ソニービルで海底探査機「江戸っ子」展、7800mの深海映像も

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【銀座新聞ニュース=2014年3月7日】ソニーグループのソニービル(中央区銀座5-3-1、03-3573-2371)は3月10日から31日まで6階で「江戸っ子1号プロジェクト&3D映像公開イベント」を開く。

ソニービルで3月10日から31日まで開催される「江戸っ子1号プロジェクト&3D映像公開イベント」に展示される「江戸っ子1号」。

ソニービルで3月10日から31日まで開催される「江戸っ子1号プロジェクト&3D映像公開イベント」に展示される「江戸っ子1号」。

2013年11月21日から23日まで海洋研究開発機構の研究船「かいよう」にプロジェクトのメンバーが乗船し、房総半島沖の日本海溝で深度7800メートル地点2カ所でそれぞれ1機、深度4000メートル地点1カ所で1機、合計3機の「江戸っ子1号」を投下、それぞれ5時間から30時間程度の海底滞在中に、5時間から30時間のフルハイビジョン3Dビデオ撮影に成功し、3機とも回収された。その「江戸っ子1号」などを展示するとともに、映像を公開する。

展示するのは深海探査機「江戸っ子1号」本体と3DデジタルHDビデオカメラレコーダーで、ヘッドマウントディスプレイによる「江戸っ子1号」が撮影した3D映像を視聴できる。また、15日、16日、21日から31日まで3D映像を公開する。

ウイキペディアによると、江戸っ子1号は深海用小型遠隔操作無人探査機で、2013年11月22日に日本海溝の水深7800メートル地点に潜行、着底し、海底の生物の3Dフルハイビジョンビデオを撮影した。

大阪の中小企業らの東大阪宇宙開発協同組合による人工衛星「まいど1号」に触発され、2009年に杉野ゴム化学工業所社長の杉野行雄(すぎの・ゆきお)さんが「東京は深海を目指そう」と発案したのがきっかけで、杉野ゴム化学工業所、浜野製作所、パール技研、ツクモ電子工業、岡本硝子が参加して誕生した。

全体の事務局は東京東信用金庫が行ない、海洋研究開発機構がコスト面も考慮し、市販のガラス球を素材に水深8000メートルまで自然落下しておもりを分離することで浮上する探査装置を提案し、これをもとに開発され、2011年にソニーのエンジニア有志が参加した。

探査機は4つの球、フレーム、エサ台、オモリで構成され、母船から海中に投入後は自重とオモリで秒速1メートル程度で沈み、2時間程度で7800メートルの海底に到達する。着底後はエサ台が自重で展開し、本体の斜め下方に設置され、照明と3Dビデオ撮影はタイマーでオン・オフされ、母船からの音響通信によるコマンドをトランスポンダで受信し、オモリを切離して浮上する。

浮上後はGPSで位置を測定し、衛星電話(イリジウム)で母船に現在位置を知らせる。家庭用のフルハイビジョン3Dハンディカム(ソニー「HDR-TD20V」)を搭載し、外部バッテリを接続して約10時間の撮影ができる。

海洋研究開発機構の研究船「かいよう」にプロジェクトのメンバーが乗船し、横須賀港から房総半島沖の日本海溝へ向かい、深度7800メートル地点、深度4000メートル地点で計3機を投下した。深度7800メートル地点では、ヨコエビやチヒロクサウオなどが撮影され、深度4000メートル地点では、ソコダラやソコボウズなどが撮影された。映像はこの深度では世界初の3D撮影で、斜め上からの撮影のため生物の行動の観察がしやすいものだったとされている。

25日と26日にトークショーを開く。詳細は後日発表する。

開場時間は11時から19時。入場は無料。