ホットペッパー調べ外食3月19%増、28カ月連続+、実施率7割超

【銀座新聞ニュース=2024年5月10日】大手情報会社のリクルートホールディングス(千代田区丸の内1-9-2、グラントウキョウサウスタワー、03-6835-1111)傘下のリクルート(2021年4月1日付でリクルートライフスタイルを統合、千代田区丸の内1-9-2、03-6835-3000)の「食」に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」はこのほど、3月の「外食市場調査」を発表した。

吉野家ホールディングス傘下の吉野家は「吉野家東銀座店」(中央区銀座3-11-11、03-3549-3314)など全国の店舗(一部除く)で「バターチキンカレー」(税込677円)を発売した。また、「肉だく牛スパイシーカレー」(699円)もリニューアルして販売した。「バターチキンカレー」はチキンの旨味、トマトの酸味、乳製品のコクがバランスよく、「フェヌグリーク」というスパイスも加えている。ご飯の増量は55円。「肉だく牛スパイシーカレー」は吉野家の牛丼の具に合うように開発し、玉ねぎとチキンブイヨン、27種類のスパイスを使用している。

それによると、3月の首都圏・関西圏・東海圏(東名阪)の3圏域の外食市場規模は前年同月比19.2%増の3235億円と28カ月続けてプラスだった。また、コロナ禍前の2019年3月比では11.8%減と2月比(13.4%減)より改善し、回復傾向に入った(2019年1月比11.4%減、2019年12月比10.3%減、11月比18.8%減、10月比11.9%減、9月比11.9%減、8月比19.8%減、7月比17.9%減、6月比20.4%減、5月比16.0%減、4月比21.3%減)。

外食単価は同112円増の2913円と28カ月連続でプラスだったが、前月比でも63円のプラスだった。外食実施率は70.2%と前年比では4.9ポイント増(前月比3.4ポイント増)で、10カ月続けて前年を上回った。実施率が70%を超えるのは2020年2月以来で、これが市場規模の2019年比の3カ月ぶりの好転につながったとしている。外食頻度(外食回数)は月に4.00回と前年を0.27回上回り、前月比でも0.38回増えている。

外食市場規模では、食事主体業態・計は2019年3月比1.3%減(2月比3.7%減、1月比6.0%減)、飲酒主体業態・計は27.8%減(2月比29.7%減、1月比20.3%減)、軽食主体業態・計は11.6%減(2月比13.5%減、1月比13.1%減)といずれも2月よりも2ポイント前後上昇している。また、主要16業態では15業態で市場規模が前年を上回った。

圏域別では首都圏が2060億円(同24.3%増、29カ月続けてプラス)、関西圏が805億円(同9.2%増、9カ月続けてプラス)、東海圏が369億円(同15.3%増、15カ月続けてプラス)と、いずれも前年を上回った。

主要16業種(調査は26分類)を対象とした外食市場規模は飲酒主体の「居酒屋(焼鳥、串焼き、串揚げなど飲酒メインの業態含む)」が前年同月比76億円増の626億円、食事主体の「和食料理店(すし、割烹、料亭、郷土料理専門店等)」が75億円増の522億円、食事主体の「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」が58億円増の377億円など15業態が前年を上回った。

ワタミが運営する「三代目鳥メロ有楽町日比谷口店」(千代田区有楽町1-6-8、松井ビル、050-1709-1159)などの「三代目鳥メロ」(101店舗)は5月31日まで「280円祭」を開いている。酎ハイ、ジムビームハイボールなど13種類のドリンクを280円(税込308円)で提供している。すでに「ザ・プレミアム・モルツ中生」は199円(税込218円)で販売しており、ハイボールとサワー13種類も期間限定で280円にする。

これに対して、飲酒主体の「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」のみが4億円減の72億円と前年を下回った。

外食単価は飲酒主体の「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」が4618円高の1万2290円、飲酒主体の「カラオケボックス」が884円高の3782円、食事主体の「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」が610円高の3143円など15業態が前年を上回った。

これに対して、食事主体の「フレンチ・イタリアン料理店(ファミリーレストラン以外)」が187円安の4686円と下落した。

調査は首都圏、関西圏、東海圏の各圏域中心部からの鉄道距離が、おおむね首都圏90分圏、関西圏80分圏、東海圏60分圏の市区町村に住む20歳から69歳までの男女を対象にインターネットによって実施した。

実施時期は事前調査を2月16日から3月4日まで51万2455件を対象に行い、回収数が3万4244件(回収率は6.7%)。本調査は4月1日から11日まで1万2779件を対象に実施し、回収数が9683件、回収率は75.8%、有効回答数が9606件だった。

本調査での「外食(実施率)」とは、夕方以降の時間帯で店で食事した場合を対象とし、1日2回までの外食を含んでいる。また、2019年4月から調査対象にコンビニ、スーパーなどの「イートイン」の選択肢を追加している。