイズナー賞最優秀国際作品部門を受賞し、10年を超える長期連載作品となっている。1998年に「漫画クリスティ」(光彩書房)に責め絵を発表し、以後、2004年までさまざまな雑誌に責め絵を掲載し、2004年に責め絵を描くのを止める。2006年にこれらの責め絵を集めた画集「人でなしの恋」(一水社)を発行している。
下田ひかりさんは1984年長野県生まれ、2005年に京都嵯峨芸術大学短期大学部を卒業、イラストレーション青山塾第9期と10期を修了、2008年に個展を開き、以降、毎年都内で個展を開催し、2012年にヴァニラ画廊で「この星の子ども」を開いている。
2007年に東京イラストレーション(TOKYO illustration)2007公募で入選、芸術の森展で秀作賞、2008年に第7回ネクストドアー(NEXT DOOR)公募展で入選、2010年に第3回アーティクル賞で入選している。
須川まきこさんは和歌山県田辺市生まれ、京都造形芸術短期大学専攻科を卒業、小さな大展覧会大賞、高島屋クリスマスイラスト展大賞などを受賞している。
空山基さんは1947年愛媛県今治市生まれ、1969年に四国学院大学文学部英文科を卒業、この間、中央美術学園で美術を学び、卒業後は広告代理店に入社、1971年にフリーのイラストレーターとして独立、以後、エロティックかつメタリックな質感およびメカニカルな造形で女性を描いたイラストレが評価され、ソニーのロボット「アイボ(AIBO)」のデザインも手がけている。
たまさんは1977年福井県鯖江市生まれ、2000年に大阪芸術大学芸術学部美術学科を卒業、2001年に福井市のグループ展に参加、2003年に「ゲイサイ(GEISAI)-3」のイラスト部門に参加、2004年に大阪で個展、2007年に第4回ものづくりビッグギャラリーイン(in)東京ビッグサイト「第3回ポストカードコンテスト(POSTCARD CONTEST)」で優秀賞、2008年にヴァニラ画廊で個展を開いている。
鳥居椿さんは1982年生まれ、2002年から作品の制作をはじめ、「ガラスの小鳥社」を結成、2003年からグループ展に参加し、2010年からヴァニラ画廊のグループ展に出品している。
ぴんから体操さんは1967年生まれ、中学卒業後に工員として働き、19歳ごろから投稿をはじめ、最初は「ロリコンクラブ」や「オトメクラブ」、「お尻倶楽部」に投稿、多いときは月産30点ほど投稿している。
福山フキオさんは1973年愛知県生まれ、1998年から個展を開いており、2002年に刈谷展(刈谷市美術館)で入選、三郎賞を受賞、2005年にも刈谷展で入選、2009年に第39回アメリカ美術賞展で入選している。
古屋兎丸さんは1968年東京都生まれ、多摩美術大学美術学部絵画科(油絵専攻)を卒業、卒業後は油絵だけで身を立てるのが難しく、アルバイトでイラストを描いて収入を得、マンガ家への転身を決意し、1994年に月刊「ガロ」に掲載された「パレポリ(Palepoli)」でデビュー、高校の美術講師をしながらマンガを描き続け、週刊連載「π(パイ)」により、フリーとなる。
2005年にオムニバス映画「ズー(ZOO)」の中の「陽だまりの詩」の脚本・絵コンテ・キャラクターデザインを手がけ、劇団「東京グランギニョル」の舞台をマンガ化した「ライチ光クラブ」で注目され、2012年12月に舞台化される。現在「ジャンプSQ」で「帝一の国」を連載している。
森馨さんは1998年よりアトリエリデルで人形の制作をはじめ、2001年からグループ展などに出品し、2005年からは春画も学び、個展などを開催している。2006年に人形作品集「パルフューム・ドゥ・ボア(Parfum de bois)」を刊行した。
山下昇平さんは1976年宮崎県生まれ、筑波大学芸術専門学群美術専攻洋画コースを卒業、同大学大学院芸術研究科洋画専攻を修了、劇団「夢現舎」の美術全般を担当し、舞台美術家、人形作家、イラストレーターとしても活躍している。
開場時間は12時から19時(土曜日・祝日17時)で、入場料は500円。18歳未満は入場できない。

